その頃

やちよ「ええ、わかったわ。ももこも気を付けなさい」

やちよ「……相変わらず事務的な連絡…ね」

やちよ「ううん、連絡してくれるようになっただけでも前進できたのよね」

やちよ「……ももこ…まだ…わかってる、わかってるわ」

やちよ「…あの頃のももこはもういないのよ…」

やちよ「…かなえ…メル…」

やちよ「…………」

やちよ「それよりも、今は偽巴さんよね…」

やちよ「一度も楽しめたことのないクリスマス、どうせ楽しむなら子供の頃に楽しみたかった…と言ったら本当に子供にされた」

やちよ「素直な性格になりたいと言ったら本当に素直な性格に変えられた」

やちよ「鶴乃は万々歳の料理を100点にすると言われた…」

やちよ「……鶴乃はともかく、あの二人に関しては一応本人が望んだものだわ」

やちよ「願いを実現させているとでもいうの?」

やちよ「だとすれば何のために?そして何故巴さんの姿をして…」

やちよ「私も今日は暫く巴さんと一緒にいたし、その後ももこと一緒にいたのもわかってる」

やちよ「だから巴さんが犯人でないことは間違いないし、疑うつもりもないわ」

やちよ「でも何故巴さんの姿をしているの?」

やちよ「いったい犯人は何が目的なのかしら…偽善者ぶりたいのか…」

やちよ「それとも、純粋に人の力になりたいだなんて考えているの?」

やちよ「……動機がなんであれ、これ以上被害を増やすわけにはいかないわ」

やちよ「もし元に戻せないとしたら…常盤さんに関しては人生をもう一度やり直すことになってしまうのよ」

やちよ「そんなこと…」

やちよ「人生を…やり直す…」

やちよ「……かなえ…メル…」

やちよ「みふゆ…」

やちよ「ももこ…」

やちよ「私は…」

ホーリーマミ「突然失礼…」サールティーローヤーリィー

やちよ「なっ!?っ…本当に突然現れるのね」

ホーリーマミ「私は巴マミ」

やちよ「…白々しいわ、あなたは巴さんではない」


ホーリーマミ「えっ?」キョトン

やちよ「?」

やちよ(その純粋に驚いたリアクションは…少し想定外だったわ)

やちよ(それにしても、本当に白くてハデな巴さんの姿をしているのね)

やちよ「…もしかして、今度は私の願いを叶えてくれるのかしら?」

ホーリーマミ「ええ!あなたに希望のお裾分けを…!」ニコニコ

やちよ「……」

やちよ(…あの笑顔に裏があるようには思えない)

やちよ(もしかすると本当に純粋な善意だと言うの?)

やちよ(だとしたらやっかいね…)

やちよ「私の前に姿を現したのは失敗ね、探す手間も省けたわ」

ホーリーマミ「さぁ、一緒に祈りましょう?あなたの大切な仲間を生き返らせてさしあげます」マミンマミン

やちよ「!?」

やちよ(かなえ…メル…)

ホーリーマミ「一緒に祈りましょう?そうすればきっと奇跡は起こります」

やちよ「っ…く…!そ、そんなはったり、私には通じないわ!」

やちよ「正体を現しなさい!」

ホーリーマミ「え?だから私は巴マミ…」キョトン

やちよ「あなたが巴さんでないことはお見通しよ、下手な嘘はよしなさい」

ホーリーマミ「そ、そんなこと言われても…」オズオズ

やちよ「……」

やちよ(…嘘をついているようには見えない)

やちよ(だけど巴さんでないことは明白…まさか自分が巴さんの偽者だと理解できていないのかしら…)

ホーリーマミ「それよりも、早く祈りを…奇跡は必ず起こります」マミン

ホーリーマミ「あなたの失った大切な仲間、そして絆…」

ホーリーマミ「全てを元に戻すことができるはずです」

ホーリーマミ「あの頃に戻れます!」マミン

やちよ「…!」

やちよ「…ふ、ふざけないで…私にはそんなまやかし…」

かなえ『やちよ…』

メル『七海先輩…』

やちよ「うっ…」

みふゆ『やっちゃん』

やちよ「っ……」

やちよ(これは幻覚じゃない…私自身が見せている記憶…)

かなえ『やちよ…』

やちよ(…かなえは目の前でソウルジェムが砕けた)

メル『七海先輩…』

やちよ(メルは目の前で魔女に…)

みふゆ『やっちゃん』

やちよ(みふゆとは…道を分かった…)

ももこ『やちよさん』

やちよ(ももこは…近いけど…遠い…)

鶴乃『ししょー!』

やちよ(あの頃と変わらないのは鶴乃だけ…)

やちよ(かなえも、メルも、みふゆも、ももこも…)

ホーリーマミ「楽しかったあの頃に、あの悲劇をなかったことに…さぁ」

やちよ(あのことをなかったことに…?)

