こころ「まさらの方が…ってきりがないね」
まさら「うん、私もそう思う」
こころ「まぁこれは置いとくとして…とにかく、まさらの事は知ってたよ!初めて見た日のこと覚えてるもん」
まさら「初めて…」
こころ「うん、だからあの時まさらが助けてくれた時はシンデレラみたいな気分だったんだよ?」
まさら「シンデレラ…?」
こころ「白馬の王子様が迎えに来てくれたーって!」
まさら「…あの時泣きそうだったのにそんなこと考えてたの?」
こころ「あはは…今のテンションだから言えてるんだけどね」
まさら「…白馬の王子様…ね…」
こころ「あ、白馬の王女様…?」
まさら「それは別にいいんだけど、それを言うなら私もそうよ」
こころ「うん?」
まさら「きっと私は…ずっと眠ってたんだと思う」
こころ「寝て…?あっ!毎日が退屈で寝てても起きてても変わらない!みたいな…?」
まさら「…まぁ、そうね。何というか…私はずっと眠り続けていて」
まさら「もしかしたら、ずっと眠りつづ寝る人生だったのかもしれない、寝たまま死んでしまったのかもしれない」
こころ「…わかった!白雪姫!?」
まさら「そう、白雪姫…」
こころ「まさらが白雪姫…!」
まさら「私を眠りから覚ましてくれた人…それを例えるなら白馬の王子様なのかもしれないわ」
こころ「白馬の王子様…!」
まさら「その白馬の王子様が誰だかわかる?」
こころ「え!?そっ、それは……」
こころ「……え…えっと…」
まさら「わからない?」
こころ「……うぅ……」
まさら「本当にそう?」
こころ「…まさらのいじわる」
まさら「そうかもしれない」
こころ「もー!じゃあ答えを言ってよ!」
まさら「…内緒」
こころ「えー!?なんで?」
まさら「……だって、恥ずかしいから」
こころ「まさらも恥ずかしいって感じるの?」
まさら「…私をなんだと思ってるの…」
こころ「わっ!ご、ごめんね?そんなに“しゅん…”ってしないで…」
まさら「………」
こころ「ま、まさら…ごめんなさい…」
まさら「……ふふっ、冗談よ」
こころ「えっ…えー!」
まさら「ふふ、ごめんなさい」
こころ「うー…さっきからまさらに上手いこと乗せられてるような…」
まさら「気のせいだよ」
こころ「気のせい…気のせいかぁ…気のせいと言えば…まさらってさ」
まさら「なに?」
こころ「ちょくちょく口調が変わるよね」
まさら「え?」
こころ「いつもは『〜よ』とか『〜だわ』ってクールな感じで言うけど、たまに『〜だよ』とかみたいに可愛く言うことあるもん」
まさら「……あっ」
こころ「あれってどっちが素なの?」
まさら「…正直、わならない。別にどちらも意図的にしているものじゃないから」
こころ「そうなの?」
まさら「うん、でもたぶん普通じゃない時に口調が変わりやすいのかもしれないわ」
こころ「そっかぁ…ふーん…ね、まさら。誰が白馬の王子様なの?」
まさら「え」
こころ「私、誰か聞いてみたいなぁ」
まさら「……こころ、この少しの間で変わった?」
こころ「ちょっとだけ吹っ切れたのかも」
まさら「そう…吹っ切れたんだ」
こころ「うん!」
まさら「じゃあ、誰が白馬の王子様か言えるはずよ?」
こころ「う……もー、やっぱりズルい」
まさら「ごめんなさい」
まさら「こころ」
こころ「なに?」
まさら「こころ」
こころ「心?」
まさら「こころ」
こころ「こころ?」