かりん「わたし…全部話すの」
かりん「何て言ったらいいのか、今もよくわからないし…」
かりん「めちゃくちゃなこと言っちゃうかもしれないけど…」
かりん「それでも、わたしの正直な気持ちを先輩に聞いてほしいの…」
かりん「だから…お願いします、先輩」
アリナ「わ、わかったカラ…」
かりん「ありがとうございます、先輩!」
かりん「それじゃあ…まず最初に、わたし…みんなに謝らなきゃいけないことがあるの」
ももこ「ん?」
かりん「わたし…ずっと嘘ついてたの、演技をしてたの…」
鶴乃「嘘?」
かりん「そうなの…わたしはずっとアリナ先輩の後輩を演技してたの…」
アリナ「え?アリナの後輩だけど…?」
かりん「もちろんそうなの、でも…わたしは前から元々のわたしを演じてたの…」
ももこ「うん…?」
ももこ(レナと練習した時はこんなこと言ってなかったぞ?)
鶴乃「それってつまり、どこかのタイミングでわざと昔のかりんちゃんを演じるようになったってこと?」
かりん「そうなの…」
アリナ「…?」
鶴乃「ならまずは…元々のかりんちゃんって?」
かりん「その…最初のわたしは、漫画が書きたくて先輩の部室に通うようになったの」
かりん「美術部は先輩しかいないけど、先輩がすごいアーティストだってわかってたから」
かりん「その人に色々教わりたくて、お邪魔するようになったの」
アリナ「……」
かりん「アリナ先輩は怖い、って色んな人に言われてたから…内心ビクビクしてたの」
かりん「でもすぐそうじゃなくなったの」
かりん「たしかに先輩はちょっと怖いのかもしれないけど、わたしは怖いだなんて思わなかったの」
アリナ「!」
かりん「わたしの漫画はちゃんと読んでくれるし、ダメなところはダメってちゃんと言ってくれるし」
かりん「誉めてくれるときはちゃんと誉めてくれるの!」
かりん「だからアリナ先輩は厳しいけど、優しい先輩だってわかったの」
アリナ「…」
かりん「それから、先輩に誉めてほしくて毎日部室に行くようになったの」
かりん「ここが、わたしの最初の変化?なの」
鶴乃「つまり『漫画を描くために部室に行く』から『アリナに誉めて貰うために部室に行く』に変わったんだね」
かりん「そうなの、でもここからもっと変わったの…」
アリナ「…」
かりん「漫画やハロウィンでたくさん先輩にはお世話になったの」
かりん「…ハロウィンの時、気づいちゃったの」
かりん「あの時、先輩が来てくれたら…って強く思っちゃったの」
かりん「先輩が来てくれなくて寂しいって…思っちゃったの…」
アリナ「あ…」
いろは(本当はアリナさん来てくれてたんだよね…)
やちよ(私も気づかなかったし、隠れて見ていたのね…)
かりん「あれから…アリナ先輩のことばっかり気にするようになっていったの」
かりん「あの時はまだ…わたしの気持ちには気づいてなかったの」
かりん「……ううん、嘘…なの」
かりん「もうほんとは気づいてたの…わたしの気持ちに…」
かりん「先輩のことを好きになっちゃった…って、わたしの気持ち…」
アリナ「っ!?」
かりん「でも…でもでも!気付かなかったことにしたかったの…」
かりん「わたしは『先輩のことが好きなわたし』じゃなくて『先輩の後輩のわたし』でいたかったの!」
鶴乃「それは…『アリナ・グレイが好きな御園かりん』じゃなくて『あくまで普通の先輩と後輩』でいたかった、ってこと?」
かりん「そうなの…だからわたしはみんなに気付かれないようにずっと演技してたの…」
ももこ「なるほど、それがさっき言ってた演技ってわけね」
鶴乃「たしかに仲が良いのはすぐわかったけど、好きだとは気づけなかったもん」
かりん「由比先輩のお店に入ったときも、すごく頑張って演技してたの」
鶴乃「あの日はどうだったの?」
かりん「初詣は先輩を誘って行くってずっと前から決めてたの」
かりん「でもなかなか言い出せなくて…元旦になっちゃったの」
かりん「朝起きてからお節を食べて、それから先輩に連絡したの」
かりん「でも既読にもならなくて…いつもはすぐ返事くれるのに…だから何かあったと思って」
かりん「気づいたら先輩を探し回ってたの」
かりん「そしてなんとか先輩と会えて、なんとか初詣に誘えたの」
かりん「がんばって普通に誘ったの…でも本当はすごく緊張してたの…」
やちよ「それでフェリシアに怪我させられたのね」
やちよ「すごく反省していたわ」
かりん「あれは…逆にフェリシアちゃんに感謝してるの」
やちよ「え?」
かりん「怪我自体は大したことなかったの、でも先輩がすごく心配してくれて」
かりん「先輩がハンカチで応急処置してくれたのは、どんな回復魔法よりも効果あったの」
アリナ「!」
