ほむら「もう…時間がっ…」
カチッ
アルテマかりん「―――はっ!?」
アルテマかりん(この違和感…時間停止…!)
カッ
アルテマかりん「くっ…」
アリナ「……フールガール」
アルテマかりん「…アリナ・グレイ」
マミ「間に合ったわ…!」
いろは「あとは…おねが……」ガクッ
みたま「いろはちゃんっ…」
みたま(お願い…届いて…!)
アリナ「…」ジッ
アルテマかりん「ち…」
アルテマかりん(魔力が増している…だが僅かな残りをまとめたにすぎん)
アルテマかりん(それに今さら何をしてむ…)
アルテマかりん「っ!?ぁ…!…あぁ…!」
アリナ「!」
アルテマかりん「あ…りな…せんぱ…」
アリナ「フールガールっ!」
十七夜「画伯…!」
十七夜(やはりアリナが動けば画伯も…!)
十七夜(画伯がアリナを求めている!)
十七夜「今だ!想いの全てをぶつけるんだ!!」
アリナ「っ…」
十七夜「恥ずかしがっている場合じゃないぞ!」
アリナ「~~~!!」
十七夜(何をモジモジしているだ!早くしなければ…)
アルテマかりん「あぁあぁぁあぁぁっ!!邪魔だぁぁっ!!」
アリナ「はっ」
アルテマかりん「あ…りな…せんぱ…い…」
アリナ「フールガールっ!アリナは…アリナは…」
アルテマかりん「ぐぁあぁぁぁああぁ!!」
アリナ「フールガールっ!!」
アルテマかりん「……はぁっ!はぁっ!」
アリナ「あっ…」
アルテマかりん(く…完全に支配できたわけではないのか…)
アルテマかりん(アリナ・グレイが何かをするたび御園かりんの自我が邪魔してくる…)
アルテマかりん(最初に御園かりんのアリナ・グレイに対する感情に取り込んだせいか…)
アルテマかりん(やっかいだ…アリナ・グレイを始末することは容易いはずなのに…)
アルテマかりん(攻撃しようとすると御園かりんが全力で阻止してくる…)
アルテマかりん(どうすれば…)
アルテマかりん「…!!」
十七夜「アリナっ!」
アリナ「シャラップ!わかってるカラ!」
アルテマかりん「く…!」
アリナ「…フールガール!聞き逃したら一生恨むカラ!」
アリナ「一回しか言わないからちゃんと聞いてヨネっ!!」
アルテマかりん「ぐあぁ…」
アルテマかりん(みるみる御園かりんの力が増してくる…不味い…)
アルテマかりん(アリナに取りついていた時はここまで…)
アルテマかりん「…!!」
アルテマかりん(そうか…)
アリナ「フールガールっ!!アリナはっ!」
アルテマかりん「攻撃できないのなら…」
アリナ「アナタのことが」
アリナ「す」
アルテマかりん「盗めばいい」
アリナ「!!??」ドクン
アリナ「ヴァ!?ぁ…ぅ…ヴァァァアアアッッッ!!!」
十七夜「アリナ!?」
アルテマかりん「……ふっ」
十七夜「…?」
十七夜(な…なんだ…?)
アリナ「………」ダラン
アルテマかりん「……あは…あははははっ…」
十七夜「!?」
みたま「!?」
アリナ「………」ボー
マミ「な…何が…」
ほむら「……あれは…」
ほむら(かつて…まどかにソウルジェムを捨てられたさやかと同じ…?)
ほむら(いや…仮にソウルジェムを奪われても圏内のはず…)
ほむら(なら何が…)
アリナ「………」ボー
十七夜「あ、アリナっ!どうした!?しっかりするんだ!」
十七夜(く…心が読めん…心を読む魔力すら…)
アルテマかりん「無駄だ、どんな言葉もアリナには届かない」
十七夜「なに…!?」
みたま(魂が空っぽみたいに…でも…何が…)
アルテマかりん「攻撃、危害を加えようとすると御園かりんの邪魔が入る」
アルテマかりん「ならば…危害を加えなければいい」
十七夜「貴様っ!何をしたっ!」
アルテマかりん「アリナ・グレイの『心』を奪った」
アリナ「……」ボー
十七夜「!?」
みたま「心!?」
マミ「こ、心って…」
ほむら「……心を奪う…?そんなことできるはずが…」
アルテマかりん「もちろん普通はできない、だが…」
アリナ「……」ボー
アルテマかりん「アリナ・グレイは一度乗っ取った魔法少女…」
アルテマかりん「いくら剥がされたとは言え、アリナ・グレイの中には微量ながら我の残骸が残っている…」
アルテマかりん「それを媒体に御園かりんの能力を応用し、心を奪った」
十七夜「……そんなバカな」
アルテマかりん「一か八かだったが…結果はこの通りだ」
アリナ「……」ボー
アルテマかりん「さらに…」スッ
十七夜「くっ…」
アルテマかりん「ソウルジェムも奪った…御園かりんの能力を使うまでもない」
アルテマかりん「アリナ・グレイはもはやただのもぬけの殻」
アリナ「……」
アルテマかりん「『魂』も『心』も奪った…」
アルテマかりん「しかも貴様らの寄せ集めの魔力をも、だ」
十七夜「………」
みたま「うそよ…」
マミ「……終わった…」
ほむら「まどか…」
アルテマかりん「我が母体の御園かりん最大の弱点アリナ・グレイも手中に納めた!」
アルテマかりん「これでだれも我をとめることなどできない!」
アルテマかりん「あははははっ!!!」