ほむら「な……!?」

あやか「ほむらちゃん?」ニコニコ

ほむら「どう…して…?」

ほむら(そんなまさか……)

ほむら(私の時間停止が効いていない…?)

ほむら(そんなはずは…確かに時間を巻き戻すことはできなくなったけど)

ほむら(止めることはできるはずよ?)

ほむら(それなのに……?)

あやか「あーあ、見ちゃったんだね」ニコニコ

ほむら(私の時間停止の世界に入門してきたとでも言うの…?)

ほむら(あり得ない…こんなことは今まで一度も……)

ほむら「!?」

あやか「さーて、どうしよっかな?」

あやか「お仕置きが必要よね?」

ほむら(あやかさんの格好って…まさか…)

ほむら(まさか……!?)

あやか「ん?この格好が気になるの?」

ほむら「っ……」

あやか「ほむらちゃんならもうとっくに分かってるんじゃないの?」

ほむら「…魔法…少女……?」

あやか「うん」

ほむら「…!」

あやか「あたしも魔法少女だよー」

あやか「そして次にほむらちゃんは」

ほむら「…し」

あやか「『姉妹揃って魔法少女だったとでも言うの?』」

あやか「と言うっ!」

ほむら「姉妹揃って魔法少女だったとでも言うの?」

ほむら「……はっ?」

あやか「ふふ、ほらね」

ほむら「……このことは」

あやか「『さやかは知っているの?』でしょ?」

ほむら「さやかは知っているの?」

ほむら「……!」

あやか「あはは、答えはノンノン、さやかは知らないよ」

ほむら「………」

ほむら(なに…なんなの…?)

ほむら(私の台詞を当てたり、行動を先読みしたり……)

ほむら(まるで手玉に取られているようだわ……)

あやか「それよりもー」ズイッ

ほむら「……!」

あやか「人との約束も守れない仔猫ちゃんにはお仕置きが必要だよね」

あやか「ほむらちゃん」ニコッ

ほむら「ひっ……」ゾクッ

ほむら(まずい…)

ほむら(今…私は恐怖している……)

ほむら(もう時間は巻き戻せないと言うのに……)

ほむら(………だったら)

あやか「ふふ、ほむらちゃんの髪って綺麗だよね」サラサラ

ほむら「……」キッ

あやか「あら?」

ほむら(こうなったら…戦うしかない…!)

ほむら(もちろん殺すわけにはいかないわ)

ほむら(…ソウルジェムを奪って優位に立つ)

ほむら(その為に威嚇射撃くらい…空砲だけどね)

ほむら「…」スッ

あやか「ダーメ」ガシッ

ほむら「なっ…」

あやか「その盾の中に武器が入ってるんでしょ?」

ほむら「………!」

あやか「ダメよ、人の家で射撃なんかしちゃ!めっ!」

ほむら「っ…」

あやか「まあ、空砲の威嚇射撃だから大丈夫かも知れないけど」

ほむら「!?」

あやか「それでもご近所さんがびっくりしちゃうからダメよ?」

ほむら「………」ダラダラ

ほむら(そんな…嘘よ……)

ほむら(私の全てが見透かされてる……?)

ほむら(………勝てない)

ほむら(時間停止も効かない)

ほむら(思考は読まれる)

ほむら(そして何よりもこの人には……)

あやか「ほむらちゃんみたいな悪い仔猫ちゃんにはどんなお仕置きが必要かしら?」

あやか「ねっ?ほむらちゃん!」ニコッ

ほむら(凄みがある……!)

ほむら(私をまるで赤ちゃんのように扱ってるようにすら感じるわ……)

ほむら(……怖い)

ほむら(魔女にも抱いたことの無いこの感情は……)

ほむら(………ダメ)

ほむら(抵抗したら何をされるか分からない……)

ほむら(ようやく勝ち取ったこの平和を奪われるわけにはいかない…!)

ほむら(……大人しく従うしかなさそうね)

ほむら「………」ペタン

あやか「あらあら?どうしたの?座り込んじゃって?」

あやか「怖かったのかな?大丈夫だよ、痛くないからね?」ナデナデ

ほむら「……」

ほむら(耐えるしかない…)

あやか「んー、ほむらちゃんのお仕置きは…」

あやか「そうだっ!」ポンッ

あやか「ほむらちゃんに色々と『教えて』あげるね?」ニコッ

ほむら「………」

ほむら(この日から私たちの生活は変わっていった)

つづく