ほむら父「まぁ、来年は一度くらい東京に帰ってこいよ」

ほむら父「良かったらまどかちゃんも一緒にさ」

まどか「行ってみたいなぁ」

ほむら「…そうね」

ほむら父「今年の大晦日はどう過ごす?」

ほむら「特には…」

まどか「一緒に過ごそうよ」

ほむら「まどか、いいの?」

まどか「もちろんだよ!」

ほむら父「あはは、まどかちゃんがいてくれれば安心だよ」

まどか「ありがとうございます!」

ほむら父「それにしても、まどかちゃんって意外と積極的なんだね」

ほむら父「公園で見たときはあんまりそんな印象なかったよ」

まどか「あ、そ、それは…」

まどか(今の私は円環の理の方のまどかだから…なんて言っても理解できないよね)

ピンポーン

ほむら「あら?なにかしら?」テテテ

ほむら父「ねえ、まどかちゃん。ほむらって何時からあんな感じになったの?」

まどか「それは時間をくりか…」

ほむら父「ん?」

まどか「…じゃなくて!私は少し前にアメリカから見滝原に帰ってきたんですけど」

まどか「その時にはもう今のほむらちゃんでした」

ほむら父「え?アメリカ!?すごいね!」

まどか「あはは…」

まどか(本当はアメリカなんて、アメリカの魔法少女を導く時にしか行ったことないけどね…)

ほむら母「すごいのはあなたの頭よ」

ほむら父「ママ!?」

まどか「!!!!」

まどか(え?ほむらちゃんのママ!?すごい!写真で見たよりもほむらちゃんに似てるしすっごく美人だよ!)

ほむら母「あなたほむらちゃんに不審者扱いされた挙げ句頭を打ったのよね?」

ほむら父「う」

ほむら母「会社もちゃっかり有給とってそのまま正月休みらしいわね?」

ほむら母「まったく…あなたは何処まで愚かなの?」

ほむら父「ごめん…」

ほむら母「謝るのは私じゃなくてほむらちゃんに、でしょ?」

ほむら「えと…もう大丈夫だから」

ほむら母「そう?」

まどか「あ、あの!私、鹿目まどかです!」

ほむら母「ふふ。ええ、まどかちゃんよね?よく知っているわ」

ほむら母「いつもほむらちゃんと仲良くしてくれてありがとう」

まどか「そ、そんな」

ほむら母「何となくの想像だけど、ほむらちゃんが成長できたのはまどかちゃんのおかげだと思うの」

ほむら母「ありがとう」

まどか「い、いえ…」

まどか(ほむらちゃんはたしかに私が変えちゃったもん…)

まどか(これで良かったのかな…)

ほむら母「あなたのおかげで、ほむらちゃんはいつも楽しそうにしているわ」

ほむら母「会わなくてもそのくらい簡単にわかるわよ、そうでしょ?ほむらちゃん」

ほむら「うん」

まどか「ほむらちゃん…!」

ほむら母「ふふ、だからこれからもよろしくね」

まどか「はい!お義母さん!」

ほむら母「ありがとう」

ほむら母「それにしても、ほむらちゃんは前よりも美人さんになったわね」

ほむら「そんなこと」

ほむら母「あるわよ、前のほむらちゃんはそれはそれで可愛かったけど」

ほむら母「今のほむらちゃんもママは好きよ」

ほむら母「ママの若い頃よりずっと美人だわ」

ほむら「そんな」

ほむら父「いやいや!ママの若い頃と大接戦だって!」

ほむら母「は?」

ほむら父「今日ほむらを見たとき、初めてママを見たときと同じ衝撃を受けたからな」

ほむら父「こんなに可愛い子が存在するなんて!って」

ほむら父「考えてもみればママの娘なんだから美人なのは当たり前だけどな、あはは」

ほむら父「ほんと、どっちがより美人なんだろうな?」

ほむら母「あなたねぇ…なんで妻と娘で比べるのよ、普通迷わず娘を選ぶでしょ?」

ほむら父「いやでもほんと大接戦だからな、当時の俺にどっちか選べって行ったらまず憤死するぞ」

ほむら母「はぁ…」

ほむら「はぁ…」

まどか「てぃひひ、本当に二人とも大好きなんだね」

ほむら「そうなのよね…でも実際はママの方がずっと美人よ、私なんか大したことないわ」

まどか「ほむらちゃんレベルで大したことなかったら、この世の女の子全員が絶望しちゃうよ」

ほむら父「そうだ!まどかちゃんに見てもらいたいものがあるんだ!」

まどか「なんですか?」

ほむら父「この写真なんだけど…」

まどか「!!!」

まどか(これはほむらちゃん…じゃない!?)

