ほむホーム

キュゥべえ「やっぱり、僕のホームはここじゃない!」

ほむら「は?」

キュゥべえ「僕のホームはマミだ!」

ほむら「……何を言ってるのかよくわからないのだけど」

キュゥべえ「だから僕は、百江なぎさに決闘を申し込みたいんだ!」

ほむら「……そう。一応聞くけど、何で?」

キュゥべえ「僕のホームを奪ったからだだよ!」

ほむら「……はぁ」

キュゥべえ「前までは僕がマミの側にいたんだ!」

キュゥべえ「朝、マミを起こして」

キュゥべえ「一緒に朝ごはん食べて」

キュゥべえ「登校するマミを見送って」

キュゥべえ「帰ってきたマミと一緒に魔獸を倒しに言って」

キュゥべえ「マミと晩ごはんを食べて」

キュゥべえ「マミにお風呂いれてもらって」

キュゥべえ「一緒に寝て…そんな毎日だったんだ!」

ほむら「そう」

キュゥべえ「それが今は……」

キュゥべえ「朝なかなか起きないほむらを起こしてはボコボコにされ」

キュゥべえ「起こさなくてもボコボコにされ」

キュゥべえ「朝ごはんはマミより下手だし」

キュゥべえ「ほむらを見送ってもボコボコにされ、見送らなくてもボコボコにされ」

キュゥべえ「帰ってきたほむらの泣き言を聞かされてはボコボコにされ」

キュゥべえ「晩ごはんもやっぱりマミより下手だし」

キュゥべえ「お風呂もちゃんと洗ってくれないし」

キュゥべえ「なかなか一緒に寝てくれないし」

キュゥべえ「本当に散々なんだよ!」

ほむら「……」パン

キュゥべえ「ほら、こうやってまた無駄に個体を消費させる」

ほむら「自業自得よ」

キュゥべえ「とにかく、ほむらの元にいたら僕の体がいくつあっても足りない!」

キュゥべえ「だから、早くマミの元に帰りたいのに…」

キュゥべえ「百江なぎさが邪魔するんだ!」

ほむら「そう、残念だったわね」

キュゥべえ「だから、マミに相応しいのは誰かを決めるために、僕は百江なぎさに決闘を挑むんだ」

ほむら「好きにしなさい」

キュゥべえ「明日、決闘を行うからね」

ほむら「はいはい」

キュゥべえ「と言うことなんだ。ほむら、今日のごはんはどこだい?」

ほむら「そこにあるから、勝手に食べなさい」

キュゥべえ「ほむらはもう食べたのかい?」

ほむら「私はカロリーメイトで十分よ」

キュゥべえ「本当にそれが好きなんだね」

ほむら「……私はもう寝るわ」

キュゥべえ「えっ?僕のお風呂は?」

ほむら「そんなの、一人でできるでしょう」

キュゥべえ「やだよ」

ほむら「はぁ…ここにお湯入れておくから、勝手に入りなさい」

キュゥべえ「やれやれ、やっぱりマミの方が優しいじゃないか」

ほむら「……」チャキ

キュゥべえ「冗談だよ!」

ほむら「……はぁ、おやすみ。私の側で寝たら殺すから」

キュゥべえ「またかい。おやすみ、ほむら」

キュゥべえ「さあ、百江なぎさ!覚悟しておくことだね!」


マミホーム

マミ「あら、それは何かしら?」

なぎさ「インキュベーターから渡されたのです」

マミ「キュゥべえから?手紙…のようだけど」

なぎさ「時が汚くてよくわからないのです」

マミ「えーと…明日、マミを賭けて決闘…?」

マミ「なにこれ?私を賭けてデュエルでもするのかしら…?」

なぎさ「なぎさはどうすれば良いのですか?」

マミ「そうね…とりあえず、明日キュゥべえが来るのを待ちましょう」

なぎさ「わかったのです」

マミ「それにしても、最近キュゥべえってあんまり遊びに来てくれなくなったのよね…」

マミ「何故か暁美さんとよく一緒にいるみたいだし…」

マミ「ちょっと寂しい…わね」

マミ「それと私を賭けてって…わけがわからないわ」

なぎさ「よくわからないけど、なぎさはマミの為に頑張るのです!」

マミ「ふふっ、ありがとう」

なぎさ「えへへ」

翌日

キュゥべえ「百江なぎさ!」

なぎさ「待ってたのです」

マミ「どうしたの?キュゥべえ」

キュゥべえ「どうしたも何も、マミを取り返しに来たんだ!」

マミ「へ?」

なぎさ「なんのことですか?」

キュゥべえ「とぼけても無駄だよ、君は僕からマミを奪ったじゃないか」

なぎさ「わけがわからないのです」

マミ「キュゥべえ何を…?」

キュゥべえ「だから、今日はどちらがマミに相応しいか決めるために決闘をするよ!」

なぎさ「決闘…?」

