まどか「わぁー、花火が綺麗だね、ほむらちゃん」

ほむら「ええ…」

まどか「…?どうかしたの?」

ほむら「ううん、その…この花火も良いとは思うのだけど」

ほむら「私、こっちの花火もしてみたいの」

まどか「あれ?いつの間に買ってたの?」

ほむら「さっき屋台でちょっと」

まどか「そっかぁ、こっちの小さい花火はタツヤが大好きですっごくはしゃいじゃって」

まどか「私も大好きなんだ」

ほむら「そっか、私…実はしたことがないの」

まどか「えっ?そうだったの?」

ほむら「うん、夏はすぐ体力がなくなっちゃって、ずっと病院にいたから…」

ほむら「だから、これが初めてなの」

まどか「そっか…」

ほむら「だから、まどか、あなたと一緒に花火をしたいの」

まどか「うん!もちろんだよ!」

ほむら「ありがとう…!」

まどか「でも、ここじゃ人がいっぱいで危ないから、場所を変えよう?」

ほむら「ええ、そうね」



さやか「たーまやー!!」

杏子「でっけぇなー」

さやか「だねぇ」

杏子「花火か…」

さやか「あれ?なんか元気ないじゃん」

杏子「ん、いや別に何でもねぇさ」

杏子「ちょっと昔を思い出しただけ」

さやか「昔?」

杏子「ああ、花火ってただで見れんだろ?」

さやか「そりゃあねぇ」

杏子「だからさ、毎年親があたしとモモを連れて花火大会に連れてってくれたのさ」

さやか「…」

杏子「もちろん、屋台なんかで買い物はできなかったけど」

杏子「その時だけ、ちょっと何時もより豪華な弁当作ってくれてさ」

杏子「花火見ながらみんなで食う弁当が最高に旨かったんだよね」

さやか「…杏子」

杏子「っと、わりぃわりぃ、しんきくせーこと言っちまったな」

さやか「ねえ、杏子」

杏子「あん?」

さやか「来年もさ、一緒に花火大会行こうよ」

杏子「!」

さやか「今度はさやかちゃんがお弁当作っちゃいますからね!」

杏子「へへ…ありがとな、さやか」

さやか「ううん、あたしも杏子と一緒にいるのが一番楽しいからさ!」

杏子「へっ?」

さやか「だから杏子!これからも一緒に楽しむわよ!」

杏子「あ…あ、ああ!」

さやか「えへへ」

杏子「……さやか!」

さやか「ん?」

杏子「あたしはさ…さやか!さやかのことが…」

さやか「…」

ヒュー

杏子「好き―」ドカドカドカ

さやか「うはー!めっちゃ近くで花火が上がった!」

杏子「……もお!」

さやか「んー?ほら、杏子も見てみなよ」

杏子「くっそ、人がせっかく勇気だして言ったのによ…」

さやか「何ぶつぶつ言ってんのよ、ほら上上!」

杏子「んだよ…別に上見たって…」

チュッ

杏子「!!??」

さやか「ほら、真っ赤な花火が上がったでしょ?」カァァァ

杏子「な―!?///」カァァァ

さやか「今日は助け作れて…ううん、いつも側にいてくれてありがとう、杏子」

杏子「へ?あ?」

さやか「これからもよろしく!」

杏子「は、はいっ!」

さやか「…ふぅ!よっし!さやかちゃんの夏はまだまだ終わらないのだー!」

さやか「最後までとことん楽しむわよ、杏子!」

杏子「う、うん!!」


マミ「綺麗だなぁ」

なぎさ「綺麗なのです」

マミ「こんな気持ちで花火を見たのなんて、いつ以来なのかしら」

なぎさ「マミは毎年花火を見ないのですか?」

マミ「それは…見ることはあるけれど、満たされた気持ちで見れたことはないもの」

マミ「佐倉さん、美樹さん、鹿目さん、暁美さん、そしてなぎさちゃん」

マミ「みんなが居てくれるから、今の私は満たされているの」

なぎさ「そうなのですか、それならなぎさも同じなのです」

なぎさ「なぎさは、チーズを食べてる時が幸せなのです」

なぎさ「でも、マミと一緒にいる時の方がもっと幸せなのです!」

マミ「なぎさちゃん…」

なぎさ「マミはさやかやまどか達の前ではカッコつけてるけど、ほんとは泣き虫なのです」

なぎさ「だから、なぎさが側にいないとダメなのです」

マミ「ふふ、そうね」

なぎさ「それに、なぎさもマミに思いっきり甘えられるのです」

なぎさ「だから、マミはこれからもなぎさと一緒にいるのです!」

マミ「ええ、もちろんよ」

なぎさ「だから、お願いがあるのです」

マミ「なあに?」

なぎさ「マミは、なぎさがべべの時は抱き締めてくれるのです」

なぎさ「なのに、なぎさの時はそうしてくれないのです」

マミ「そ、それは、だって」

なぎさ「なぎさは、なぎさの時も抱き締めて欲しいのです」

なぎさ「だから」

マミ「…なぎさちゃん」ギュッ

なぎさ「あっ」

マミ「こう?」

なぎさ「…はい、マミはとっても暖かいのです」

マミ「なぎさちゃんも、ね」

なぎさ「えへへ、マミー!」

マミ「ふふ、こーら、そんなに大声をださないの」

マミ「みんなに見られちゃうじゃない」

なぎさ「みんなに見られたいのです!なぎさとマミは一番の仲良しなのです!」

マミ「そうね、私も同じだわ」

マミ「体も心も暖かい、こんな気持ちでいられるのは初めて」

マミ「もう何も怖くない」

なぎさ「えへへ」

マミ「うふふっ」



まどか「綺麗だね」

ほむら「うん…」

まどか「これで最後だよ」

ほむら「線香花火…」

まどか「はい、私とほむらちゃんで一つずつ」

ほむら「小さい…でも綺麗だわ」

まどか「うん」

ほむら「……この線香花火、私と似ている気がするわ」

まどか「え?」

ほむら「小さくて、今にも消えそうな光」

まどか「…」

ほむら「時々不安になるの」

ほむら「今、こうしてみんなと一緒に…まどかの側にいられる幸せがいつか終わるんじゃないかって」

ほむら「それに私…何かを忘れている気がするの」

ほむら「大切な何かを…」

まどか「ほむらちゃん…」

ほむら「でもそれは気のせいだとは思う…だけど、この気持ちは本当よ」

ほむら「最近はずっとあなたと一緒にいられて本当に幸せなの」

ほむら「だからこそ、この幸せがいつかなくなるんじゃないかって…」

まどか「大丈夫だよ、ほむらちゃん」

ほむら「まどか…」

まどか「私は絶対にほむらちゃんとお別れなんかしないよ」

まどか「もう二度と、ほむらちゃんと離ればなれになるなんて嫌だもん」

ほむら「え…?」

まどか「もう二度と、ほむらちゃんを離さない」

まどか「その為に私は……」

ほむら「まどか…?」

まどか「えへへ、ううん、何でもないよ」

ほむら「…」

まどか「ほむらちゃん、大好きだよ」

ほむら「…ええ、私もよ、まどか」

まどか「ほむらちゃん…!」

ほむら「まどか…!」

チュッ

バカップルシリーズ夏休み編
おわり