まさら「あいみ?」
あいみ「…んっ?」
まさら「どうしたの?」
あいみ「え?なにが?」
まさら「呼んでも反応ないから」
あいみ「あっ!ごめん、考え事してた」
まさら「そう?はい」
あいみ「あっ!これは」
まさら「マサラカレー」
あいみ「まさらカレー!」
まさら「別に自分の名前が入ってるからと言うわけではないけど、いろんなスパイスをブレンドさせてほどよい刺激になるのよ」
あいみ「だからまさらカレー!」
まさら「一応言うけど、まさらカレーじゃなくてマサラカレーよ」
あいみ「うん!まさらカレー!」
まさら「…まぁいいわ、自分でもわかっててやってるし」
あいみ「いただきます!」
まさら「いただきます」
あいみ「ん!久々に食べたけど前より美味しくなってない!?」
まさら「いろいろスパイスの研究をしたのよ」
あいみ「そっかぁ、これ夏にはほんといいね!」
まさら「ありがとう、でも…」
あいみ「でも?」
まさら「何かが…何かが足りないのよね」
まさら「刺激は十分にあるけど、刺激じゃない別の何かが…」
あいみ「ふふっ」
まさら「?なにか変?」
あいみ「いや、うんほんとまさらカレーだなって」
まさら「??」
あいみ「刺激は足りてるけど何かが足りないんだよね?」
まさら「ええ」
あいみ「そこって、ほんとまさらだなーって」
まさら「???」
あいみ「足りないのって隠し味でしょ?」
まさら「!…そうね、そうなるわ…隠し味…」
あいみ「辛さはちょうど良いけど、あとちょっとって言ったら?」
まさら「…甘さ」
あいみ「そう!甘さ!隠し味にちょっと甘さがあれば完璧だと思うよ!」
まさら「…そう思って、チョコやジャムは前に入れてみたけど…何かが違うのよ」
あいみ「あ、そうなの?」
まさら「何かしっくりくるもの…」
あいみ「まさらカレーに足りないもの…まさら…」
あいみ「ここ…」
あいみ「!」
まさら「何かあった?」
あいみ「…ううん、ちょっと」
まさら「?」
あいみ「でもほんと美味しいよ!まさらってあんまり料理するイメージないからみんなも意外に思うだろうね」
まさら「こころ以外だとあなたくらいにしか出さないもの」
あいみ「そりゃ光栄だけど勿体無いなぁ」
まさら「料理もこころの方がずっと美味しいわ」
あいみ「まぁ比較対象がこころだとね、でもまさらだって十分に美味しく色々作れそうだよ?」
あいみ「というより何でも卒なくこなしそうだもん」
まさら「そうでもない、私は不器用よ…」
あいみ「そうかなー?」
あいみ「じゃあさ!まさらカレーを進化させてみんなに振る舞ったらどう?」
まさら「え?」
あいみ「カレーってみんな好きじゃん!いろはちゃんもやちよさんもアリナも大好きって公言してるし!」
まさら「でも私のをわざわざ振る舞うのは気が引けるわ、そんな価値があるとは思えないし」
あいみ「いやいや!みんな喜ぶって!」
あいみ「でも…今のをもっと美味しくできたらの方がもっともっと良いと思うけどね!」
まさら「…」
あいみ「乗り気じゃない?」
まさら「今更私がカレーを振る舞っても反応に困るはずよ」
あいみ「そうとは限らないと思うよ?」
まさら「私は、こころが満足してくれるならそれで十分だから」
あいみ「そっかー」
あいみ「……」
あいみ「うん!美味しかった!ごちそうさま!」
まさら「いえ」