かりん「先輩がわたしのことを心配してくれたのが、ものすごく嬉しくて…」
かりん「だからあの時はもう頭のなかがアリナ先輩でいっぱいいっぱいだったの」
かりん「でも、バレないように普通でいようとしたの…わたしも騙すくらいの演技をしたの」
鶴乃「あくまで普通のかりんちゃんを装ったんだね」
かりん「おみくじでマジカル☆大吉がでたの、恋愛のところは」
かりん「マジカルな恋が実るってあったの…」
かりん「マジカルな恋…それって絶対アリナ先輩のことなの」
かりん「アリナ先輩と恋人になれるなんて魔法でも無理だと思ってたから」
かりん「本当にびっくりして、ますます先輩のことばかり考えるようになってたの」
かりん「あの時、さっきの双子さんが漫才みたいなことしてたけど全然頭に入ってこなかったの…」
かりん「それにあの時は先輩と手を繋いでたの」
アリナ「…」
かりん「先輩の手はあったかくて…少しでも長く手を繋いでいたかったの」
かりん「初詣の後は先輩とごはんを食べられるところを探したの」
かりん「ほんとは入れるお店はあったけど、手を離したくなかったから」
かりん「見つからないフリをしてたの」
アリナ「えっ」
かりん「それに入れても込んでたから、先輩とゆっくりできないって思って…」
かりん「でも先輩は本当にお腹が空いてたみたいだったの、だからすごく悪いことしたって思ってたの」
かりん「そんなとき見つけたのが由比先輩のお店だったの」
鶴乃「うちはこころちゃんとまさらちゃんしか来てなくて暇だったからね!」
鶴乃(なんか複雑だけど逆に良かった!)
かりん「あの時も頭のなかは先輩のことばかりで、あんまり味はわからなかったの」
鶴乃(なんの特徴もない50点で逆に良かった!特徴あったら頭なか変わっちゃうかもしれないからね!逆に!うん!)
かりん「がんばっていつものわたしを演じようとしたけど…」
かりん「先輩のことばかり考えて、先輩のことばかり見てて」
かりん「だから、食べることに集中できなくてごはんつぶが付いたと思うの」
かりん「先輩と一緒に食べることもなかったから緊張もしてたし」
かりん「先輩もすごく優しそうにわたしを見てくれてて」
かりん「あの時はもう限界だったと思うの…」
かりん「先輩のことしか考えられなかったの…」
鶴乃(本当に優しそうに見つめてたもんね、アリナ・ホワイトだったよ!)
かりん「何て言ったらいいのか、今もよくわからないし…」
かりん「めちゃくちゃなこと言っちゃうかもしれないけど…」
かりん「それでも、わたしの正直な気持ちを先輩に聞いてほしいの…」
かりん「だから…お願いします、先輩」
アリナ「わ、わかったカラ…」
かりん「ありがとうございます、先輩!」
かりん「それじゃあ…まず最初に、わたし…みんなに謝らなきゃいけないことがあるの」
ももこ「ん?」
かりん「わたし…ずっと嘘ついてたの、演技をしてたの…」
鶴乃「嘘?」
かりん「そうなの…わたしはずっとアリナ先輩の後輩を演技してたの…」
アリナ「え?アリナの後輩だけど…?」
かりん「もちろんそうなの、でも…わたしは前から元々のわたしを演じてたの…」
ももこ「うん…?」
ももこ(レナと練習した時はこんなこと言ってなかったぞ?)
鶴乃「それってつまり、どこかのタイミングでわざと昔のかりんちゃんを演じるようになったってこと?」
かりん「そうなの…」
アリナ「…?」
鶴乃「ならまずは…元々のかりんちゃんって?」
かりん「その…最初のわたしは、漫画が書きたくて先輩の部室に通うようになったの」
かりん「美術部は先輩しかいないけど、先輩がすごいアーティストだってわかってたから」
かりん「その人に色々教わりたくて、お邪魔するようになったの」
アリナ「……」
かりん「アリナ先輩は怖い、って色んな人に言われてたから…内心ビクビクしてたの」
かりん「でもすぐそうじゃなくなったの」
かりん「たしかに先輩はちょっと怖いのかもしれないけど、わたしは怖いだなんて思わなかったの」
アリナ「!」
かりん「わたしの漫画はちゃんと読んでくれるし、ダメなところはダメってちゃんと言ってくれるし」
かりん「誉めてくれるときはちゃんと誉めてくれるの!」
かりん「だからアリナ先輩は厳しいけど、優しい先輩だってわかったの」
アリナ「…」
かりん「それから、先輩に誉めてほしくて毎日部室に行くようになったの」
かりん「ここが、わたしの最初の変化?なの」
鶴乃「つまり『漫画を描くために部室に行く』から『アリナに誉めて貰うために部室に行く』に変わったんだね」
かりん「そうなの、でもここからもっと変わったの…」
アリナ「…」
かりん「漫画やハロウィンでたくさん先輩にはお世話になったの」
