ほむら「まどかぁ」

まどか「ほむらちゃん…よかった!よかったよぉ!」

ほむら「ごめんなさい…」

まどか「ううん、いいの、ほむらちゃんが無事ならそれだけで、わたし…!」ギュー

ほむら「まどかぁ!」

なぎさ「茶番劇には飽き飽きなのです」

さやか「」

なぎさ「それよりも、さっきのさやかは何だったのですか?」

まどか「あれ?そういえばさやかちゃん喋ってたよね?」

ほむら「ソウルジェムが一時的に近づいたのかしら…?」

なぎさ「なるほど、それならそうなるのです」

まどか「早くさやかちゃんも助けてあげなきゃ!」

ほむら「え、ええ…」

なぎさ「ほむら」

ほむら「ん?」

なぎさ「これを持っていくのです」

ほむら「え?」

まどか「チーズ型の浮き輪だね」

なぎさ「ほむらはかなづちなのです」

ほむら「う…」

なぎさ「だから、これを使うのです」

まどか「ありがとう、なぎさちゃん!ほら、ほむらちゃんも」

ほむら「あ、ありがとう」

なぎさ「その代わり、チーズをおごるのです!」

ほむら「…わ、わかったわ」

まどか「わたしも半分出すから、ねっ?」

ほむら「ありがとう」

なぎさ「ほら、早くさやかのソウルジェムを探してくるのです!」

ほむら「そうね、いきましょう、まどか」

まどか「うんっ」

杏子「…おい」

マミ「…」ガシッ

杏子「そんなにくっつかれたら潜れないじゃん」

マミ「だって…」

杏子「回りなんて一々気にすんなってば!」

マミ「そんなこと言われても…」

杏子「ほむらとまどかを見習えよ」

マミ「あの二人は色々と特殊なんだもの…」

杏子「でもさ、見てみろよ」

マミ「え?」



ほむら「うぅぅ」ジタバタ

まどか「ほむらちゃん、ファイト!」スイスイ



杏子「あいつらはソウルジェムを探してんのか、泳ぎ方を教えてんのか、いちゃついてんのか…これもうわかんないよな」

マミ「しかも、なぎさちゃんの浮き輪じゃない?あれ凄く目立ちやすいのに」

杏子「ほんとは、その目立ちやすい浮き輪をなぎさと一緒に使う気立ったくせに」

マミ「う…」

杏子「…ま、ほむらとまどかはあてにならないし、あたしらで見つけ出すしかないな」

マミ「そ、そうね」

杏子「…にしても見つか…ん?」

マミ「何かあったの?」

杏子「お、おい!魚!魚!」

マミ「魚?魚くらい海なんだからいても不思議じゃ…」

杏子「そうじゃなくて!あの魚!」

マミ「え?…あ!あぁー!」

杏子「ソウルジェムが嘴に引っ掛かってる!」

マミ「餌か何かと勘違いしたのかしら?」

杏子「とにかくあいつだ!マミ!」

マミ「わかったわ!」

杏子「うわっ?なに変身してんだよ!?リボンだけ出せば良いじゃねぇか!」

マミ「えっ?きゃぁっ!?」

ザワザワ

杏子「おいおい…すっげぇ見られてるぞ…」

マミ「はわわわわわ」

杏子「バカッ!落ち着けって!視線なんか気にすんなって言ってるじゃねぇか!」

マミ「ど!どうしよう!佐倉さぁん!」

杏子「しかたねぇ…ここはあたしの魔法で…」

マミ「魔法?わかったわ!」

杏子「は?」

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

杏子「え?ちょ!?」

ドカーン

マミ「体がかる―――」ヒュー



ザパーン

まどか「わわわっ?」

ほむら「ひやぁっ?」

まどか「き、急に波が…って、ほむらちゃん?」

ほむら「ま、まどかぁ!?」ジタバタ

まどか「わわわ!浮き輪が流されちゃった!」

ほむら「まど……」ブクブク

まどか「ほ、ほむらちゃーん!?」






なぎさ「これは酷いのです…」

なぎさ「マミは混乱して海面にティロ・フィナーレを撃って、その衝撃でどこかへ飛んで行ったのです」

なぎさ「杏子はティロ・フィナーレに巻き込まれて行方不明…」

なぎさ「しかもティロ・フィナーレの衝撃で起きた波で近くにいたみんなが流されて…」

なぎさ「その中で一人だけ溺れた人がいるのです」

さやか「ほむら…ね」

なぎさ「はい、まどかは必死でほむらを助けてるのです」

なぎさ「そしてなぎさは、流されてきた魚からソウルジェムを取り戻して、さやかを助けたのです」

さやか「面目ない…」

なぎさ「今のが、この数分間の出来事なのです」

さやか「えっと…あたしはどうすれば…」

なぎさ「杏子を探すのです、なぎさはマミを探してくるのです」

さやか「わ、わかった!杏子ぉー!」

なぎさ「…はぁ」

なぎさ「やれやれなのです」