まどか「わたし、もうほむらちゃんとは二度と会えないんだって、諦めたよ」

さやか「ま、まどか…」

まどか「だって、わたしのせいなんだもん」

さやか「べ、べつにそう言うわけじゃないよ!」

まどか「ううん、いいの…わたしも分かってたから…」

まどか「わたしのせいなのは間違いないって」

さやか「で、でも…」

まどか「………」

さやか「う…」

まどか「……だからね、わたし思ったの」

まどか「今度こそ、ほむらちゃんを振り向かせるって!」

さやか「…え」

まどか「ほむらちゃんが東京に行っちゃうなら、わたしも東京に行くよ!」

さやか「なっ…」

まどか「…えへへ、こんなの絶体おかしいよね」

まどか「ほむらちゃんは、わたしを避けて東京に帰っちゃったのに」

まどか「それでも追いかけるなんてね」

さやか「ま、まぁ…」

まどか「もちろん、ほむらちゃんが帰ったって知らされた時は、もう何もかも諦めたよ?」

まどか「もうダメだ、おしまいだって」

まどか「でも、杏子ちゃんが言ってくれたの」

まどか「『ほむらの嘘に気づけ』って」

まどか「『あいつの本音を引き出せ』ってね」

さやか「ほむらの本音…!」

まどか「杏子ちゃんが言うには、ほむらちゃんは嘘を付いてて、本音を隠してるんだって」

まどか「これが何の嘘なのかまでは言ってくれなかったけどね」

まどか「もしかしたら、ほむらちゃんの本音は…」

まどか「本当にわたしが嫌で東京に帰っちゃったのかもしれないし」

まどか「その逆なのかも知れない…」

まどか「それとも、わたしなんかは何の関係もなくて、どうでもいいのかも知れない…」

まどか「ほむらちゃんにとってのわたしは、今まで何回も何回も出会ってきた」

まどか「鹿目まどかの一人に過ぎなくて、その鹿目まどかもほむらちゃんにとってはどうでもいい存在なのかもしれないよ」

さやか「いや、それはないと思うけど…」

まどか「正直、このままわたしがでしゃばらないのが一番だとは思うの」

まどか「ほむらちゃんには迷惑ばかりかけちゃったしね…」

まどか「だけど、それでもわたしは…ほむらちゃんに会いたい」

まどか「やっぱり、これが一番の理由なのかな」

まどか「もう一度だけでいい、ほむらちゃんとお話しがしたい」

まどか「お互いの気持ちを正直にぶつけたい…」

まどか「…だからわたし、ほむらちゃんに会いに行きたいの」

さやか「…そっか」

まどか「さやかちゃん…どう思う?わたしって変かな」

さやか「うん、変だし、バカだと思う」

さやか「ほむらがどんな思いで見滝原を去ったのか…それは何となくわかってるつもり」

さやか「なのに、まどかが東京にまで追いかけるのはバカなんだと思うよ」

まどか「……そう、だよね」

まどか「でも!わたし諦めないもん!」

さやか「まどかって、ほんとバカ」

まどか「バカでもいい、それでもほむらちゃんに会いたい」

さやか「なら、あたしと同意見だね」

まどか「えっ?」

さやか「だってあたしも、ほむらを連れ戻したいからね!」

まどか「でも、バカだって…」

さやか「そりゃそうよ!あたしは何たって初代バカなんだから!」

まどか「しょ、初代?」

さやか「バカで残念なさやかちゃんは、バカでしつこいまどかを応援するのです」

まどか「応援…してくれるの?」

さやか「あったりまえよ!だって、まどかもほむらも、大切な親友だからね!」

まどか「さやかちゃん…!」