その頃

神浜駅

さやか「着いた!」

まどか「マミさん…」

さやか「よし!まずはマミさんを探さなきゃ!」ダッ

まどか「あっ、さやかちゃん」

さやか「まどか!早く…」

ドンッ

さやか「うわわっ!?」

?「きゃっ?」

まどか「さやかちゃん!」

さやか「あたたた…ご、ごめんなさい…」

?「い、いえ…あら?」

さやか「あっ…やちよさん!?」

やちよ「美樹さんに鹿目さん…あ、大丈夫?」

さやか「は、はい、ごめんなさい…」

さやか(本当のやちよさん…そうだ、やちよさんにもほむらのことバレるのヤバいよね…)

やちよ「?何か様子が変ね、何かあった?」

さやか「えっ?あ、ええと…」

まどか「…マミさんを探しに来たんです」

やちよ「巴さんを?そういえば最近一緒にいないわね」

まどか「……」

さやか「そ、それは…」

やちよ「……?」

やちよ(明らかにいつもと様子が違うわ、巴さんと何かあったのかしら…?)

やちよ(巴さんなら昨日もフェリシアやさなと遊んでたと思うけど…)

やちよ「ん?暁美さんと佐倉さんはいないの?」

まどか「実は…」
さやか「わー!二人はちょっと別の用事があって!!」

まどか「え?」

やちよ「……」

やちよ(美樹さん…何か隠しているわね)

やちよ(……まぁ、私も人のこと言えないし、あえてツッコミはしないわ)

やちよ(それより…)

やちよ「巴さんと何かあったの?」

まどか「……わたし達…マミさんに嫌われちゃったみたいで…」

やちよ「え?」

さやか「…だから…謝らなきゃ…」

やちよ「巴さんが?二人を嫌いに…?」

やちよ(そんな素振り全く見せていなかったけど…)

やちよ「少なくとも私にはそうは見えなかったけど、何かされたの?」

まどか「電話もメールもSNSも全部無視されてて…」

さやか「連絡手段がなくなったんです…」

やちよ「つまり連絡先がわからなくなってしまったのね」

やちよ「それ以外は何かあるの?」

まどか「その…前からなんとなく避けられてるような気はしてて…」

さやか「気まずそうにしてたんです…」

やちよ「!」

やちよ「………」

やちよ(たぶん…この子達は勘違いしてるわね)

やちよ(だったら…)

映画館

ほむら「映画館ね…」

いろは「たぶん二人で映画って定番らしいからね」

ほむら「七海さんと来たことはあるの?」

いろは「ううん、まだないの…」

いろは「映画なら鶴乃ちゃんとフェリシアちゃんとなら来たことあるんだけどね」

ほむら「何の映画だったの?」

いろは「デカゴンボールだよ」

ほむら「……デートで見るものではないでしょうね」

いろは「あはは…もしフェリシアちゃんが彼女なら大喜びだろうけどね」

いろは「ほむらちゃんは、まどかちゃんと見に来たことある?」

ほむら「一応3回くらいあるわ」

いろは「来てるんだね!何を見たの?」

ほむら「たまマギよ」


いろは「たままぎ?」

ほむら「あら知らない?魔法少女たまき☆マギカ」

いろは「えー?私と同じだ!?知らなかったよ…」

ほむら「そうなのね」

いろは「私…最近の話題に疎くて…」

ほむら「他のみんなも知らないのかしら?」

いろは「鶴乃ちゃんとフェリシアちゃんは少年漫画が好きだし」

いろは「さなちゃんは動物とかの可愛い系が好きだし」

いろは「やちよさんもたぶんアニメとかは見ないだろうから…」

いろは「私の回りって以外と魔法少女のアニメ見る人いないのかも…」

ほむら「…まぁ、私達とのギャップで…」

いろは「そ、そうだよね…現実は辛いもんね…」

いろは「たままぎはどうなの?」

ほむら「たまマギもかなりシリアスよ」

ほむら「主人公のたまきは悲しみの連鎖を絶ちきるために神様になるの」

いろは「か、神様!?なんかすごいね…」

ほむら「ええ…そして友達のマギカ一人を除いて、みんなの記憶からたまきが消えてしまうの」

いろは「そ、そんな!?」

ほむら「マギカを見てると…何故か私を見ているようで…」

いろは「わ、わかるかも…ういだって…」

ほむら「ういちゃん…そうよね、ういちゃんやまどかはたまきと似ていると思うわ」

いろは「なんだかすごいストーリーみたいだね…」

ほむら「なら…見てみる?」

いろは「えっ?」

ほむら「ちょうど新作が来週公開だから旧作をまた公開してるのよ」

いろは「そうなんだ?なら見てみようかな…」

ほむら「主人公の見た目も、まどかといろはを足して割ったような…」

ほむら「……むしろ、今のいろはがまさにそんな感じかも?」

いろは「えっ?こ、コスプレみたいに思われないかな?」

ほむら「ま、まぁ…大丈夫よ。えっと…これよ」

いろは「あ…たしかに似てるかも…ん?」

いろは「あれ?この子ほむらちゃんとやちよさんに似てない?」

ほむら「マギカね、でも日本人じゃないし私達とは違うわ」

いろは「そ、そうかな…」

ほむら「とにかく見てみましょうか」

いろは「そうだね、どの道映画見るつもりだったし」

ほむら「元々は何を見るつもりだったの?」

いろは「『ミキの名は』って失恋映画だよ」

ほむら「あぁ…さやかが一時期ふてくされてたアレね…」

いろは「そ、そうなの?さやかちゃんの前で話題に出さないようにしなきゃ…」

ほむら「いいわよ別に、今は杏子とラブラブなんだし」

いろは「あはは、それもそうだね」



杏子(なんか複雑だ…)

杏子(にしても参ったな、映画見られるとあたし暇だぞ)

杏子(あたしは映画見る気ないしその辺で時間潰しとくか)

杏子(なんならマミになんか奢ってもらおうかな、あいつ暇そうだったし)