レナ「こころさんが『良い』って認めない限り…私は認めないから」

かえで「…じゃあ…その時はどうするの?」

レナ「こころさんが死んじゃったら…魔女になっちゃったら…」

レナ「その時は…私が…!!」

かえで「それが町中で急に起こっても?誰も知らないところで一人でなっても?」

レナ「っ…く…う…!!でもっ!でもっ!でもっ!!」

レナ「“レナ”は嫌なのっ!!もう誰にも死んでほしくないのっ!!」

ももこ「!!」

かえで「!!」

レナ「レナは…れ…っ…私はっ!!」

かえで「うん…わかるよ、レナ“ちゃん”」

レナ「…!!」

かえで「でも…もう…」

―――私なら…大丈夫―――

全員「!!?」

れん「い、今のって…」

さな「…懐かしい…」

あやめ「こころ先生…!?」

ももこ「こころっ!?」

こころ「……」フラフラ
あいみ「…みんな」

ももこ「な…!?あ、歩けるのか!?」

梨花「それに今のって…テレパシー…?」

――――み…んな…ありが…とう――――

――――私…全部知ってるよ…――――

ももこ「!?」

レナ「なっ…!?」

こころ「けほっ!けほっ!…ぅ…」グラッ
あいみ「こころっ!」ガシッ

こころ「はぁ…はぁ…」
あいみ「こころ…後は私に任せて…」

こころ「…ぅ…ぅん…だ…ょ…ぶ…」
あいみ「でもっ…」

ももこ「こ…こころ…」

こころ「っ……!」

――――私が…どうなるのか…みんなわかってるよ…――――

かえで「……」

――――もう私は…ここまで…みたい…だから…――――

フェリシア「くっ…!」

――――だから…最後の…力を…ふりしぼ…って…―――

――――みんなに…お礼が…いい…た…いの…――――

さな「うぅ…」

――――みんな…今まで…たくさん…たくさん…迷惑かけて…――――

――――本当に…本当に…ごめんなさい…――――

ももこ「誰も迷惑だなんてこれっぽっちも思ってないよ……」

――――そして…こんな私なんかの為に…本当に…ありがとう…――――

梨花「当然のことだよっ…」

れん「うん…」

こころ「けほけほ!…けほっ!!」
あいみ「こころっ!」

こころ「は…ー……は…ぁ…ー…」
あいみ「っ……」

――――私は…今日…みんなとお別れしなきゃいけない…――――

レナ「く!!」

――――でもね…私…幸せだよ…――――

かこ「こころさん…」

――――まさらと…喧嘩して…それが最後になって…――――

あやめ「うぅー…」

――――あの時は…本当に死にたいって…思って…――――

かえで「……」

――――なのに…死ねなくて…――――

――――体も動かなくて…話すこともできなくて…テレパシーもできなくて…――――

――――あの時の私は…もう死んでるのと何も…変わらなかった…――――

ももこ「………」

――――もうあの時からずっと…私はこのまま…世界を呪いながら死ぬんだって…――――

――――そう思ってた…早く死にたかった…――――

梨花「ぐすっ…ひっく…」

――――だけど…みんなが毎日毎日…会いに来てくれて…――――

――――…それが嬉しくて…悲しくて…――――

れん「……」

――――もうこれ以上…みんなに迷惑をかけたくない…――――

――――だから…私は願ったの…――――

――――まさらと一番の想い出のあの場所で…――――

――――あの日の一番を越えて…――――

――――天国のまさらに会いたいって…――――

ももこ「なっ!?」

レナ「えっ!?」

かえで「こころさんが…願ったの…!?」

あいみ「………」

――――きっと…私の最後の願いが…お父さんとお母さん…そして…あいみに通じたんだと思うの――――

ももこ「あいみ…じゃあ…最初から…?」

あいみ「私も…さっき聞いたばかりだよ…」

ももこ「え…でも…」

あいみ「…わからない…わからないけど…私…こころがそう思ってるって…確証は持てなかったけど…」

あいみ「何故か…こころがそう望んでるのかも…って…だから…私…」

あいみ「………」

こころ「はぁ……はぁ……」
あいみ「こころ…」

――――でもね、私…一人でひっそりと死ぬつもりだった…――――

レナ「…!」

――――最後の力を…振り絞って…あそこに行くんだ…って…――――

――――でも…私の体は…もう動かなくて…声もでなくて…――――

――――ただ黙って外を…眺めるしか……――――

梨花「じゃ…じゃあいつも外を見てたのって…っ」

れん「この山を…?」

ももこ「っ……」

ももこ(じゃあ…こころは…もうずっと前からここで死ぬつもりだった…って言うのか…)

ももこ(それをアタシ達が無理矢理生かせて……)

レナ「なによ…それ……」

かえで「……」

――――だから…みんな…今日は本当に…ありがとう…――――

――――最後にみんなと出会えて…私…本当に幸せだよ…――――

フェリシア「……」プルプル

さな「すん…すん…」

かこ「こんなの…悲しすぎます…」

あやめ「こころ先生…あちし…やだよぉ…」

梨花「うぅぅぅ…」

れん「………」

ももこ「……こころ…」

こころ「はぁ…はぁ…はぁ…」
あいみ「こころっ…」

みたま「……もうこれ以上は…無理よ」

ももこ「みたま…!」

こころ「ぅ…ぁ…はぁ…はぁ…」
あいみ「……」

みたま「……これが私にできる最後の…仕事よ…」

ももこ「…こころが立っていられるのも…テレパシーが使えたのも…そっか…みたまが…」

みたま「……今まで呪いの進行を防ぐために費やしていた魔力を…足とテレパシーに充てたの…」

みたま「…声もろくに出せないこころちゃんが…力を振り絞った最後の願い…だから…」

レナ「何よ…最後最後って…みんな…」

かえで「………」

ももこ「で…でも…それじゃあ登る前に…こころは…」

みたま「…あいみちゃんの力も借りているの」

ももこ「!」

みたま「こころちゃんとあいみちゃん…二人のソウルジェムを調整して…」

ももこ「そんなことができるのか…?」

みたま「…いえ…最後の賭け…よ…私がこの2年で理論だけは完成させていた…調整方法…」

レナ「!ならっ!私達全員のソウルジェムをあわせたら!!」

みたま「…無理よ、残念だけど…」

レナ「どうしてっ!!」

みたま「これをできるのは…こころちゃんと心が通いあった魔法少女だけ…」

みたま「そしてその魔法少女は…あいみちゃん…そして…」

みたま「まさらちゃんしかいないわ…」

レナ「っ…」