アルテマかりん「あはは…あはははっ」
アリナ「…」

アルテマかりん「あんなに口煩いアリナ・グレイも最早ただの人形…」
アリナ「…」

十七夜「あ…アリナ…」

アルテマかりん「これで誰も邪魔はできまい…」

アルテマかりん「これからじっくりとこの場の魔法少女一人ひとりの全エネルギーを吸収させてもらう」

アルテマかりん「とは言えもう限りなく0に近いだろうが…」

アルテマかりん「ドッペルがある以上、ソウルジェムは濁りきらない」

アルテマかりん「極僅かとは言え、魔力は残っているのだろう」

アルテマかりん「だから何度も限界を越えていた」

アルテマかりん「だがドッペルを放つほどの魔力も貯まらなかった」

アルテマかりん「その前に吸収したからな」

みたま「……」

みたま(一番最初にありったけの力でドッペルを使うべきだった…)

みたま(もう…後の祭りよ…)

アルテマかりん「ドッペルも出せず魔女にもなれないソウルジェムの限界の限界まで頂く」

みたま「っ……」

アルテマかりん「邪魔したければするといい」

マミ「…」

ほむら「…」

アルテマかりん「…ふふ、流石に諦めたようだな」

マミ(終わった…)

ほむら(せめて…まどかだけでも…)

アルテマかりん「巴マミ…貴様が神浜聖女のウワサに見事取り込まれたことが」

アルテマかりん「我が作られた最初のきっかけなのだ」

マミ「…!」

アルテマかりん「感謝するぞ、せめてもの情けだ、貴様は最後に吸収する」

アルテマかりん「そこで仲間たちが朽ち果てる姿を眺めているといい」

マミ「……」

マミ(……終わった)

アルテマかりん「ははは、その絶望に染まった表情…良いぞ」


アルテマかりん「情けと言えば、我が肉体である御園かりんにもだな…」 

アルテマかりん「最初に吸収するのはアリナ・グレイにする」
アリナ「…」

アルテマかりん「魂も心も既にないが、体に魔力は僅かながら残っているだろうからな」

アルテマかりん「これをいただく」
アリナ「…」

十七夜「…すまない…みんな…」

十七夜(もう…どうにもならん…)

十七夜(万策尽きた…)

アルテマかりん「我がここまで成長できたのも、最初の宿主のアリナ・グレイのおかげだからな」

アルテマかりん「…いただきます」スッ
アリナ「…」

ドクンドクンドクン

アルテマかりん「はははは…!」
アリナ「」

アルテマかりん「力がみなぎる…想像以上だ…まだこんなに魔力が残っていたのか?」

アルテマかりん「いや違う…御園かりんとの相性が良いのか…」

アルテマかりん「なるほど…憧れのアリナ先輩とひとつになれて御園かりんも喜んでいるぞ!」

アリナ「」

アルテマかりん「ははははは!!!」

アルテマかりん「パワー!パワー!」ゴゴゴゴ

アルテマかりん「……っ!!??」

アルテマかりん「な、なんだ!?ぐああぁ…!」

アルテマかりん「何かが…何かが…!!」

アルテマかりん「かわる…生まれ変わる…」

アルテマかりん「ヴァァァアアアッッッ!!!!!!」

カッ

ほむら「な…」

ほむら(まだ…進化するの…?)

シュゥゥゥ

ラグナロクのウワサ「………」

十七夜「……!?」

十七夜(変わっ…た…?)

ラグナロクのウワサ「……ようやくわかりました」

ラグナロクのウワサ「私の正体、そして使命を」

みたま「……??」

みたま(み…見た目は…さっき一瞬まどかちゃんが見せた姿のようになった…?)

みたま(…神々しいかりんちゃん…でも…髪色は…緑と金色…?)

みたま(…あの二人が融合したような…?)

ラグナロクのウワサ「私は先程まで、自分の作られた真意を掴めずにいました」

ラグナロクのウワサ「ただ強くなること、それがインキュベーターへの対抗となる」

ラグナロクのウワサ「ただただなんとなく、そう思っていました」

ラグナロクのウワサ「ですが、それは間違っていました」

ラグナロクのウワサ「私の使命は…人類の解放」

ラグナロクのウワサ「魔法少女の解放の先…全人類の解放です」

ラグナロクのウワサ「インキュベーターの脅威、宇宙の寿命…」

ラグナロクのウワサ「いつの日か必ず直面する人類の課題」

ラグナロクのウワサ「それを救うために、私は作られたのでしょう」

十七夜「……」

十七夜(正気か…?何を言っているのかまるでわからん…)

十七夜(だが…画伯は…もう……)

十七夜(アリナも……)

ラグナロクのウワサ「かりんさんの体に、アリナさんの魂と心をひとつにしたことで、私はウワサとして完成したのです」

ラグナロクのウワサ「ねむさんと灯花さんがこれを計算して私を作ったのかはわかりません」

ラグナロクのウワサ「ですが、結果として私はこうして生まれることができたのです」

ラグナロクのウワサ「十七夜さん、みたまさん、マミさん、ほむらさん、それに聞こえてはいないと思いますが」

ラグナロクのウワサ「力を失ってしまった魔法少女のみなさん」

ラグナロクのウワサ「数々の無礼を失礼いたしました」

十七夜「……」

十七夜(こいつは…狂っている…)

十七夜(ただならぬ狂気を感じる…)

十七夜(先程までの方がまだマシだ…)

十七夜(画伯がこんな姿に成り果ててしまうなんて…)

十七夜(画伯……)