ブクブクブク…

落ちる…

落ちてく…フォール…

止まらない…

ディープ…ディープ…

何も…考えられない…

ここは…?

どこ…?

わたしは…?

だれ…?

なにも…わからない…

なにも…わからない…

――ナ――

なに…?

――リナ――

り…な…?

――アリナ――

ありな…

――アリナ――

ありな…って…なんだっけ…

――アリナ――

ありな…ありな…アリナ…

――アリナ――

アリナ…そっか…アリナって…アリナのことだ…

――アリナ――

わたしは…アリナ…

――アリナ――

アリナ・グレイ

アリナ「…はっ」

アリナ「…………」

アリナ「ここは…?アリナ…何をして…?」

アリナ(なにここ…パープルばっかり…)

アリナ「っ…」フラッ

アリナ(パワーがでない…わけわかんないんだケド…)

アリナ「魔力がエンプティ…」

アリナ「なにこれ…アリナ…ドレインされてる…?」

アリナ(アリナのメモリー…ダメだ…思い出せない…)

アリナ(アリナ…なんでこんなところに…?)

アリナ「ここ…魔女の結界…だヨネ?」

アリナ「明らかにリアルじゃないし…」

アリナ「ならアリナ…魔女にやられた…?アリナが…?」

アリナ「…ありえないんだケド」

アリナ「……でも……」

アリナ(魔力も記憶もない…認めたくないケド…)

アリナ「アリナ…ルーザー…?」

アリナ「…どんな魔女に…」

アリナ(パープルとオレンジ…それにブラック…)

アリナ(そんな景色…)

アリナ「ん?」

アリナ(このオレンジの…)

アリナ「パンプキン…」

アリナ「…っ!?」

アリナ(これは…これって…そんな…)

アリナ「ハロ…ウィン…?」

アリナ(…………)

アリナ(ストップ…ストップ…ストップストップストップ)

アリナ(考えるな…考えちゃダメ…ダメ…ストップ…!)

アリナ「フー…ル…ガール……」

アリナ「………嘘だ…」

アリナ(あ…あぁ……)

アリナ(フールガールが…魔女になった……)

アリナ(嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ)

アリナ「っ…ヴァァァアアアッッッ!!」

アリナ「かりんっ……!!」

アリナ「ヴァァァアアアッッッ!!」

――落ち着け――

アリナ「っ!?」

――心配無用だ、画伯は魔女にはなっていない――

アリナ「……和泉…十七夜っ…!」

十七夜「うむ」

アリナ「……!」

十七夜「そう睨むな、それにドッペルがある以上我々は魔女にはならない」

アリナ「っ!」

十七夜「それはマギウスである君がよく知っているだろう?」

アリナ「…そう…ドッペルがあれば…」

十七夜「やはりまだ記憶の整理がついていないようだな…」

アリナ「く…」

十七夜「仕方ないさ、今の君は力の大多数を失っているのだからな」

アリナ「…どういうわけ…」

十七夜「まずここは…画伯の心の中だ」

アリナ「えっ?」

十七夜「画伯はウワサに取り込まれてしまった」

アリナ「…!!!」

アリナ(そうだ…そうだった…)

十七夜「さらにアリナ、君はウワサに魔力も…心も魂も、全てを奪われてしまった」

アリナ「………!」

十七夜「まぁ…おそらく魔力と魂は同じだろうがな」

十七夜「今の君は言わば、アリナ・グレイの心だ」

アリナ「アリナの…心…?」

十七夜「魔力そのものはほぼ全てをウワサが吸収してしまった」

十七夜「君だけじゃない…神浜の魔法少女の過半数は吸収されてしまった…」

アリナ「っ…」

十七夜「吸収は逃れたが神浜の魔法少女は全員がウワサに破れ去った…」

アリナ「…!」

十七夜「七海達も、マギウスも例外でない…」

アリナ「………」

十七夜「はっきり言うが…このままではまず間違いなく神浜は滅びる」

十七夜「神浜だけですめばまだマシだろうが…日本、そして世界中も滅ぼされかねん…」

十七夜「画伯の体を使って、だ」

アリナ「く…!!」

十七夜「…ウワサから画伯を取り戻す以外に勝機はない」

十七夜「そしてそれを成し遂げねばならんのは他の誰でもない」

十七夜「アリナ、君しかいない」

アリナ「…!」

アリナ(そうだ…アリナは…その為にアイツと…)

アリナ(そして…敗けた…)

アリナ「っ…」

十七夜「少しは思い出せたか?」

アリナ「…サイテーな気分だけどネ」

十七夜「だろうな…驚くほどあっさり敗けてしまったからな」

アリナ「チ…」

十七夜「でもそれが功を奏した」

十七夜「こうして画伯の心の中に辿り着けたのだからな」

アリナ「…わけわかんないんだケド」

十七夜「ウワサは倒した魔法少女の魔力を根こそぎ奪っている」

十七夜「そのせいで七海や梓…環君達…おガキ様たちもだ」

十七夜「みんな魔力を奪われ、魔力を失ったもぬけの殻にされてしまった…」

アリナ「死んだ…」

十七夜「……うむ…死んでしまったと言えるだろう…」

十七夜「今ごろ八雲や月咲君らがみんなの遺体を保護しているはず…」

十七夜「仮に見つかれば大惨事だろうな…」

十七夜「それに自分も、アリナも…肉体の活動は停止しているだろう」

アリナ「っ……」

アリナ「……なら…アリナの体…アートになるよネ…」

十七夜「…ふ、やはり流石のアリナも死ぬとわかればそんな顔をするのだな」

アリナ「っ…ハァ?願ったり叶ったりなんですケド!?」

アリナ「それにアナタだって同じダロ!」

十七夜「ああ、と言っても自分は自らこちらに来たのだがな」

アリナ「ハァ?」

十七夜「…はっきり言う。悔しいが正面から戦っても勝ち目は万に一つもない」

十七夜「やつを食い止めるにはたった一つ、画伯の意識を取り戻すしかない」

アリナ「……」