海の家

葉月「事情は話しといたから、遠慮せず休んじゃっていいからね~」

こころ「はい、ありがとうございます」
まさら「すみません…」

葉月「いーのいーの、はい、こっちだよー」

こころ「もう少しの辛抱だよ、まさら」
まさら「うん…」

葉月「小さい部屋だけど一応エアコンも付いてるし休むにはうってつけだよー」

こころ「わっ、涼しい」
まさら「ええ…」

葉月「ここに横になるといいよ」

こころ「まさら」

まさら「っ…ふぅ…」

こころ「どう?大丈夫?」

まさら「このまま…あんせいにしておけば…」

葉月「そこまで温度下げてないけど、寒くない?大丈夫?」

まさら「はい…だいじょうぶです…」

葉月「ん、ならオッケーだねー。水とスポドリも置いといたから飲んでね!」

こころ「何から何まですみません…」

葉月「そんなに何回も謝んなくていいよー、同じ神浜の魔法少女なんだし助け合わなきゃねー」

葉月「あ、そうそう…このはなんか言ってた?」

こころ「なんか?」

葉月「んーとねぇ、もしこのはが手作りの差し入れ持ってきたら、口にしない方がいいかも」

こころ「へ?なんでですか?」

葉月「みたまさん知ってるよね?」

こころ「はい、もちろん」

葉月「みたまさんの料理と互角に渡り合えるのがこのはなんだよねぇ…」

こころ「あっ…あー!思い出しました!あやめ!」

こころ「そうだよ!まさらのことで頭がいっぱいいっぱいで気づかなかったけど、あやめ!…じゃなくて、あやめちゃんだ!」

葉月「ん?あやめのこと知ってるの?」

こころ「一緒に山に行ったんです、食あたりの二人を助けたいって」

葉月「食あたりならよく…ん?あっ!あー!あの青い…そっか!」

葉月「あの時はあやめを助けてくれてありがとう!あやめすっごく喜んでたよ!」

こころ「いえ、私は何も…あやめちゃんとひみかが頑張ったから」

葉月「ふふ、そっか!とにかくありがとね!」

葉月「なら今日のことはあの時あやめを、そしてアタシとこのはも助けてくれたお礼だよ」

葉月「だからこれ以上謝んなくていいからね!」

こころ「は、はい!」

葉月「あ、そうそう。アタシは遊佐葉月、改めてよろしくねぇ」

こころ「粟根こころです!」

まさら「かがみ…まさら…」

葉月「粟根さんに加賀見さん、よろしくねぇ」

こころ「よろしくお願いします!」

まさら「よろしく…おねがいします…」

葉月「うんうん!それじゃあアタシはバイトに戻るからねー」

こころ「えと、がんばってください!」

葉月「ふふ、ありがと。じゃあねー」

こころ「まさら、何か飲む?」

まさら「…なら…みずを…すこし…」

こころ「水だね、はい」

まさら「ありがとう…」

こころ「ううん…それにまさらが溺れちゃったの私のせいだし…」

まさら「っ!ちが…けほっけほっ!」

こころ「まさらっ?」

まさら「はー…はー…」

こころ「大丈夫…?」サスサス

まさら「ええ…ごめんなさい…」

こころ「無理しないでね?あ、水着のままだと寒いよね?何か羽織るものを…」

こころ『あいみ、私のカーディガンある?』

あいみ『あるよ、入っていい?』

こころ『うん』

あいみ「おじゃましまーす」

こころ「いたの?」

あいみ「うん、ちゃんと準備しといたよ!」

こころ「ありがとう、はいまさら」

まさら「ありがとう…」

あいみ「こころも着替えたら?もう今日は泳がないでしょ?」

こころ「うん、でもまさらが良くなってから一緒に着替えるよ」

あいみ「ん、そっか」

まさら「せっかくうみにきたのに…わたしのみすよ…」

こころ「そんなことないよ…私なんてそばにいたのに何もできなかったから…」

あいみ「でもまさらが目を覚ましたのは、こころのアレのおかげだからね!」

こころ「アレ?」

まさら「…?」

あいみ「ふふっ」(指を唇に当てる)

こころ「っ///」

まさら「…?」

こころ「だ、たって!まさら息してなかったから!///」

あいみ「わかってるってぇ」

まさら「…わたし…いきしてなかったのね…」

こころ「あ…う、うん…」

あいみ「静海さんに感謝しなきゃね」

こころ「あっ、私まだちゃんとお礼してないよ…」

あいみ「私がさっき二人の分も言っといたよ」

あいみ「それになんか釣りにいったみたいだしさ」

こころ「そ、そっか…でも静海さんがいてくれて本当によかった…」

あいみ「だね、私も焦って何したらいいかわからなかったし…」

まさら「………」

こころ「まさら」

まさら「こころ…」

こころ「まさらが目を覚ましてくれて、本当によかった…」

まさら「……」

こころ「私…まさらに何かあったらって…すごく怖くなって…」

こころ「だから…本当によかった…」

まさら「……あなたのこえがきこえたわ」

こころ「私の…?」

まさら「いしきがとおのいて…ふかくふかくしずんでいた…」

まさら「もうおわった…そうおもったとき…あなたのこえがきこえて…」

まさら「それでめがさめた…」

こころ「……」

まさら「…しずみさんにはもちろんかんしゃしてる…けど…」

まさら「あなたがいなければ…わたしは…」

まさら「だから…ありがとう…こころ…」

こころ「まさら…うんっ…!」

あいみ「ふふっ」

あいみ(まさらはまだかなり弱ってるみたいだけど、こころがいれば大丈夫だね)

あいみ(さてと、二人の邪魔にならないように私は退散しますか)

あいみ(遊佐さんの手伝いしとこっと)