マミ「なぎさちゃん…」

さやか「大丈夫だよ、マミさん…マミさんはこっちに残ってもらった方が良いですしね」

マミ「で、でも…」

杏子「そうだよな、何もあたしら全員で行く必要はないんだし」

杏子「もしもの時に備えて、一人くらいは残っておくべきじゃん」

マミ「……だけど…私…暁美さんに何もしてあげれてないの…」

マミ「いろんな記憶がどんどん溢れてきてるのに…暁美さんとは険悪な関係の記憶しか…」

マミ「だから今度は私が助けたい…なのに…」

さやか「確かにマミさんとほむらは険悪な関係だったかもしれないですけど」

さやか「それはあたしだって同じですし」

さやか「むしろ、ほむらと関係が良かったことが多い杏子が特殊なだけですって」

マミ「……」

杏子「あ、でもあいつたまにマミのこと尊敬してるみたいなこと言ってたみたいだぞ?」

マミ「え?」

杏子「うん、そうだ、今どんどん記憶が戻ってきてるけど、あいつちょいちょいマミのこと誉めてるぜ」

杏子「ほむらに銃の扱いを教えたのもマミだしな」

さやか「ほむらの決壊の中で絶好調のマミさん相手にほむらが互角に戦えたのも」

さやか「マミさんが自分の戦い方をしっかりほむらに教えてたからだと思いますよ」

マミ「……そう…かしら…」

マミ「私…暁美さんに喧嘩腰ばっかりの記憶しか…」

マミ「……!ううん…違う…特訓してる…一緒に戦ってる…!」

杏子「マミも思い出したみたいだな」

アルティメットまどか「……」

まどか「……」

さやか「だからマミさんは胸をはっていいんですよ!」

杏子「ああ!後はあたしらに任せときなって」

マミ「…ありがとう」

杏子「おし!決まりだな!」

さやか「さてと…ちなみに、時間遡行したらこっちに戻ってこれる?」

アルティメットまどか「……ううん」

杏子「えっ」

さやか「…やっぱりね」

マミ「そんな?」

まどか「…」

アルティメットまどか「ほむらちゃんの魔力を使う以上、ほむらちゃんと同じタイプの時間遡行しかできないはずだよ」

アルティメットまどか「それに、時間遡行が確実にできる保証もないの」

アルティメットまどか「もしかしたら、そのまま時間の渦に呑み込まれて」

アルティメットまどか「永遠に時空をさ迷うかもしれないし」

アルティメットまどか「もし時間遡行できても、この時代になるとも限らない」

アルティメットまどか「大昔かもしれないし、遠い未来かもしれない」

アルティメットまどか「ほむらちゃんが入院してるころに戻るのも、一つの可能性でしかないの」

杏子「……マジか」

アルティメットまどか「それにね、ほむらちゃんの魔力を引き継げるのも一人が限界だよ」

マミ「じゃあ…誰か一人だけ…と言うこと?」

アルティメットまどか「はい」

杏子「……いいぜ、ならあたしが行く」

さやか「ううん、あたしが行く」

杏子「よせよ、さやかには家族がいるじゃねぇか」

杏子「あたしはさやかん家に居候させてもらってるけど」

杏子「元々、あたしは天涯孤独なんだ」

杏子「帰ってこれないなら、さやかは行くべきじゃないよ」

さやか「そうかもしれないけど、そもそもあたしの存在自体、ほむらがいなかったらとっくになくなってた」

さやか「今のあたしがいるのも、ほむらのおかげ…」

さやか「それに今度こそ、あたしが救ってあげたい!」

さやか「だからあたしが行く!」

杏子「いいや、ほむらのおかげで生き返れたんなら、なおさらここで生き続けるべきさ」

杏子「だいたい家族にはどう説明するつもりなのさ?」

さやか「う…」

杏子「しかもさやかがいないならあたしだって居候もできないし」

マミ「それなら私の家で一緒に暮らすといいわ」

杏子「……お前なぁ、やっぱマミが行くか?」

マミ「へ?…ううん、いいわ、私も行く覚悟はあるもの!」

マミ「私はお世話になってる家庭もない、正真正銘の天涯孤独よ」

マミ「なぎさちゃんは…この世界で生き続けてくれるのなら、私はそれで…」

杏子「冗談だよ、マミが消えたらなぎさがうるさくてしかたねーじゃん」

さやか「だからあたしが行くってば!」

アルティメットまどか「…みんな、ほむらちゃんのことちゃんと思ってくれてるんだね」

まどか「うん…」

まどか「……だけど」