その頃

フェリシア「んじゃ、オレ逹は向こうを探すから何かあったら連絡するなー!」

あいみ「ごめんね、ありがと!」

さな「そ、それでは」

あいみ「うん、またね!」

あいみ(あれからまさらを探し回ってたんだけど)

あいみ(フェリシアちゃんとさなちゃんがまさらのスマホ探してるとこに出くわしたんだよね)

あいみ(事情を聴いて、とりあえずスマホは私が預かったままになったんだ)

あいみ(それにいろんな魔法少女がこころを探してくれてるみたいだし)

あいみ(私も頑張って見つけなきゃな!ってとこ)

あいみ「さてと、そいじゃ改めて探すとしますか!」

あいみ(…とは言え…うーん、キュゥべえって言ってもなぁ)

あいみ(どこにいるんだろ?神浜以外にはいるんだろうけど)

あいみ(こころが行きそうなところでしょ?)

あいみ(こころが行きそうなキュゥべえがいる場所…)

あいみ(ダメだ、全然わかんない…)

あいみ「うー…もう暗くなってきたし…こころどこにいるの…」

あいみ「とりあえずそこの公園でも覗いてみる?」

あいみ「相変わらずこころ電話にでないし…」

あいみ「せめて、まさらとは合流しておきたいんだけどなぁ」

あいみ「誰かまさら見かけてないかなー」

あいみ「こんな公園にいるわけないよなぁ…」

あいみ「……まさら…」

あいみ(やっぱり胸騒ぎが止まんない…まさら…こころ…二人に何かあったんじゃ…)

あいみ(まさらはめちゃくちゃ強いし、こころだってやわじゃないよ)

あいみ(大丈夫だと思う…思うけど…)

あいみ(嫌な予感がする…どうして…)

あいみ「…ん?」

あいみ(あれ、この声って…)



ももこ「そう凹むなって、調整屋らしくないぞー?」

みたま「ええ…そうよね…わかってるわ」

ももこ「……ほんとか?自分のせいって思ってないか?」

みたま「……私が最初にこころちゃんを保護しておくべきだったのよ」

みたま「こころちゃんが魔法少女の真実に気付いたってわかってたのに…」

みたま「それを伝えるのが怖くて…だから誤魔化そうとしたわ…」

みたま「こころちゃんはそれを察してキュゥべえをまた探しに行ったのよ…」

ももこ「みたま…」

みたま「…私…やっぱりダメね…肝心な時はいつもこう…」

みたま「本当に自分が嫌になるわ…」

ももこ「……アタシだって、レナとかえでに伝えるまでかなり時間がかかったよ」

ももこ「何度も何度も悩んだ…知らないならそれに越したことはないって…」

ももこ「……怖かったんだ、二人に真実を伝えることが…」

みたま「ももこ…」

ももこ「教えるべきなのか、黙っておくべきなのか…本当にどうすればいいのかわからなかった…」

ももこ「それはきっと、やちよさんが一番わかってるはずだよ」

みたま「…そうよね…やちよさんが一番辛かったはずよ…」

ももこ「…アタシや鶴乃が仲間になる前に、大切な仲間のかなえさんが…」

ももこ「そしたら今度は目の前でメルが…」

ももこ「…あれから、やちよさんは誰からも距離を置くようになったし」

ももこ「みふゆさんも限界が来てた…」

ももこ「鶴乃も何かを察してたんだよ、だからあんなに無理して元気だしてたんだからさ…」

ももこ「鶴乃は年下のアタシ逹に弱いところも見せられなかったんだと思う…」

みたま「…ええ…そうね」

ももこ「アタシは…レナとかえでを守るんだ!って…その気持ちがあったから耐えられた」

ももこ「それに、やちよさんに反発することでアタシが正しいんだって自分に言い聞かせてたんだと思う」

ももこ「……でもさ、アタシだって結局は逃げてただけなんだよな」

みたま「…そんなことないわよ」

ももこ「そんなことあるよ…幸せそうなレナやかえでを側で見てさ」

ももこ「いつかこの幸せが壊れるかもしれない…ってずっと思ってた」

ももこ「決心できたのも、やちよさんのおかげだし…ね」

ももこ「…鶴乃逹が洗脳されたのも、アタシのせいでもあるんだよ」

みたま「違うわよ、ももこのせいじゃないわ…」

ももこ「いいや、真実を知っておきながら逃げたアタシややちよさんのせいだよ」

ももこ「いろはちゃんがいなかったら、どうなってたか考えるだけで怖いしさ…」

みたま「でもそのいろはちゃんを最初に助けたのはももこよ」

ももこ「まぁそうだけど…とにかく、アタシややちよさんだって側にいながらずっと言えなかったんだ」

ももこ「……最悪の場合レナとかえでを倒す覚悟も必要だったしな」

ももこ「あんな人気のないとこにアタシに連れてこられた時のレナとかえでの顔をさ…」

ももこ「今でもはっきり覚えてるんだ…そしてその後のことも…」

ももこ「レナもかえでも立ち直ってくれたけど、あれは二人が強かったから…」

ももこ「それに、同じ境遇の相手が…レナにはかえで、かえでにはレナ…そしてアタシ」

ももこ「三人が揃ってたから言えたし、乗り越えられたんだと思う」

ももこ「…でもさ、みたまは違ったろ」

みたま「……」

ももこ「こころも、あいみも…そしてまさらもバラバラになってて…」

ももこ「こころは自分で薄々気付いたっぽいけど、あいみは思いもしてないはずだよ…」

ももこ「魔法少女のなれの果てが魔女になるってことをさ…」

ガサッ!!

みたま「きゃっ?」

ももこ「っ!?」

あいみ「……」ボーゼン

ももこ「あ、あいみ!?いつから!?」

みたま「き…聞いてたの…?」

あいみ(魔法少女のなれの果てが魔女…魔法少女のなれの果てが魔女…)

あいみ(今まで倒してきた魔女は魔法少女だったの…)

あいみ(私もまさらもこころも魔女になるの…?)

あいみ(うそうそうそうそ)

あいみ(うそだ…うそにきまってる…)

あいみ(うそだよね……)