カッ

ワルプルギスの夜「!!??」

使い魔「!?」

キュゥべえ「救済の魔女…」

だ ま り な さ い

キュゥべえ「!?いや、これは…」

まどか「」グッタリ

ほむら「まどか…」

キュゥべえ「暁美ほむら…まだ生きていたのかい!?」

ほむら「……時間遡行したのが自分だけじゃないと気付くべきだったわね」

キュゥべえ「!?」

ほむら「たしかにあなた逹の科学力はすごいけど」

ほむら「いつだって相手より優位な立場にいると思い込むのは禁物よ」

キュゥべえ「…」

ほむら「何時だったか、私も苦手だけど好きだった先輩に言われたわね」

キュゥべえ「……君は確かに僕たちが始末したはずだよ」

キュゥべえ「暁美ほむら…いや、叛逆者悪魔ほむら!」

悪魔ほむら「ええ、そうよ…私はあなた逹を道連れに命を失った」

悪魔ほむら「死んでしまい、まどかの心に影を作ってしまったのも事実」

悪魔ほむら「でもね…私は完全に消滅したわけではなかったわ」

キュゥべえ「……鹿目まどかのソウルジェム」

悪魔ほむら「流石に察しが良いわね。ええ、そうよ」

悪魔ほむら「まどかに返したリボンに残しておいた魔力、それが後のまどかのソウルジェムに取り込まれた」

悪魔ほむら「私は結果的にまどかのソウルジェムとなって辛うじて存在することができた」

悪魔ほむら「と言っても、あくまでまどかの魔力の一部として…」

悪魔ほむら「まどかに語りかけることもできないし、何もできなかった」

悪魔ほむら「でも…この世界の暁美ほむらの肉体と魔力、そして魔女になりかけたまどかの魔力の暴走」

悪魔ほむら「これらが集まって、私は再びあなたの前に立つことができたわ」

キュゥべえ「……」

悪魔ほむら「それもすべて、最後までまどかが諦めなかったからに違いないわ」

キュゥべえ「…鹿目まどかは僕達の術中に嵌まったはずだよ」

悪魔ほむら「それはどうかしら?まどかの諦めない想いが私に繋がったのよ」


キュゥべえ「……そんなはずは…」

ワルプルギスの夜「!!!!」ゴォォォッ

悪魔ほむら「はっ!!」

ワルプルギスの夜「!!??」

キュゥべえ「なっ!?」

キュゥべえ(ワルプルギスの攻撃をかきけした…)

悪魔ほむら「ワルプルギスの夜…可哀想に、あなたもインキュベーターに利用されたに過ぎないのよね…」

悪魔ほむら「私はこれでも円環の理の一部、まどかに代わって私があなたを救済するわ」

ワルプルギスの夜「…」

悪魔ほむら「あなたもとっくに限界を越えていたのよね?あれだけの攻撃をよく耐え抜いたわ」

悪魔ほむら「インキュベーターに無理矢理強化されていたとは言え…流石だわ」

悪魔ほむら「巴さんの渾身のティロ・フィナーレ、さやかと杏子の合体技、そして私とまどか…」

悪魔ほむら「どの技も、通常のワルプルギスなら倒せていたはず」

悪魔ほむら「なのに、あなたはボロボロになっても立ち上がった…見事よ」

悪魔ほむら「でも、もう終わりにしましょう」

悪魔ほむら「本来ならとっくに倒れているはず…私が楽にしてあげるわ」

悪魔ほむら「安らかに眠りなさい…」

悪魔ほむら「はぁっ!」

ワルプルギスの夜「アハハハハハハハハハハ…」スゥ

シュゥゥゥ

キュゥべえ「……君は何時も僕たちの邪魔をするんだね」

悪魔ほむら「それはお互い様よ、インキュベーター」

キュゥべえ「………」

悪魔ほむら「まどかを利用した上に、まどかを再び魔女にさせようとした罪」

悪魔ほむら「私はそれを許せるほど優しくないわ」

キュゥべえ「もちろん知ってるよ」

さやか「……」

悪魔ほむら「…でも、あなた逹の言う宇宙の寿命のことも理解できないわけじゃないわ」

さやか「!」

キュゥべえ「ならわかるはずだよ、これほど効率の良い方法はないってね」

悪魔ほむら「それは感情のないあなた逹の理屈よ」

悪魔ほむら「例えどんなに小さくても、命は命。エネルギーでもエントロピーでもないわ」

キュゥべえ「…」

悪魔ほむら「宇宙の寿命を延ばす、それは良いことだと思うけど」

悪魔ほむら「その為に自分たちの命を渡せるほど、私達は大人でもないのよ」

キュゥべえ「何が言いたいんだい」

悪魔ほむら「私はあなた逹を真っ向から否定するつもりはないわ」

悪魔ほむら「それでも、まだ私達を利用するのなら容赦はしない」

キュゥべえ「……」

悪魔ほむら「……」

キュゥべえ「いつか君たちにも理解できる日がくるよ」

キュゥべえ「僕たちの出した答えは決して間違っていなかったって」

キュゥべえ「あの時理解していたら、もっと宇宙は発展していたとね」

悪魔ほむら「…そう、ならあなた逹にも理解できるといいかもね」

悪魔ほむら「どんなに小さな命にも大切な感情がある、とね」

キュゥべえ「本当に僕達は仲が悪いみたいだね、ほむら」

悪魔ほむら「そうね、キュゥべえ」

キュゥべえ「…わけがわからないよ」

悪魔ほむら「………」

キュゥべえ「……できれば、もう二度と君の顔はみたくないよ」

キュゥべえ「それじゃあ、僕は行くよ」

悪魔ほむら「………」

まどか「ん…」

悪魔ほむら「まどか」

まどか「ほむら…ちゃん…?」

悪魔ほむら「ふふ」ニコ

まどか「ほむらちゃん…ほむらちゃーん!」ギュッ

悪魔ほむら「まどか…いつだって私はあなたの側にいるわ」

悪魔ほむら「だからもう泣かないで…」

まどか「ほむらちゃん…?」

悪魔ほむら「さやか」

さやか「あれ?気付いてた?」

悪魔ほむら「後のこと、あなたに任せてもいいかしら?」

さやか「あんたがあたしに頼み事なんて珍しいじゃん」

悪魔ほむら「一度目の頼みを破ったのはあなたでしょう?」

さやか「……あたしも会いたかったからさ」

悪魔ほむら「…とにかく、後は任せるわ」

さやか「……うん」