ホーリーマミ「あの二人…どうして…?」

鶴乃「……」

鶴乃「……」

ホーリーマミ「あとで考えましょう…」

ホーリーマミ「それよりも、ここの料理が100点になるように一緒に祈りましょう!」

鶴乃「…ごめんね、マミちゃん。気持ちは嬉しいんだけど」

鶴乃「魔法の力で料理をよくするのは、やっぱり違うと思う…」

ホーリーマミ「え?」

鶴乃「…確かに今のうちの料理は味の評判はよくないよ」

鶴乃「私だってそんなのわかってる…」

鶴乃「でもね、それでもお客さんは来てくれるの」

鶴乃「昔のように由比家を再興したいのもあるけど」

鶴乃「それ以上に、お客さんに少しでも喜んで欲しいから…私達はこれまでやってきたと思うんだ」

鶴乃「さっき、あの子の言葉を聞いてて…私、大事なことを忘れてたって気付けたの」

鶴乃「料理を美味しくすることも、もちろん大事だけど」

鶴乃「それ以上に大切なのが、お客さんに笑顔になってもらうことなのかな…って」

鶴乃「そしてそれは、魔法の力に頼らないで、コツコツ料理を良くしていくのが一番なのかな…って思ったの」

鶴乃「だから…もしマミちゃんが本気で魔法の力で料理を100点にしてくれるのだとしたら」

鶴乃「私は遠慮しておくよ、気持ちだけ受け止めておくね、ありがとう」

ホーリーマミ「……そう…ですか」

鶴乃「本当にごめんね」

ホーリーマミ「いえ…ごちそうさまでした、美味しかったです…」

鶴乃「なんだかしんみりしちゃったね!元気出していくよ!」

鶴乃「さっそくだけど、そのハデなカッコはどうしたの!?」

鶴乃「ってあれ?いない?…お金は置いてあるけど…あれ?」

鶴乃「今の…マミちゃん…だよね…?」

やちよ「鶴乃」

鶴乃「あ、やちよ!その辺でマミちゃん見なかった?」

やちよ「!巴さんと会ってたの?」

鶴乃「うん、ついさっきまでここにいたんだけど、急にいなくなっちゃったんだよね」

やちよ「もしかして、いつもの巴さんよりハデな姿じゃなかった?」

鶴乃「そうそう!なんかホワイトクリスマスっぽい感じだったよ!」

やちよ「…それ、おそらく巴さんの偽者よ」

鶴乃「え!?」

やちよ「今みんなでその偽者を探しているのよ」

鶴乃「どういうこと?何か悪いことしたの?」

やちよ「鶴乃は何もされなかった?」

鶴乃「何もされてないよ?あっ、でもなんか祈りで料理を100点にするって言ってたんだよね」

やちよ「!!他には?」

鶴乃「カップルのお客さんにも何か願い事を聞いてたけど、断られてたくらいかな?」

やちよ「そう…実はね、常盤さんがその偽者に4歳くらいの子供に心身共小さくされてしまったのよ」

鶴乃「え!?どういうこと!?」

やちよ「何の目的かはわからない…新手のウワサの可能性もあるわ」

やちよ「とにかく、もしもう一度現れたら私に連絡して!」

鶴乃「それなら私も探すよ!」

やちよ「鶴乃は店の留守番中でしょ?それに一人くらい定位置にいるべきよ」

鶴乃「そっか…わかった」

その頃

レナ「どうしよう…レナ…マミを傷つけちゃった…」

かえで「そんなことないよ…」

かりん「そうなの、知らなかったら誰でも同じことすると思うの」

レナ「だけど…」

レナ(なんでレナっていつもこうなんだろう…)

レナ(今回だけじゃない…レナが余計なこと言って誰かを傷つけたことは何度もあるのよ…)

レナ(外見だけじゃなくて、内面も変わりたいよ…)

レナ(かえでみたいな素直で良い子になりたい…)

ホーリーマミ「突然失礼…」

レナ「!?」

かえで「ふみゃうみゃう!?」

かりん「本当に突然でびっくりしたの!」

かえで「ま、マミさん?」

ホーリーマミ「私が水波さんの願いを叶えてみせましょう」

レナ「え…」

かえで(水波さん…?あれ?)

ホーリーマミ「さぁ」

レナ「……レナは」

その頃

ももこ「はぁー、全然目撃情報ないね」

マミ「はい…すみません、なんだか…」

ももこ「マミちゃんが謝る必要なんて全然ないって」

マミ「でも…私のドッペルゲンガーか…偽者が…」

ももこ「そう思う気持ちはわかるけど、マミちゃんが気負っても仕方ないよ」

マミ「……」

ももこ「マミちゃんは良い子すぎると思うな」

マミ「え?」

ももこ「マミちゃんって正義感も責任感も人一倍、いやそれ以上にあるからさ」

ももこ「何かあった時、全部一人で背負い込もうとしちゃうんだよね」

マミ「……」

ももこ「それが悪いこととは思わないけど、一人で背負い込むんじゃなくて」

ももこ「みんなと一緒に分け合っていくのがいいはずだよ」

ももこ「今もこうして、みんな協力してくれてるんだし」

ももこ「何よりアタシ達は仲間だろ?」

マミ「十咎さん…」

いろは「ももこさーん!」

ももこ「あれ、いろはちゃんどうしたの?もしかして偽マミちゃん見つかった?」

いろは「ち、違うんです!レナちゃんが…」

ももこ「えっ?」

マミ「!」



レナ「かえでちゃん…大好き」ギュー

かえで「ふぁあ…れ、レナちゃん?どうしちゃったの?」

かりん「お、おかしくなっちゃったの!」

レナ「かえでちゃん」ギュー

かえで「レナ…ちゃん…?」

かえで(か、かわいい!)

レナ「かえでちゃん…ずっとレナのそばに居て…?」ギュー

かえで「………レナちゃん」

かえで「……………」

かえで(どうしてだろう…こんなに可愛いレナちゃんなんてめったに見られないのに…)

かえで(モヤモヤしてるの…?)

フェリシア「なんだなんだ!?」

さな「わ、わ、わ」

かえで「れ、レナちゃん?みんな見てるよ?」

レナ「いい…ずっとかえでちゃんにぎゅーってしてたい」ギュー

かえで「ふゆぅ…」

かえで(レナちゃん…可愛いけど…でも…でもっ…)

フェリシア「おー!いつのまにこんなに素直になったんだ?」

さな「人が変わったみたい…」

かりん「急にこうなっちゃったの!大変なの!」

フェリシア「魔女!!!」

さな「で、でも…魔女の口づけは見当たらないような…」

フェリシア「ガウガウ…!」

かりん「マミさんが原因なの!」

フェリシア「はぁ?あのねーちゃんが?なんで?」


ももこ「おーい!」

かえで「も、ももこちゃん!」

レナ「かえでちゃん…」ギュー

ももこ「な!?レナ!どうしたんだ!?」

マミ「ま、まさか常盤さんと同じように…」

かりん「わぁぁっ!?マミさんなの!」