ほむら「まどか…私はあなたが会いたがっていた暁美ほむらではないと思うわ…」

まどか「……ほむらちゃんは、どんな姿になってもほむらちゃんだよ」

ほむら「え」

まどか「最初の頃の眼鏡お下げのか弱いほむらちゃんも」

まどか「クールでカッコよくなったほむらちゃんも」

まどか「私のリボンを身につけて頑張ってくれたほむらちゃんも」

まどか「悪魔になってまで、わたしや地球を助けてくれたほむらちゃんも」

まどか「みんなみんな、ほむらちゃんだよ」

まどか「どのほむらちゃんも同じほむらちゃんだもん」

ほむら「まどか…」

まどか「ほむらちゃんは、最初の時間軸のわたしやそれから先の時間軸のわたし」

まどか「それに今ここにいるわたし…みんなが違う鹿目まどかだと思う…?」

ほむら「!」

ほむら(たしかに時間軸で多少の違いはあったし)

ほむら(今目の前にいるまどかは特に違う…)

ほむら(でも…)

ほむら「…いえ、まどかはまどか…違いなんてないわ」

まどか「ほむらちゃん…ありがとう」

まどか「わたしも、ほむらちゃんと同じだよ」

ほむら「…まどか」

まどか「ねぇ、ほむらちゃん…今度こそ一緒にワルプルギスを倒そう?」

ほむら「!…でもワルプルギスは…」

まどか「…うん、わかってる…ワルプルギスを倒したわたしが力を使い果たして魔女になるんだよね…」

まどか「それかワルプルギスに負けて…」

ほむら「……」

まどか「でもね、あれはわたしが力の使い方をコントロールできてないのもあるけど」

まどか「みんなと協力できなかったのも大きいと思うの…」

ほむら「…それは…」

まどか「わたし、ほむらちゃん、マミさん、杏子ちゃん…4人が力を合わせれば」

まどか「きっとワルプルギスにだって勝てるはずだよ」

ほむら「…やはり美樹さやかは除外するのね」

まどか「さやかちゃんはまだ魔法少女じゃないから…」

まどか「さやかちゃんを巻き込まずにすむなら、それが一番なのかなって…」

ほむら「ええ、わたしも賛成よ」

ほむら「美樹さやかは魔法少女に向いていないわ…それも致命的にね」

まどか「わたしが元々いた世界のさやかちゃんはマミさんや杏子ちゃん以上の実力があるんだよ」

ほむら「え!!??」バンッ

まどか「わっ?」

ほむら「あ…ご、ごめんなさい…今日一番びっくりしたから…」

まどか「そ、そんなに?」

ほむら「ええ…今のまどかならわかるはずだけど、何度あの子のせいで巻き戻すはめになったのかわからないわ…」

まどか「うぇひひ、さやかちゃんも最初の頃はそうだったもんね」

ほむら「最初の頃はって…一体何があったら美樹さやかが巴マミや佐倉杏子より強くなるの?」

ほむら「巴マミと、その弟子だった佐倉杏子は一般的な魔法少女よりもかなり強い実力を持っているわ」

ほむら「魔法少女がチームを組んで戦うのが普通なくらい魔女が強い地域の魔女も」

ほむら「あの二人は単独で楽に倒せるのよ…?」

ほむら「私も時間停止を破られたら、勝てる見込みは少ないわ…」

まどか「実はほむらちゃんはマミさんと本気で戦ったことがあるんだよ」

ほむら「!…どうなったの…?」

まどか「すごい戦いだったけど、紙一重でマミさんが上だったみたい」

ほむら「っ…や、やっぱり…」

まどか「でも、そのマミさんを出し抜いてほむらちゃんを助けた魔法少女がいるの」

ほむら「まどか?」

まどか「ううん、わたしはあんなに激しく戦う自信ないや」

ほむら「なら杏子ね、杏子もかなりの実力者だもの」

まどか「杏子ちゃんは確かに強いし、マミさんに勝ったこともあるけど、その時は杏子ちゃんじゃないよ?」

ほむら「……?」

まどか「さやかちゃんだよ」

ほむら「え……?」

ほむら「???」

ほむら「???」

まどか「そ、そんなに混乱するようなことじゃないような…」

ほむら「いや…え?」

ほむら(さやかって、あの美樹さやかのことよね?)

ほむら(魔法少女になれたこと自体が奇跡と言うか、むしろ間違いと言うか)

ほむら(あの子以上に魔法少女に向いていない魔法少女なんていないはずよ?)

ほむら(その美樹さやかが、未来の私で勝てなかった巴マミを出し抜いた上に)

ほむら(私を助け出した??)

ほむら(なによそれ…奇跡でも起きない限り…はっ)

ほむら(奇跡も魔法もあるんだよ、って…まさかこのこと??)