ほむら「うぅっ…なんてことなの……」

さやか「何が?」

ほむら「まさか美樹さやかが死んでしまうだなんて……」

さやか「死んでないけど」

ほむら「餅をいっき飲みなんてするから……」

さやか「なにその隠し芸」

ほむら「常々思っていたけど、やっぱり美樹さやかはバカだったのね……」

さやか「バカなのは否定しないけど、あんたの方がバカだと思うよ」

ほむら「バカは死ななきゃ治らないと言うものね……」

さやか「お互いにね」

ほむら「うぅ…美樹さやか……」

さやか「うん」

ほむら「あなたのことは三日くらいは忘れないわ……」

さやか「ちょっと短いなぁと思ってしまうのでした」

ほむら「来世ではバカにならないよう祈っておくからね……」

さやか「まだ現世にいるわ」

ほむら「さやかって…ほんとバカ……」


さやか「いや、バカなのはあんたの方だからね、悪魔さん」

ほむら「さやかって…ほんとバカ……」

さやか「それともアレ?ひょっとして喧嘩売られちゃってます、あたし?」

ほむら「売るどころかただで配っているのよ」

さやか「おっ、いいねぇ。なら一つちょうだい」

ほむら「ふんっ!」

さやか「やぁっ!」

ほむら「……私の投げたお持ちをスライスするとは中々やるじゃない」

さやか「うへぇ、剣がべちょべちょだぁ」

ほむら「隙あり!」

さやか「なんの!」

ほむら「……私の投げたインキュベーターをスライスするとは中々やるじゃない」

さやか「白いから間違えちゃった」

ほむら「まぁいいわ。インキュベーターなんて代わりはいくらでもいるもの」

さやか「あんたって、ほんとインキュベーターに対して容赦ないよね」

ほむら「自業自得よ」

さやか「でも、あたしに対しても容赦ないなぁと思うさやかちゃんなのでした」

ほむら「自業自得よ」

さやか「何で?」

ほむら「さあ?」

さやか「そっかそっか」

ほむら「ええ」

さやか「……」

ほむら「……」

さやか「って!なんだこの茶番わー!」

ほむら「正月そうそう騒がしいわ」

さやか「あんた、のっけから何わけわかんないこと言ってんのさ!」

ほむら「あなたに初笑いを提供したのよ」

さやか「ちっとも面白くないわ!」

ほむら「そう、残念だわ」

さやか「何さー、せっかくさやかちゃんがお餅を振るまいに来てあげたのに」

ほむら「来てと頼んだ覚えはないわ」

さやか「またそんなこと言ってー、だから正月からぼっちなのよ」

ほむら「私はそれで構わないわ」

さやか「はいはい、悪魔さんは強がりがへたっぴなこって」

ほむら「別に強がってないわ」

さやか「さぁ、どうだかー?」

ほむら「強がってないもん」

さやか「はいはい、そうですね」

ほむら「もういい、私は炬燵で丸くなるわ」

さやか「って言うかさ、あんた悪魔になってからキャラ崩壊しすぎじゃない?」

ほむら「もうあの頃の暁美ほむらはいないのよ」

さやか「はぁ…なんか頭のネジが何本も抜けた印象だわ」

ほむら「お互い様よ」

さやか「一緒にすんな」

ほむら「あなたの方がバカだものね」

さやか「さやかちゃんはバカじゃないやい」

ほむら「さっきは否定しなかった癖に」

さやか「やっぱあれノーカンで」

ほむら「そう」

さやか「まったくもー」

ほむら「……」ゴロゴロ

さやか「あんた、あたしの前で炬燵の中でゴロゴロして恥ずかしくないの?」

ほむら「暖かいからそれでいいのよ」ゴロゴロ

さやか「あんた本当にほむら?」

ほむら「ええ、暁美ほむらよ。そして悪魔…魔なる者」

さやか「どこの世界に正月から家でごろ寝してる悪魔がいるのよ」

ほむら「ここにいるじゃない」

さやか「はいはい、そうでした」

ほむら「美樹さやか、お腹空いたわ」

さやか「やっとか、お餅でいい?」

ほむら「ええ、あなたの焼いたお餅で我慢してあげるわ」

さやか「全く、素直なんだかそうじゃないんだか」

