魔法少女A「さてと、お喋りはこの辺にしといて手続き進めちゃおっか」

魔法少女B「その前に喫茶店寄ってってもいいよ」

こころ「どうする?」

まさら「早く手続きを済ませた方が楽な気がするわ」

こころ「それもそうだね」

魔法少女A「んじゃ免許更新センターまで案内するね」

魔法少女B「ついてきて」

免許更新センター

まさら「よくありそうな建物ね」

こころ「ねー、ほんと死んだって実感なくなりそう」

魔法少女A「一応現実世界の時代のと同じレベルだからね」

魔法少女B「時そのものは進まないけどねー、あるものは全部現実世界のとほとんど一緒と思ってもいいよ」

こころ「なんだか不思議だね」

まさら「……」

こころ「まさら?」

まさら「……この世界の作り主がいるとしたら、やはり私たちと同世代の魔法少女なのかもしれないわね」

まさら「おそらく作り主の想像の限界がこれなのよ」

こころ「そうなのかな?」

魔法少女A「それじゃ、後は手続き進めるだけだよ」

魔法少女A「でもその前に…一つだけ大事な話があるの」

こころ「大事な話?なんですか?」

魔法少女A「この免許証はゆうれい免許証…」

こころ「ゆ、ゆうれい!?」

魔法少女A「これを持つことで正式に君たちの魂はゆうれいとして認められる…」

魔法少女A「ここで永遠に生きていける…永遠にね、ずっとずっと…」

こころ「っ…」

魔法少女B「もちろん作らなきゃ魂はいつか消滅しちゃう、無になるの」

まさら「無…」

魔法少女A「実際、まだ免許証を作らない子がいるんだけど」

魔法少女A「もうその子も長くはないと思うから…」

魔法少女B「だから作るって選択肢が一番だと思うし、私たちもそうしてきた」

魔法少女B「けどそれは、もう二度と絶対に生き返ることはできないことを意味するの」

こころ「……」

まさら「待って、生き返る方法があると言いたいの?」

魔法少女B「ないわけじゃないよ」

こころ「えっ?」

まさら「!」

魔法少女B「実際に免許証を作る前に生き返った子はいる」

魔法少女A「逆に免許証を作ってしまったから、生き返るチャンスを逃した子もいる…ってわけ」

まさら「方法は?」

魔法少女A「……契約だよ、誰かが生き返ることを願って魔法少女になれば生き返ることはできる」

まさら「……」

こころ「そ、そっか…」

魔法少女B「だからもし、君たちが生き返ることを願う魔法少女候補がいるなら」

魔法少女B「今はまだ助かるよ」

魔法少女A「でも手続きを済ませたらキュゥべえの力も及ばなくなる」

魔法少女A「どう?時間はあまりないけど待ってみる?」

まさら「……」

こころ「まさら…」

まさら「……こころはともかく、私にはそんな願いを望む友人なんていないわ」

まさら「私は必要最低限のコミュニケーションしかとらないから」

こころ「……私も…いないよ、最近は魔法少女以外の子と遊んだりもしてこなかったし…」

こころ「それに、私のために魔法少女になってもらいたくないよ…だって魔法少女は……」

まさら「……ええ、そうね…私もよ」

魔法少女A「悔いはない?」

まさら「もちろん悔いはある」

まさら「私もこころも家族や友人に何も言い残すことができなかった」

こころ「……」

まさら「それに…私たちを助けてくれた魔法少女にもかなり迷惑をかけてしまった」

まさら「せめてここはなんとかしたい…でも…」

こころ「無理…なんですよね…?」

魔法少女A「……残念だけど」

魔法少女B「ここにいる魔法少女はほとんどみんな同じ気持ちだよ…」

魔法少女B「でもみんなここにいる…後はわかるよね?」

魔法少女B「私たちだって…」

魔法少女A「……」

こころ「……わかりました」

まさら「……死んでしまった以上、これ以上の我儘は…できないわ」

こころ「それに…まさらがいてくれるなら」

まさら「こころ…」

こころ「ここにいたら、ずっとまさらと一緒にいられるんですよね?」

魔法少女A「うん…それは間違いないよ」

こころ「だったら……」

まさら「……ええ」

魔法少女A「…いいんだね」

魔法少女B「なら最後に懺悔だね…心の中で謝るの…」

魔法少女B「これで怨霊にはならないから…」

こころ「…わかりました」

こころ(みんな…本当にごめんなさい…)

こころ(お父さん…お互い気まずかったよね…ちゃんとお父さんのことわかってあげられなかった…)

こころ(お母さん…無理矢理帰ってこさせちゃって…苦しかったよね…)

こころ(私…二人に辛い思いをさせただけだった…悪い子でごめんなさい…)

こころ(あいみ…あいみのトラウマになるようなこと言っちゃって…本当にごめんなさい…)

こころ(さやかちゃんやひみかちゃん逹も助けに来てくれたんだよね…本当にごめんなさい…)

こころ(もう私たちは大丈夫だから、無事に帰って…お願い…)

まさら(私は…親不孝な娘だった)

まさら(せっかく生んでくれたのに…ごめんなさい)

まさら(私は変わった娘だから、たくさん心配をかけさせてしまった…)

まさら(いつ死んでもいいと思っていたのに…いざそうなると…申し訳ない気持ちでいっぱい…)

まさら(けどお金には困らないはず…私のことは忘れて幸せに暮らしてほしい…)

まさら(あいみ…それに私たちを助けてくれたみんな…)

まさら(結局私はこころを守ることができなかった…)

まさら(それどころか巻き込んでしまって…)

まさら(できることがあるなら全力で力になりたい)

まさら(なんだってする)

まさら(けど…それすらできないみたい…)

まさら(だからせめて…私たちのことは忘れて、無事に帰ってほしい)

まさら(足ばかりひっぱってしまった…)

まさら(本当にごめんなさい…)

こころ「……」

まさら「……」

魔法少女A「…もう大丈夫みたいだね」

魔法少女B「それじゃあ、今から君たちを正式にゆうれいにする為の手続きを始めるね」

こころ「はい…」

まさら「ええ…」



??「…また魔法少女が死んでしまったのね」

??「……ここは天国じゃない」

??「お父さんもお母さんもいなかった…」

??「また私…ひとりぼっち…」

??「…けど…私は諦めたくない」

??「私はやらなきゃいけないことがあるの…」

??「私が止めなきゃいけないの…」

??「だから免許証を作るわけにはいかないわ…」