かりん「…ハロウィンの時、気づいちゃったの」
かりん「あの時、先輩が来てくれたら…って強く思っちゃったの」
かりん「先輩が来てくれなくて寂しいって…思っちゃったの…」
アリナ「あ…」
いろは(本当はアリナさん来てくれてたんだよね…)
やちよ(私も気づかなかったし、隠れて見ていたのね…)
かりん「あれから…アリナ先輩のことばっかり気にするようになっていったの」
かりん「あの時はまだ…わたしの気持ちには気づいてなかったの」
かりん「……ううん、嘘…なの」
かりん「もうほんとは気づいてたの…わたしの気持ちに…」
かりん「先輩のことを好きになっちゃった…って、わたしの気持ち…」
アリナ「っ!?」
かりん「でも…でもでも!気付かなかったことにしたかったの…」
かりん「わたしは『先輩のことが好きなわたし』じゃなくて『先輩の後輩のわたし』でいたかったの!」
鶴乃「それは…『アリナ・グレイが好きな御園かりん』じゃなくて『あくまで普通の先輩と後輩』でいたかった、ってこと?」
かりん「そうなの…だからわたしはみんなに気付かれないようにずっと演技してたの…」
ももこ「なるほど、それがさっき言ってた演技ってわけね」
鶴乃「たしかに仲が良いのはすぐわかったけど、好きだとは気づけなかったもん」
かりん「由比先輩のお店に入ったときも、すごく頑張って演技してたの」
鶴乃「あの日はどうだったの?」
かりん「初詣は先輩を誘って行くってずっと前から決めてたの」
かりん「でもなかなか言い出せなくて…元旦になっちゃったの」
かりん「朝起きてからお節を食べて、それから先輩に連絡したの」
かりん「でも既読にもならなくて…いつもはすぐ返事くれるのに…だから何かあったと思って」
かりん「気づいたら先輩を探し回ってたの」
かりん「そしてなんとか先輩と会えて、なんとか初詣に誘えたの」
かりん「がんばって普通に誘ったの…でも本当はすごく緊張してたの…」
やちよ「それでフェリシアに怪我させられたのね」
やちよ「すごく反省していたわ」
かりん「あれは…逆にフェリシアちゃんに感謝してるの」
やちよ「え?」
かりん「怪我自体は大したことなかったの、でも先輩がすごく心配してくれて」
かりん「先輩がハンカチで応急処置してくれたのは、どんな回復魔法よりも効果あったの」
アリナ「!」
かりん「先輩がわたしのことを心配してくれたのが、ものすごく嬉しくて…」
かりん「だからあの時はもう頭のなかがアリナ先輩でいっぱいいっぱいだったの」
かりん「でも、バレないように普通でいようとしたの…わたしも騙すくらいの演技をしたの」
鶴乃「あくまで普通のかりんちゃんを装ったんだね」
かりん「おみくじでマジカル☆大吉がでたの、恋愛のところは」
かりん「マジカルな恋が実るってあったの…」
かりん「マジカルな恋…それって絶対アリナ先輩のことなの」
かりん「アリナ先輩と恋人になれるなんて魔法でも無理だと思ってたから」
かりん「本当にびっくりして、ますます先輩のことばかり考えるようになってたの」
かりん「あの時、さっきの双子さんが漫才みたいなことしてたけど全然頭に入ってこなかったの…」
かりん「それにあの時は先輩と手を繋いでたの」
アリナ「…」
かりん「先輩の手はあったかくて…少しでも長く手を繋いでいたかったの」
かりん「初詣の後は先輩とごはんを食べられるところを探したの」
かりん「ほんとは入れるお店はあったけど、手を離したくなかったから」
かりん「見つからないフリをしてたの」
アリナ「えっ」
かりん「それに入れても込んでたから、先輩とゆっくりできないって思って…」
かりん「でも先輩は本当にお腹が空いてたみたいだったの、だからすごく悪いことしたって思ってたの」
かりん「そんなとき見つけたのが由比先輩のお店だったの」
鶴乃「うちはこころちゃんとまさらちゃんしか来てなくて暇だったからね!」
鶴乃(なんか複雑だけど逆に良かった!)
かりん「あの時も頭のなかは先輩のことばかりで、あんまり味はわからなかったの」
鶴乃(なんの特徴もない50点で逆に良かった!特徴あったら頭なか変わっちゃうかもしれないからね!逆に!うん!)
かりん「がんばっていつものわたしを演じようとしたけど…」
かりん「先輩のことばかり考えて、先輩のことばかり見てて」
かりん「だから、食べることに集中できなくてごはんつぶが付いたと思うの」
かりん「先輩と一緒に食べることもなかったから緊張もしてたし」
かりん「先輩もすごく優しそうにわたしを見てくれてて」
かりん「あの時はもう限界だったと思うの…」
かりん「先輩のことしか考えられなかったの…」
鶴乃(本当に優しそうに見つめてたもんね、アリナ・ホワイトだったよ!)