ほむら「悪魔は欲望に忠実なのよ」

さやか「随分とみみっちい悪魔がいたもんだね」

ほむら「お腹空いた」

さやか「はいはい、キッチン借りるよー」

ほむら「好きにしなさい」

さやか「はーい」

ほむら「……」ゴロゴロ

ほむら「……」ゴロゴロ

ほむら「……」ムクッ

ほむら「……」テクテク

ほむら「美樹さやか」

さやか「んー?もうちょっとで出きるから待ってて」

ほむら「……そう」

さやか「よーし、あとは海苔を…」

ほむら「……」ジィー

さやか「なによー?気になるじゃん」

ほむら「……あなた、何で私なんかに構うの」

さやか「……んー?どういう意味?」

ほむら「あなたは覚えているのでしょう?」

さやか「全部じゃないけどねー、あんたに記憶消されたし」

ほむら「…なら何でここにいるの」

さやか「何でって、お餅を振るまいに来てんじゃん」

ほむら「そうじゃなくて」

さやか「どうせ一人で暇なんだろうと思ったからよ」

ほむら「……」

さやか「それに、覚えてんのはあたしだけなんだしさ、そのくらいの世話は焼いとかないとね」

ほむら「……恨んでないの?」

さやか「……さあ、わかんないわ」

ほむら「……」

さやか「…ま、あんたがしたことは許されることじゃないけどさ」

ほむら「………」

さやか「今は保留って言うかさ」

さやか「覚えてるのあたしだけなんだし」

さやか「あんたのことを監視しとかないとなーって思うわけよ」

ほむら「……そう」

さやか「そうそう、別にあんたが可哀想だからとかじゃないんだから、勘違いしないでよね?」

ほむら「…さやか……」

さやか「あたしは監視してるの!だから見守っとかないとさ」

さやか「泣き虫な悪魔をさ」

ほむら「……!」

さやか「はい、できたよ!食べよ食べよ!」

ほむら「っ…そ、そうね…」

さやか「ほら、突っ立ってないで炬燵炬燵!」

ほむら「わかってるわ…」

さやか「さー、食べよ食べよ!」

ほむら「ええ…」

さやか「いっただっきまーす!」

ほむら「…いただきます」

さやか「んー、割れながら流石の味付け!」

ほむら「……」

さやか「どう?おいしい?」

ほむら「……ちょっと、しょっぱいわ」

さやか「…そっか」

ほむら「……やっぱり美樹さやかはバカね」

さやか「はいはい、バカですよーだ」

さやか「まぁ、あんたもたいが……っ!!??」

ほむら「?」

さやか「~~!!??」

ほむら「えっ?やだ、うそっ?」

さやか「~~~!!??」ドンドン

ほむら「餅が喉に?た、大変だわ!み、水を!」

さやか「」

ほむら「さ、さやか!死なないで!」

ほむら「さやかぁー!!」





さやか「はっ」

ほむら「さ、さやか!」

さやか「あ、あれ…あたし…?」

ほむら「もう…魔法少女なのに何で……びっくりしたじゃない」

さやか「あ、あー…ごめん」

ほむら「次に同じことをしたら許さないわよ」

ほむら「さやかってほんとバカ」

さやか「……うん、気を付ける」

ほむら「あなたが死んだから、だれが悪魔の監視をするのよ」

さやか「うん、そうだね」

ほむら「しっかり監視してなきゃダメよ」

さやか「さやかちゃんがちゃんと監視してるから、悪さしちゃダメよ!」

ほむら「ふふ」

さやか「あははっ」

ほむら「さやか」

さやか「ん?」

ほむら「……」ジッ

さやか「な、なに?」

ほむら「……ふふ、やっぱりあなたって愚かだわ」

さやか「はぁ?どういう意味よそれ!」

ほむら「そのくらい自分で考えなさい」

さやか「えー?なにそれ!わけわかんない!」

ほむら「私を監視してればいつかわかるわ」

さやか「むー!なら今からわかるまでずっと監視しててやる!」

ほむら「好きにしなさい」ゴロン

さやか「なにこいつー!やっぱわけわかんないー!」

ほむら「ふふっ」

おわり