まどか「ほむらちゃん?大丈夫?」

ほむら「くっ…」

ほむら(ど、どうすれば…このままじゃまたまどかが向こうに行ってしまうわ)

ほむら(それだけは絶対に阻止しなきな…!例えまどかが相手でもまどかの為なら私は…!)

ほむら(目の前のまどか…円環の理を押し退けてでも…!)

まどか「……」ウルッ

さやか(ん?まどか…まさかほむらのやつ…!)

さやか「まどか、これからどうするの?」

まどか「…ねえ、さやかちゃんはこの世界についてどう思う?」

さやか「……」

まどか「正直な答えが知りたいの、それでどうするかを決めるから」

ほむら「っ…」

さやか(まどかがさっきまでと違って真剣な目付きになってる…瞳も金色になってる)

さやか(ほむらは捨てられた猫みたいな顔してこっち見てるし…)

さやか(ま、そんな状況ならあたしも真剣になるしかないよね)

さやか(まったく、シリアスなんだかどうなんだか…)

さやか(そしてあたしは…どっちの味方を…)

さやか「…どうせ今のまどか相手に嘘ついてもしょうがないし、本音を話すわ」

まどか「うん、お願い」

ほむら「…!」

ほむら(どうしよう、どうすれば…)

さやか「まずは円環の理についてね、これはあたしの把握してる限り以前と変わりはなさそう…あってる?」

まどか「うん、私はちゃんと円環の理として存在しているから何か不都合があるわけじゃないよ」

まどか「円環の理は…だけど、ね」

ほむら(どういうこと…?なら何かに不都合はあったと言うの?)

まどか「…」ムスッ

さやか(またまどかがご機嫌ななめだ、ほっぺた膨らませてるからすぐわかるわ)

さやか(ほむらめ、まどかのことやっぱ何にもわかってないね)

さやか(ま、それはあたしも同じかも知れないけど…)

さやか「…次はなぎさかな、なぎさは今はもう魔法少女ですらなくなってる」

さやか「それでもマミさんと出会って仲良くしてる姿を見てると、これで良かったって思うよ」

まどか「そうだね、なぎさちゃんが円環の理にいなくなっちゃって寂しいけど」

まどか「元々の世界では殺しあいをしてた二人が仲良くしてるのは凄く良いことだって私も思うよ」

ほむら(たしかあの時にいた見慣れない魔法少女のことよね…お菓子の魔女、そしてべべ…)

ほむら(私も巴マミが楽しそうにしてると聞いて悪い気はしなかったわ)

さやか「だよね…そして、まどか」

ほむら「!」

まどか「うん」

さやか「まどかは…ここのまどかは本来あるべきの普通のまどかなんだと思う」

さやか「魔法少女のことも円環の理のことも何も知らない、ただの中学生」

さやか「勉強は得意じゃないけどちゃんと宿題はしてくるし」

さやか「足も遅いのに一生懸命あたしや杏子についてきてくれるし」

さやか「あからさまに距離を置いてるほむらにも、心配だからってなんとか接しようとしてくる」

ほむら(さやか…)

さやか「背だって小さいし、小学生みたいで可愛くて」

さやか「相変わらず猫とか動物が大好きで」

さやか「家でも立派なお姉ちゃんで」

さやか「ちょっと勇気が足りなくてオドオドすることがあるけど、それでも誰にも負けない優しさをもってる」

さやか「あたしの知ってる鹿目まどかが、本来の場所に本来の姿でいる」

さやか「あたしはそれを見て……良かった、って思ったよ」

まどか「……」

ほむら「さやか…」

さやか「だって…円環の理のまどかは…孤独だったから」

さやか「あたしは円環の理でずっとまどかを見てきた」

さやか「そこでのまどかは、あたしの後ろを一生懸命追いかけてきた幼馴染みの親友じゃなくて」

さやか「全ての魔法少女の希望として存在する、とんでもなく凄い神様だったよ」

まどか「……」

さやか「あたしもできる限りのことはしたと思うけど、それでもまどかは女神だから」

さやか「あたしと昔みたいにバカなことはできっこなかった」

さやか「いくら円環の理になったからって、まどかはまどかなのに、まどかであることを捨てて頑張ってる」

さやか「そして一番会いたい存在だった最高の友達が魔女になりそうなところを」

さやか「自分が狙われてるとわかった上で助けにいって」

ほむら(最高の友達…!)

さやか「そして、その最高の友達に裏切られた」

ほむら「!?」

さやか「それが目の前にいる円環の理のまどか…あたしはそう思ってるよ」

まどか「……」

ほむら(え…裏切られた…?)

さやか「あたしはほむらの心の声が聞こえるわけじゃないけど、あんたが何考えてるかくらいわかるよ」

ほむら「何が言いたいの…?」

さやか「まどかはね、ほむら…あんたと再開するのをどれくらい望んでたんだと思う?」

ほむら「え…!?」