放課後

駅前

まどか「………」

まどか「遅いなぁ…」

まどか「ちゃんとマミさんに伝えたよね?」

まどか「駅前に来てって」

まどか「それに、ほむらちゃんだって……」

まどか「うーん…これじゃあバレンタインが終わっちゃうよ」

まどか「大丈夫なのかな…?」

まどか「ほむらちゃんとマミさん、仲良くなってほしいのに」

まどか「ほむらちゃんは恥ずかしがっちゃうし、マミさんもまだ維持張っちゃってるんだもん」

まどか「だから、わたしが何とかしなきゃ!」

まどか「でも、二人とも駅前に来てって言ったのに来てくれないし……」

まどか「もー、どうすればいいの?」

まどか「ほむらちゃんには内緒でプレゼントも買ったのに……」

まどか「はぁ…こんな日に限って携帯忘れちゃうだなんて」

まどか「わたしってほんとバカだよぉ…」

まどか「んー…今から二人を探したり携帯を取りに帰ってる間にすれ違っちゃうのも嫌だし……」

まどか「…あーあ、もっと良いアイデアいくらでもあるんだろうけどなぁ」

まどか「さやかちゃんの邪魔はしたくないし」

まどか「仁美ちゃんと杏子ちゃんはなんか怖いし……」

まどか「わたし一人じゃ何にもできないよ……」

まどか「……ん?」

キュゥべえ「うんせー」テクテク


まどか「え?…え??」

まどか「ちょ、ちょっと!キュゥべえ!?」

キュゥべえ「おや?まどかじゃないか。こんな所で奇遇だね」

まどか「そ、そうだね」

キュゥべえ「ついでに魔法少女になろうよ」

まどか「いや、それよりもキュゥべえって歩けたの?」

キュゥべえ「歩ける?ああ、二足歩行のことかい?」

まどか「う、うん」

キュゥべえ「馬鹿にしてほしくないね、君たち人類ができる二足歩行が僕たちにできないわけがないじゃないか」

まどか「そ、そっか」

キュゥべえ「もちろん、お菓子作りだってこの通りさ」

まどか「……お、お菓子持ってるから二足歩行してたの?」

キュゥべえ「そうだよ、見てみるかい?」パカッ

まどか「!す、すごい!マミさんの形をしたチョコケーキ!?」

まどか「人の形をしたケーキだなんて中々作れないよ?」

キュゥべえ「食べるだけがインキュベーターじゃない。それを証明してみせただけだよ」

まどか「へー、キュゥべえって意外と凄いんだね」

キュゥべえ「意外?意外とは心外だね!」ムカッ

キュゥべえ「僕たちインキュベーターは君たち人類よりも」クドクド

まどか「うぇひひ…」

キュゥべえ「だいたい、まどか!君は…あっ!」ポロッ

まどか「あっ!ケーキが!」

ボトッ

マミーン

まどか「あ……」

キュゥべえ「………」

まどか「あ…えと…キュゥべえ…その、ま、また作れば良いんじゃないかな?」

キュゥべえ「………」ジワッ

まどか(な、泣いちゃった?)

キュゥべえ「……まどかの馬鹿!」

まどか「えっと…」

キュゥべえ「君が話しかけてこなければ今ごろ僕はマミにケーキをプレゼントできたのに!」

キュゥべえ「なのにまどかのせいで!ケーキが!バーカ!」

キュゥべえ「もう怒った!怒ったからね?僕!」

まどか「えー…」

キュゥべえ「君がいくら頼んだって誰がまどかなんかと契約するもんか!」

キュゥべえ「まどかのバカ!大っ嫌い!」

キュゥべえ「ふんっ!」

まどか「………あははは」

まどか「えと…何か色々おかしいよね?」

まどか「わたし悪くないし…やっぱりキュゥべえ感情あるし…」

まどか「……まぁ、今はキュゥべえよりもマミさんとほむらちゃんだよ」

まどか「二人とも、何してるんだろ…?」

公園

ほむら「………」キュッ

ほむら「…まどか、ごめんなさい」

ほむら「あなたに駅前に来るよう言われてその場では断れなかったけど」

ほむら「……私は巴マミと約束したから」

ほむら「だから行けないの…ごめんなさい」

ほむら「携帯も繋がらないし……後で謝るわ」

ほむら「まどか…私のために色々助けてくれたのにね」

ほむら「私…友達として最低よ」

ほむら「……そんなんだから、巴マミともずっと打ち解けられずにいるの」

ほむら「私…バカね……」

マミ「私はそんなことないと思うなぁ」

ほむら「っ?」

マミ「ふふっ、こんにちは」

ほむら「と、巴マミ…!」

つづけ