コンコン

詢子「まどかー」

まどか「あれ?タツヤはもう寝たの?」

ガチャッ

詢子「ああ、それよりも、まどかー、ひっく」

まどか「わわ、お酒臭いよぉ」

詢子「んんー!やっぱり、ほむらちゃんの分の布団用意してなかったな!」

まどか「え、や、だって」

詢子「よしよし!そのままいっちまえ!いっちまえ!」

まどか「え?」

詢子「ほむらちゃんは遠慮しがちな性格みたいだからなー、ここはまどかがグイッといっちまえ!」

まどか「えーと…」

詢子「パパは気付いてないみたいだけど、まどか、あんたマジだろ?」

まどか「マジ?」

詢子「とぼけちゃってさー、あんたほむらちゃんが好きなんだろ?」

まどか「ひゃぁっ?ちょ、ちょっと、声がおっきいよ!」

詢子「大丈夫大丈夫、ほむらちゃんはまだ皿洗いしてるって」

まどか「で、でも」

詢子「はぁー、まさかガチでまどかがそっち系だったとはなぁ」

まどか「っ…」

詢子「ま、でも好きなもんは好きなんだからしょうがない!私はまどかの見方だ!」

まどか「え?でも、いいの?」

詢子「私がダメだって言ったら諦めるのか?」

まどか「それは…いや、だよ」

詢子「…」

まどか「わたし、気づいちゃったの。自分の気持ちに」

まどか「…こんな気持ち、初めてなの」

まどか「だから…諦めたくない!」

詢子「だろ?なら私はこれ以上は何も言わない、まどかが自分で決めたことだからな」

まどか「だけど…いいの?」

詢子「ん?」

まどか「わたし、女の子に恋しちゃったんだよ?普通…じゃ、ない…もん」

詢子「あぁ、そうだな」

まどか「……怒らないの?」

詢子「だから言ったろ?まどかが自分で決めたことだ、これ以上何も言わない、って」

詢子「まどかの青春なんだ、まどかがそれを望むならそれで良いさ」

まどか「ママ…」


詢子「…ま、昔はさやかちゃんのお嫁さんになるって散々言ってたしなぁ、慣れてるっちゃ慣れてるな」

まどか「うぇひひ、あれはちょっと違うよぉ」

詢子「んー、どうだか?まどかが好きって言った男なんて、パパとタツヤくらい…あとはきよしくらいだもんな」

まどか「う…たしかに…」

詢子「いやまぁ、私だって和子とは色々あったけどなぁ…あれは違うもんな、むしろ知久のとり…ゲフンゲフン」

まどか「?」

詢子「あー、とにかく、だ!まどかがそう決めたなら私は止めはしない!」

詢子「ガツンといっちまえ!ガツンとな!」

詢子「お互い奥手だったら進むもんも進まねぇ、ガンガン行ってこい!」

まどか「…うん!」

詢子「よし、んじゃ私は寝るわ、頑張れよ」

まどか「ありがとう、ママ…そして、ごめんなさい」

詢子「ん?」

まどか「変な子で、ごめんなさい」

詢子「…おい」

まどか「だけど、それでも、わたしはほむらちゃんが好きだから!」

詢子「ふっ…ああ、わかったよ。おやすみ、まどか」

まどか「おやすみ、ママ」



詢子「ふぅ、まどかもついに恋…か」

詢子「ついこの前まで小さかったのに、いつの間にか大きくなっちまってさ」

詢子「…まー、あれだ、確かに普通じゃないし、変だよなぁ」

詢子「まどかが彼氏を紹介するところは何度も想像したけど、彼女とはねぇ」

詢子「さやかちゃんの件もあるから、まさかとは思ってたけどさ」

詢子「でも、まどかが決めたことだ、何も言わない」

詢子「どう転ぶかは正直わからない…でも、何事も経験だよな」

詢子「それに、ほむらちゃんは本当に良い子だ」

詢子「あの子になら、まどかを任せられるかな」

詢子「後は、知久には私から話しとかないとな」

詢子「…よし!」

詢子「おーい、ほむらちゃーん」

ほむら「は、はい、お母様!」

詢子「皿洗いしてるとこごめんね、まどかが呼んでてさ」

ほむら「まどかが…」

詢子「だから、もう皿洗いは良いよ、行ってやって」

知久「ありがとう、ほむらちゃん。助かったよ」

ほむら「い、いえ、話してばかりで全然お役に立てなくて…」

知久「あはは、そんなことないよ。後は僕に任せて、おやすみ」

詢子「おやすみ、まどかを頼むよ」

ほむら「は…はい!おやすみなさい…えと、失礼します」タタッ

詢子「ん、また明日」

知久「ふふ、まどかは良い友達を持ったね」

詢子「…」

知久「ん?どうしたんだい?」

詢子「真面目な話がある、いい?」

知久「…うん、わかった」

詢子「……実はさ、まどかのことなんだけど」

知久「ほむらちゃんに…でしょ?」

詢子「えっ?もしかして、気づいてた?」

知久「…と言うことは、やっぱりかぁ」

詢子「え、マジ?全然気付いてないのかと思ってたわ」

知久「んー、僕もまさかとは思っていたさ」

知久「でも、まどかが必死に料理してるところとかを見てれば、何となく気がつくよ」

詢子「はは…それもそうか」

知久「あぁー!昔はパパと結婚するって言ってたのに!」

詢子「ふふ、それはそれで問題だけどな」

知久「まったく、ほむらちゃんに負けた気分だよ」

詢子「だなぁ」

知久「でも、良い子じゃないか」

詢子「うん、私もそう思う。ほむらちゃんになら、まどかを任せられる」

知久「…………でも」

詢子「うん?」

知久「あー!……よし、飲もう!」

詢子「え?知久が飲むなんて珍しいなんてもんじゃないじゃん」

知久「僕だって、呑みたくなることくらいあるさ」

詢子「うし、私も付き合うよ」

知久「ありがとう」

詢子「ま、あれだな。祝いだ祝い」

知久「うん…」

詢子「娘の成長に、かんぱい」

知久「かんぱい」