まどか(ほむらちゃんのママだよ!)

ほむら父「これ中学生のころのママなんだ」

まどか「わぁ!」

ほむら母「また始まった…」

ほむら「はぁ…」

まどか(本当にほむらちゃんって母親似なんだね!)

まどか(でも…ほむらちゃんより美人なような…!?)

まどか(ほむらちゃんの美人と可愛いの比率が6:4の100点満点だとすると)

まどか(ほむらちゃんのママは美人と可愛いの比率が9:1の100点満点って感じなのかも)

まどか(結局二人ともすごく美人なんだけどね…ずるいよぉ)

まどか(でもこれはたしかに難問だよ!)

ほむら父「もうほんと一目惚れだったからなー、あの時の衝撃はほんと凄かった」

まどか「その気持ちわかります!」

ほむら父「あ、わかる!?」

まどか「はいっ!」

ほむら父「あ!じゃあこれ見てよ!」

まどか「私もほむらちゃんコレクションがあります!」

ほむら「ま、まどか?」

ポンッ

ほむら母「…ほむらちゃんはいろんな意味でママの娘らしいわね」

ほむら「あはは…」

ほむら母「別にママもそこまで美人でもないのに、ほんと大げさなんだから」

ほむら「大げさじゃないと思うけど…」

ほむら母「もう、ほむらちゃんまで変なこと言わないの」

ほむら(私は自分に自信がないけど、その理由はママに敵う気がしないからだと思うし…)

ほむら「…ところで、どうするの?」

ほむら母「どうって、この後?」

ほむら「うん」

ほむら母「本当はパパを捕まえて帰るつもりだったけど…」

ほむら母「まどかちゃんと凄く盛り上がってるものね…」

ほむら「…なら泊まっていってよ」

ほむら母「…いいの?」

ほむら「私…変わった自分の姿を見られるのが恥ずかしかったから東京に帰りたくなかったんだけど」

ほむら「もう見られちゃったし…それに…二人と会うのもすごくひさびさだから…その…」

ほむら母「たしかに数ヵ月ぶりだもんね」

ほむら「……」

ほむら(私にとっては数ヵ月じゃないの…)

ほむら母「なら、お言葉に甘えようかしら?」

ほむら「!」

ほむら母「ママも今日で仕事納めだったのよ、これから連休」

ほむら母「それに実は着替えとかの準備もしてきたのよね」

ほむら母「パパがここに居座った時の為だったけど…ほんとにいいのね?」

ほむら「うん」

ほむら母「そう、ありがとう。パパも喜ぶわ」

ほむら「でもなんか…変な紅白が始まりそう…」

ほむら母「そうね…」

ほむら父「このほむらはこの頃のママと似てるな!」

まどか「二人ともすっごく可愛いです!」

ほむら「……ま、いっか」

ほむら(こうして私の久々の年末は過ぎていった)

ほむら(まどかとパパはずっと私とママの話で盛り上がって…)

ほむら(私はママと色々話をしてみたわ)

ほむら(流石に魔法少女や悪魔の話しはできなかったけど…)

ほむら(でも、心のもやもやが晴れた気がするわ)

ほむら(だだ気になるのが…何時も数時間しかいない円環のまどかが)

ほむら(今回はヒートアップしてるからなのか、ずっとこっちにいるの)

ほむら(本来のまどかはその時の記憶が曖昧になっちゃうから)

ほむら(なんだか、本来のまどかに申し訳ない気がするわ)

ほむら(…ま、どっちもまどかなのには変わらないのだけどね)

ほむら(前のように心の声が聞こえればその辺りの注意もできるのだけど)

ほむら(あんなに楽しそうなまどかに水をさす真似もできないもの)

ほむら(だからせめて、年が明けたら本来のまどかと初詣に行こうかしら)

ほむら(たぶん、そのあと円環のまどかとも初詣に行きそうだけどね)

ほむら(ふふ、来年も忙しくなりそうだわ)

ほむら(そして、ひさびさの年越し…)

ほむら(嬉しいわ)

ほむら(これもみんなのおかげね)

ほむら(…みんな)

ほむら「よいお年を」

悪魔ほむらの年末 完