その頃

御園家の前

ももこ「お、ここだな」

アリナ「ここがかりんの家なわけネ」

ももこ「よっし!そんじゃ気合いいれて行くぞ!」

アリナ「アリナ的にはそんな気になれないんだケド…」

ももこ「ま、そりゃそうだろうけどな」

ピンポーン

かりんのおばあちゃん「はいはいー」

ももこ「こんにちは!」

アリナ「は、ハロー」

かりんのおばあちゃん「おや、かりんちゃんのお友だちかい?」

かりんのおばあちゃん「!おや…」

アリナ「?」

ももこ「はい、かりんちゃんいますか?」

かりんのおばあちゃん「いるにはいるんだけど、様子がおかしくてね…」

かりんのおばあちゃん「怪盗少女マジカルきりんの新刊も読まずにずっとため息ついてて、困ってるんだよ…」

ももこ「な、なるほど…」

アリナ「深刻だヨネ…」

かりんのおばあちゃん「かりんちゃんのこと、よろしくお願いね。さ、上がって上がって」

ももこ「おじゃまします」

アリナ「しマス」

かりんのおばあちゃん「かりんちゃん!お友だちが来てるよ!」

しーん

かりんのおばあちゃん「うーん、あいかわらずだねぇ…お嬢ちゃんの名前は?」

ももこ「アタシはももこです」

アリナ「アリナはアリナだケド」

かりんのおばあちゃん「やっぱり!」

アリナ「え?」

かりんのおばあちゃん「ありがとう、ももこちゃんとアリナちゃんが来てるよ!」

かりん「アリナ先輩!?」

ガチャ

ももこ「おっす!」

アリナ「全く…なにしてるワケ?」

かりん「あ、アリナ先輩!たくさんお話ししたいの!入って欲しいの!」

かりんのおばあちゃん「後はお願いね」

ももこ「はい!」

アリナ「……」

かりんの部屋

ももこ「!」

ももこ(初めてかりんちゃんの部屋入ったけど…なんかすごい散らかってる…)

ももこ(と言うか服が散乱してるんだ)

かりん「あっ…お片付けしてなかったの…」

かりん「ち、違うの!いつもはもう少し綺麗にしてるの…」

かりん「でも、今は少しでもアリナ先輩に誉めてもらえるような…」

アリナ「ん?」

かりん「わっ、なんでもないの…」

アリナ「?」

かりん「うぅ…魔法でお片付けするの!」

ももこ「いいよいいよ!そんなに気にならないし!」

アリナ「どっちでもいいヨネ」

かりん「えっ?」

アリナ「ん?」

かりん「あっ…いつもアリナ先輩は無駄に魔力使うなって怒るから…」

アリナ「え?あ…あぁ、まぁそれもあるヨネ」

ももこ「ま、軽く片付けしよっか!アタシ達も手伝うからさ!」

アリナ「うん」

かりん「あ、ありがとうなの…」

暫くして

ももこ「こんなもんかな!にしても、かりんちゃんの私服みんな可愛くていいね」

かりん「そ、そうなの?」

ももこ「うん、アタシは可愛い服着れないからなぁ、笑われそうだし」

アリナ「そんなことないわよ」

かりん「!」

ももこ「あはは、ありがと。でもやっぱアタシには似合わなさそうだからなー」

ももこ「かりんちゃんは可愛いからどれも似合うと思うよ!」

かりん「……アリナ先輩はどう思うの?」

アリナ「え?アリナ的には…悪くないと思うケド」

かりん「……」

ももこ「かりんちゃん?」

かりん「それはそうと、十咎先輩が水波先輩やかえでちゃんと一緒にいないのは意外なの」

アリナ「!」

ももこ「ああ、レナとかえでは今日二人で遊ぶってさ」

ももこ「あの二人が仲良くなってアタシも嬉しいよ」

かりん「十咎先輩は嫌じゃないの…?」

ももこ「うん?嫌?」

かりん「水波先輩がかえでちゃんに取られちゃわないかって…」

アリナ「え?」

ももこ「あはは、それはないって。レナもかえでもアタシの大切な仲間だし親友だからさ」

アリナ「…」

ももこ「レナとかえでが今以上に仲良くなったら、むしろ嬉しいくらいだよ」

かりん「そうなの…わたしは嫌なの…」

かりん「アリナ先輩を誰にも取られたくないの…」

ももこ「!」

アリナ「!」

かりん「わたし…怖かったの…あの時からアリナ先輩のこと考えるだけで」

かりん「ドキドキするし…頭がいっぱいいっぱいになるし…」

かりん「こんな気持ちも初めてで怖かったの…」

ももこ「そっか、だから…」

アリナ「…」


かりん「でも、本当に怖かったのはそこじゃなかったの」

かりん「わたし…アリナ先輩のことが好きだって気付いちゃったの…」

ももこ「!」

アリナ「!」

かりん「でもそれがバレて…アリナ先輩に嫌われるのが怖かったの…」

かりん「だから…どうしたらいいのかわからなくて…」

かりん「でも、まずはアリナ先輩に謝りたかったの」

かりん「だから頑張っておしゃれして、先輩に謝って…そして…」

かりん「デート…してみたいの…」

ももこ「…そっか、ならアタシ達が余計なおせっかいする必要はなさそうだな」

ももこ「相変わらずタイミングが悪いけど…ま、いいや」

アリナ「え、えっと…」

アリナ(ど、どうしよう!想定外なんだけど!?)

かりん「…アリナ先輩」

アリナ「な、なに!?」

かりん「手、握ってほしいの」

アリナ「こ、こう?」ギュッ

かりん「……ひんやりしてるの」

ももこ「夏場は大活躍だけどな!」

アリナ「ちょっ!ばかっ!」

ももこ「あ」

かりん「アリナ先輩っ!」ダキッ

アリナ「ひゃあっ?」

ももこ「あ…」モヤッ

かりん「……」ギュー

アリナ「ちょ、ちょっと…」アセアセ

かりん「いきなりごめんなさいなの」

かりん「水波先輩」

アリナ「えっ!?」

ももこ「あちゃー、バレてたか」

レナ「う…結構練習したんだけど…」パアッ

かりん「…」