杏子「いっただっきまーす!」

さやか「いただきます」

杏子「ずるるる!うめぇ!」

さやか「あんたもう少しは女の子らしくできないわけ?」

杏子「んなこと言われてもよ」

さやか「まあ、あたしもあんまり女の子らしくはないかもしれないけどさぁ」

杏子「そうかぁ?」

さやか「そりゃそうでしょ」

杏子「ふーん?さやかって結構女らしいと思うけどな」

さやか「えー、どのへんが?」

杏子「ん、どのへんがって言われてもな…」

さやか「でてこないでしょ?」

杏子「うーん、なんか言葉にできないんだよなぁ」

杏子「逆にだれが女らしいのさ」

さやか「んー、例えば…まどかとか?」

杏子「あー」

さやか「猫とかさ、とにかく動物が大好きだし」

さやか「ぬいぐるみもいっぱい集めてるもんね」

さやか「まぁ未だにあたしが小学生のころにあげた、くまさんのぬいぐるみを大切に持ってるのは嬉しいんだけどね」

杏子「なるほどなぁー、でもさ、それって女らしいってより子供っぽいだけなんじゃねぇの?」

さやか「それ、ほむらに聞かれたら殺されるかもね」

杏子「大丈夫だろ、あいつらは何時だって二人の世界に入りっぱなしさ」

さやか「はは…まぁねー」


杏子「ほむらはどうだろ?」

さやか「ほむら?ほむらは……」

さやか「………」

杏子「………」

さやか「…いや、かなりの美人なんだけどさ」

杏子「ああ」

さやか「なんて言うか…ねぇ?」

杏子「だよなぁ」

さやか「ほむらほど残念な美人は滅多にいないと思う」

杏子「ははっ、聞かれたらまどかに殺されるかもな」

さやか「一応親友のはずなんだけどねぇ…」

杏子「遠い目すんなって、なんか哀れになってくる」

さやか「あはは、ごめんごめん」

杏子「まぁ、まどかもほむらも特別女らしいってわけでもないんだし」

杏子「あたしも女らしくする必要なんかないっての」

さやか「って言うか、あの二人を比較対象にすること自体間違ってる気がする」

杏子「んじゃ誰だよ?あれか?えーっと志筑仁美だっけ?」

さやか「仁美はそりゃもうお嬢様よお嬢様、あたしなんかとは訳が違うわ」

杏子「そうか?あたしはさやかの方が良いけどな」

さやか「良いってなにがよ?」

杏子「え!?そりゃ…なんでもねぇよ!」

さやか「はぁ?ちょっと、気になるじゃん!」

杏子「いいから気にすんな!」

さやか「なによそれー!」

杏子「えー…マミ!そうだよマミだよ!」

さやか「マミさんがどうかしたの?」

杏子「あいつは女らしいだろ!だってお菓子作れるんだぜ!」

さやか「ん…お菓子作れるのが基準かは置いといて、たしかにマミさんは女の子らしいね」

杏子「だろ?」

さやか「カッコよくて、それでいて可愛くて、上品で優雅!」

さやか「流石にマミさんは格が違った!」

杏子「んじゃ、あたしはマミっぽく振る舞えばいいわけ?」

さやか「え?まー、そうねぇ、マミさんをお手本にするのは良いかも」

杏子「あら、美樹さん。早く食べないとラーメンが伸びてしまうわよ(裏声)」

さやか「ぶっ!ちょ、なによそれー気持ち悪!」

杏子「だろ?やっぱあたしはあたしらしく振る舞うのが一番なのさ」

さやか「まぁ…たしかにそうかもね」

杏子「ってと、ごちそーさん」

さやか「え!?もう食べたの?」

杏子「そんくらい普通だろ、ほらマジで伸びてるぞ」

さやか「あんた喋りながらの癖に食べんの早すぎるわよ!」

杏子「さやかがトロいんだよ」

さやか「くぅー!ずるるる!」

杏子「ほらな、人のこと言えないじゃねぇか」

さやか「うっさい!不公平だぁー!」

杏子「あはは、んじゃ替え玉行くか」

さやか「はぁ!?」

杏子「ほらほら、さっさと食わないと伸びきっちまうぜ」

さやか「くっそー!さんざん食べてるのに、そのスタイルは羨ましい…」

杏子「ふつーだろ、ふつー」

さやか「むー」