暫くして
あいみ「なんか疲れた…塗っただけなのに」
こころ「ごめんね、あいみ」
まさら「助かったわ」
あいみ「どういたしまして」
あいみ(なんか二人の保護者になった気分)
あいみ(魔法少女としてなら、二人の方が強いんだけどなー)
あいみ(でも…まぁ私もだけど普通の高一なんだもんね)
あいみ(みんなと違うのは魔法少女だけなんだよ)
こころ「あいみ?」
あいみ「ん?」
こころ「大丈夫?ぼーっとしてたよ?」
あいみ「ごめんごめん、ちょっと考えてて」
あいみ「それよりもさ、まさらに頼んだ?」
こころ「頼む?」
あいみ「泳ぎ方教えてもらうんでしょ?」ヒソヒソ
こころ「あっ、それは…」
まさら「泳ぎ方を?構わないわ」
こころ「わっ?まさら!?」
まさら「?」
あいみ「こころあんまり泳ぐの得意じゃないみたいだからさ、よかったら」
まさら「ええ、私でいいのなら」
こころ「で、でもさ…せっかく海に来たのに…教えてもらうのはもったいないような…」
あいみ「海に来たからこそじゃん!それに泳げなくて溺れたらどうするの?」
こころ「う…それは…」
まさら「大丈夫、あなたが溺れても必ず私が救ってみせる」
こころ「まさら…」
まさら「だから安心して、私がついてる」
こころ「うん…///」
あいみ(このままコクっちゃえばいいのに)
あいみ(こころなんか今なら確実に…って、まさらならいつ告白しても大丈夫か)
あいみ(なのに二人とも恥ずかしがっててねー、気持ちはめっちゃくちゃわかるんだけど)
あいみ(でも二人とも確実にいつもより意識しあってるし)
あいみ(うまく行けば今日中も無理じゃないかも!?)
あいみ(うんうん!なら私は邪魔にならないようにしなきゃね!)
あいみ「んじゃ、私はその辺ぷらぷらしてるから二人とも頑張ってね!」
こころ「えっ?」
まさら「一緒に来ないの?」
こころ「一緒におよごうよー!」
あいみ「だって私は普通に泳げるし、二人で教えるほどのカナヅチでもないでしょ?」
こころ「そうだけど…せっかく三人で来たんだし」
まさら「あなただけ除け者にするわけにはいかないわ」
あいみ「あーいいよいいよ、最初からそのつもりで来たんだし」
あいみ「それに今のうちに海の家とか見とくからさ」
あいみ「あ!でさ、午後は三人で泳ごうよ!だからそれまでにちゃんと泳げるようになっててね!」
こころ「あいみ…」
まさら「…そう、わかった」
あいみ「んじゃまたあとでー!」
こころ「…なんか悪いことしちゃったかも」
まさら「いえ、少なくともこころは悪くない…提案したのもあいみだったのだし」
こころ「それはそうだけど…」
まさら「あいみは気を使ってくれているのよ…私たちのために」
こころ「うん…」
まさら「あいみの気遣いを無駄にしないためにも、しっかりと泳ぎ方を教えるわ」
こころ「…そうだね、お願いします、まさら先生!」
まさら「ふふ、私は厳しいわよ?授業のように甘くないから」
こころ「ぅ…が、がんばるよ!」
あいみ「さてと、暇潰ししなきゃねー」
あいみ「2時間くらいは一人でいるだろうし、その間に何しよう?」
あいみ「海…うーむ…」
「あいみ」あいみ
あいみ「は、隼人くん?」
「今度の日曜、よかったら一緒に海に行かない?」あいみ
あいみ「え?う、海?でも誰と…」
「もちろん、俺とあいみの二人きりだよ」あいみ
あいみ「そ、それって…う、海デート…?な、なーんて」
「うん、海デート」あいみ
あいみ「!!」
「あいみ、愛してる。二人で愛の海に溺れよう」あいみ
あいみ「もう私は溺れてるよ…」
あいみ「きゃーーー!!きゃーーー!!」
あやめ「このはこのは!あの人一人で騒いでる!」
このは「…見ちゃダメよ」
あやめ「えー?」
このは「ほら、葉月が休憩に入るまで二人で泳ぎましょう」
このは「こんど深月さんと競争するのよね?」
あやめ「そうだった!まってろよフェリシアー!あちし負けないからなー!」
このは「…かわいい」
このは「…それにしても…静かな海と聞いていたのだけど、今日は騒がしそうね」
海の家
葉月「このはの株にばっかり頼っちゃ悪いからね」
葉月「夏休みのうちにちょっとは私も稼いどかないと!」
葉月「今のうちにじゃんじゃん焼きそば作るよー!」
まさら「大丈夫?ちゃんと足はついてる?」
こころ「私、まさらとそんなに身長変わらないんだし、まだまだ大丈夫だよー」
まさら「そう、よかった…でも油断してはダメよ」
まさら「人は溺れると例え30cmでも死んでしまうらしいわ」
こころ「そ、そうなの?」
まさら「ええ、だから油断しないで」
こころ「わ、わかったよ…ふふ、でもまさらがいてくれるから安心できるよ」
こころ「まさらが一緒にいるだけで、どんな時も安心できるんだよ?」ニコ
まさら「っ…///」
こころ「?」
まさら「と、とにかく油断はダメ…手を離さないで」
こころ「うんっ」
ギュッ
まさら「…///」
こころ「…///」
あやめ「このはー、なんかこの辺ぬるいー」
このは「変ね…なぜここだけ水温が高く…」
このは「あら…?」
まさら「少しずつ後ろに進むから、あなたは足を動かして」
こころ「う、うん!」
このは(あの子…たしか他校の水泳部…よね)
このは(名前は…そう、加賀美さん…だったはず)
このは(競泳の練習…ではなさそうね)
このは(泳ぎ方を教えている…?あの子も私たちと同じくらいの年齢に見えるけど)
このは(小さい子供に教えるようなやり方をしているわ、過保護すぎるんじゃないのかしら)
あやめ「このはー!足つりそう!」
このは「あやめーーーっ!!!」