やちよ(かなえもメルも…みふゆだって…)

やちよ(辛いこともあるけど楽しかったあの頃)

やちよ(あの頃のように戻れたら…)

ホーリーマミ「さぁ!あの頃に戻りましょう!」

やちよ「私は…あの頃に…戻りた…」

いろは『やちよさん!』

フェリシア『やちよ!』

さな『やちよさん!』

鶴乃『やちよ!』

やちよ「!!」

やちよ(みんな…ありがとう)

ホーリーマミ「!?」

やちよ「…私は…戻らない」

やちよ「今の私がいるのも、みんなのおかげ…」

やちよ「ここで私があの頃に戻りたいと願えば、それは私を支えてくれたみんなを否定することになるわ」

やちよ「だから私は戻らない!」

ももこ『やちよさん!』

やちよ「…これでいいのよね、ももこ…鶴乃…」

鶴乃「うん、これでいいんだよ!」

やちよ「鶴乃!?」

ももこ「アタシも同意見だよ」

やちよ「ももこ…」

ももこ「アタシらが来なかったらあの頃のやちよさんに逆戻りになってたのかもな」

ももこ「……よかった」

やちよ「……ありがとう」

いろは「良かった…やちよさん…本当に良かった」

フェリシア「やちよまで変にされちまうのかと思って心配したんだからな!」

さな「よ、よかった…」

やちよ「みんな…!」

やちよ「みんなが私を引き留めてくれたのね」

かえで「間に合ってよかった…」

かりん「かえでちゃんナイスなの!」

レナ「流石かえでちゃん!大好きっ!」ギュー

かえで「ふゆぅ!」

マミ「……」

ホーリーマミ「こんなに魔法少女がたくさん!一緒に祈りましょう!」ニコニコ

ももこ「…本当に見た目はマミちゃんそのものなんだな」

かえで「レナちゃんを早く元に戻してください!」

レナ「か、かえでちゃん…」ギュー

ホーリーマミ「えっ?でも水波さんはそうなることを祈ったから、生まれ変われたのに…」

ももこ「今のレナだって可愛いし、好きだよ」

ももこ「でもな、アタシとかえでが大好きなレナは」

かえで「いつもの我儘で意地っ張りなレナちゃんなんです!」

レナ「うぅぅ…」

ホーリーマミ「で、でも…」

いろは「常盤さんも元に戻してあげてください!」

フェリシア「あいつおっかないから元に戻ったら戻ったでヤバイけどな!」

さな「か、かわいそうです…」

鶴乃「ねぇ、白いマミちゃんは何でそんなことをするの?」

ホーリーマミ「そんなこと…?私はただ、みんなの願いを叶えて…」

やちよ「それは間違った善意よ、必ずしも願いをかなえることが正しいとは限らないわ」

ホーリーマミ「で、でも…私はみんなに笑顔になって欲しくて…」

かりん「なんだか悪気はなさそうなの…」

レナ「レナは白いマミに感謝してるよ?」

かえで「レナちゃん…」

レナ「白いマミは本当に願いをかなえて喜んで欲しいだけだと思う…」

レナ「レナ…わかるから…」

ももこ「レナ…」

いろは「あ、あの…あなたは本当に巴さんなんですか?」

ホーリーマミ「ええ、私は巴マミ…」

フェリシア「ねーちゃんならそこにいるぞ!」

ホーリーマミ「えっ?」

マミ「……」

マミ(…なるほどね)

マミ(今のやり取りでわかった…)

マミ(あの子は私の偽者なんかじゃないわ)

ホーリーマミ「あ…あれ?どうして…?」

マミ「……私は巴マミ。あなたと同じよ」