マミマンション

ゆかり「……?」

まどか「どうしたの?」

ゆかり「あずきちゃん、遅いな…って」

ほむら「何処かにでかけてるんですか?」

ゆかり「うん、ここに帰る前にコンビニ寄るって言ってたんだけど…」

ほむら「え?それにしては長いような…」

まどか「仁美ちゃんとマミさんも中々来ないね」

ゆかり「何かあったのかな…?」

ほむら「も、もしかして魔女がでたんじゃ?」

ゆかり「それはわたしも考えたけど…少なくともこの近くでは魔女の魔力は感じないの」

まどか「魔力ってどこまで感じれるの?」

ゆかり「魔女にもよるけど、見滝原全域は無理かな…」

ゆかり「だからパトロールしなきゃいけないの」

ほむら「…パトロール……」

ほむら(わたしの知ってる世界でも、鹿目さんと巴さんがパトロールをしてたんだよね…)

ほむら(わたしはそんな二人の背中をずっと見て…)

ほむら(そして…)

まどか「ほむらちゃん、大丈夫?」

ほむら「わっ」

ゆかり「深刻な顔してたよ?」

ほむら「あっ、えと、はい、大丈夫…です」

ほむら「ただ…」

まどか「ただ?」

ほむら「鹿目さん…」ジッ

まどか「?」

ほむら(わたしの知ってる鹿目さんは…ワルプルギスと戦って…)

ほむら(死んじゃった…)

ほむら(他の時間軸でも、救えなかった)

ほむら(だから私はまどかを救うために何度も…)

ほむら「っ!?」ズキッ

まどか「ほ、ほむらちゃん!?」

ゆかり「大丈夫?」

ほむら「ぐ…ま、まどか…」

まどか「!!」

ゆかり「ほむらちゃん記憶が…!?」

ほむら「ぅ…う…あ、あれ…?」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「鹿目さん…?あれ、わたしボーっとして…」

まどか「今一瞬元に戻らなかった?」

ゆかり「どちらかと言うと今の状態が元のほむらちゃんだとは思うけど…」

ゆかり「たしかに一瞬だけ記憶をなくす前のほむらちゃんに戻ったように見えたかも」

ほむら「え?そ、そうなんですか?」

まどか「うん、だってわたしのこと『まどか』って」

ほむら「わたしが鹿目さんのことをまどかって…?」

まどか「やっぱり覚えてない?」

ほむら「…ごめんなさい、何かを一瞬思い出したような気はしたんですけど…」

まどか「そっか…」

ほむら「ごめんなさい…わたしいつもこんなことばっかりで…」

まどか「そんなことないよ、ほむらちゃんは何も悪くないよ」

ほむら「でも今のわたし…何の役にも立ててなくて…」

ほむら「早く元に戻らなきゃいけないのに…」

ゆかり「…無理して元に戻る必要はないよ」

ほむら「ううん…今のわたしじゃダメなんです」

ほむら「早く元に戻らないと…」

まどか「ほむらちゃんはほむらちゃんだよ」

ほむら「え?」

まどか「たしかに今のほむらちゃんと、記憶がなくなる前のほむらちゃんは別人みたいだけど」

まどか「記憶があってもなくても、ほむらちゃんはほむらちゃんだよ、そこは変わらないと思うの」

ほむら「……そう…ですか?」

まどか「うん、そうだよ」

ゆかり「そうだね…」

ゆかり(でも、本当にこのほむらちゃんがいつか悪魔になって)

ゆかり(インキュベーターと最後の最期まで戦い続ける…んだよね)

ゆかり(ほむらちゃん本来の性格が今のほむらちゃんなのは間違いないんだろうけど)

ゆかり(それがあそこまで変わるだなんて)

ゆかり(どれだけ過酷なループを繰り返したんだろう…)

あずき「ただいまー」

ゆかり「!あずきちゃん」

あずき「ん?あれ、どうしたの?」

まどか「今ほむらちゃんがちょっとだけ元に戻ったんだよ」

ほむら「お、おかえりなさい」

あずき「そっか、その調子ってとこだね」