マミ「その、キュゥべえ、まずは落ち着きましょう?」

なぎさ「そうです、わけがわからないのですよ?」

キュゥべえ「マミがそう言うなら…」




キュゥべえ「かくがくしかじか」

なぎさ「…」

マミ「ふふっ」

キュゥべえ「な、何がおかしいんだい!?」

マミ「ふふ、ごめんなさいね、キュゥべえって可愛いとこあるじゃない」

キュゥべえ「僕は真面目に言ってるんだよ!」

マミ「ごめんなさい、でも決闘なんてする必要ないわ」

キュゥべえ「え?でも」

なぎさ「なぎさはインキュベーターも歓迎なのですよ」

キュゥべえ「え?」

マミ「私もよ、別にキュゥべえを除け者にしたつもりはなかったの」

キュゥべえ「でも…」

マミ「たしかに、私がなぎさちゃんと暮らすようになって」

マミ「キュゥべえと一緒にすごす時間は減ったのは事実よ」

マミ「でもこれは、別にキュゥべえを嫌いになったわけなんかじゃないの」

キュゥべえ「そうだったのかい…?」

マミ「ええ、だからキュゥべえが大丈夫なら、これまで通りここで暮らしても良いのよ」

なぎさ「なんだか、ごめんなさい…なのです」

キュゥべえ「……冷静に考えたら、僕が勝手に思い込んでただけなのかもしれないね」

キュゥべえ「僕の方こそ、怒鳴って悪かったよ」

マミ「ふふ、それじゃあ改めてよろしくね、キュゥべえ」

キュゥべえ「うん!」

なぎさ「でも、いいのですか」

キュゥべえ「何がだい?」

なぎさ「ほむらはどうなるのですか?」

キュゥべえ「暁美ほむらなんて知らないよ、彼女は悪魔だ」

なぎさ「その割りには、毎日ほむらの家でくらしてたのですよ?」

キュゥべえ「それは、ほむらがごはんを用意してくれたりしたからだよ」

キュゥべえ「でも酷いんだよ!ほむらはすぐ僕を殺そうとするし」

キュゥべえ「僕に延々と泣き言を言うし」

キュゥべえ「ごはんだって、マミよりも全然おいしくないんだ」

マミ「…あら?」

キュゥべえ「なんだい?」

マミ「あ…ちょっとね、暁美さんって、学校ではカロリーメイトしか食べてなかったから」

マミ「てっきり、料理はしないのかと思っていたの」

キュゥべえ「そうなのかい?道理で下手なわけだね」

キュゥべえ「それに言われてみれば、ほむらは家でもカロリーメイトしか食べてなかったような」

なぎさ「え?じゃあ、それって…」

マミ「……なるほどね」

キュゥべえ「え?なんだい?わけがわからないよ」

マミ「よーく考えたらわかるわ、キュゥべえ」

キュゥべえ「??」

その夜

ほむら「………」

キュゥべえ「ただいま」

ほむら「!キュ……インキュベーター、巴マミの家に住むんじゃなかったのかしら?」

キュゥべえ「僕もそうしたいけれど、僕が君の泣き言を聞いてあげないと」

キュゥべえ「君が何をしでかすかわからないから、不本意だけど帰ってきたんだ」

ほむら「………ふん、バカなインキュベーター」

キュゥべえ「まったくだよ」

ほむら「…ごはん、そこにあるから勝手に食べなさい」

キュゥべえ「そうさせてもらうよ」モグモグ

ほむら「………」

キュゥべえ「うん、やっぱりマミの方が美味しいよ」

ほむら「……」チャキ

キュゥべえ「でも、昨日よりかは美味しくなったんじゃないかな」

ほむら「……ふん、お風呂の準備もしてあるから、後は勝手に入りなさい」

キュゥべえ「やれやれ、もっと優しくしてくれてもいいじゃないか」

ほむら「インキュベーターなんかに優しくするくらいなら死んだ方がマシだわ」

キュゥべえ「やっぱりマミの方が優しいよ、百江なぎさが羨ましい」

ほむら「……私は寝るわ、おやすみ」

キュゥべえ「今日は僕がぬいぐるみの代わりになってもいいんだよ?」

ほむら「……好きにすれば」

キュゥべえ「やれやれ、可愛くないなぁ」

ほむら「お互い様よ」

キュゥべえ「おやすみ、ほむら」

ほむら「ええ、おやすみ」

キュゥべえ「もぐもぐ」

キュゥべえ「きゅっぷい」

キュゥべえ「悪魔なのに、切った指は絆創膏で治すんだね」

キュゥべえ「やれやれ、本当に変わった悪魔もいたものだね」

キュゥべえ「また個体の数が減る毎日だろうし」

キュゥべえ「僕も相当変わってるんだろうけどね」

キュゥべえ「もぐもぐ」

キュゥべえ「きゅっぷい」

キュゥべえ「うん、まずい」

キュゥべえ「もぐもぐ」

おわり