このは「…ねぇ、葉月」

葉月「ん?」

このは「…本当に…私でいいの?」

葉月「…」

このは「葉月は贔屓一切無しで見ても、私がこれまで出会った中で一番美人だし、すごく可愛い」

葉月「…このはに言われると…恥ずかしい…///」

このは「性格だって私と違って、何の問題もないわ」

このは「何より優しい…私はこれまで何度あなたの優しさに救われたか…」

葉月「このは…」

このは「それに頭だって良い、私なんかと違って、誰とでもやっていけるはず」

このは「つまり…あなたはその気になればどんな人とも付き合えるはずよ」

このは「正直、私なんか…葉月の相手に相応しくないわ」

このは「だから…」

葉月「このは」

窓の隙間

あやめ「!!!!」

あやめ(あわわわわわ!!!葉月がこのはに!葉月がこのはに!!)

あやめ(ち、ちゅーしてる!わああああああ!!!)


葉月「ん…どう?これでも疑う?」

このは「き、急になんて卑怯よ…///」

葉月「アタシはこのはが何と言おうと、世界で一番このはを愛してるよ」

葉月「あやめも世界一だけど、あやめは家族として、妹として、娘として愛してる」

葉月「でも、このはは違う」

このは「葉月…」

葉月「…アタシはもうずっと前から…ずっとずっとこのはのことが好きだったからね」

葉月「いつもアタシの側にはこのはがいてくれた、このはがいるだけで安心できた」

葉月「つつじの家を出る時も、このはがいてくれたら大丈夫だって思えた」

葉月「魔法少女もそう、このはがいてくれれば…」

葉月「今こうして、三人で平和に暮らせているのも、このはのおかげだもん」

葉月「だからアタシは、このはとあやめさえいてくれれば、それだけで幸せだった」

このは「…」

葉月「でも…自分の本当の気持ちに気付いて……苦しかった」

このは「葉月…」

葉月「アタシはこのはが好き…でもアタシはそれまで、家族愛、姉妹愛だって思ってた」

葉月「このはも、あやめも、大好き…でも違う大好きだった」

葉月「……このはを愛してしまったんだよね」

葉月「…アタシとこのはは…血の繋がった家族じゃない、戸籍上はただの他人だよ」

このは「…」

葉月「…でもさ、アタシは…アタシ達は本物の家族にだって負けない家族になれた」

葉月「アタシにとって、このはは…お姉ちゃんみたいな存在なんだって、思いたかった…」

葉月「同い年だけどさ…アタシはいつもこのはの背中を追いかけてきたからね…」

葉月「なのに…気付いたら、このはを好きになってた…もしかしたら、最初からだったのかもしれない…」

葉月「アタシにとってのこのはは、一番身近だけど、一番遠い…そんな相手なんだって…」

葉月「……アタシはこのはを…家族を愛しちゃいけないって…そう思った」

葉月「だからずっと隠し続けてきた…」

このは「…」

葉月「もしこのはに知られて…拒絶されたら…そう考えたら怖くて仕方なかった」

葉月「誰にも言えないで…ずっと悩み続けてきたんだよ…」

このは「…」

葉月「…でもそんな時…ななかが、アタシの背中を押してくれた」

葉月「ななかはアタシの悩みに気付いてた…勇気づけてくれた」

葉月「だからアタシは…あの日このはに告白できた」

葉月「恋人になれた」

このは「…ふふ、そうね」

このは「葉月がいつも悩んでいることは気づいていた」

このは「おそらく原因が私であることも…」

このは「それでも相談に乗ろうとしたわ、でも誤魔化されるばかりで…」

葉月「ごめん」

このは「ううん、当然よ…相談できるはずがないもの」

このは「…葉月のことを、そういう風に見たことはなかった」

このは「私にとって、葉月とあやめはかけがえのない家族」

このは「命に代えても守るべき存在だとしか考えていなかった」

葉月「うん…」

このは「生き残ることに必死すぎたのもあるけれど…」

このは「いつかは、葉月とあやめを送り出すんだと…それが私の使命だと思ってたわ」

このは「自分の恋愛だなんて一度たりとも考えたことがなかったのよ…」

このは「…でもね、葉月を送り出す日のことを想像すると…すごく辛かった」

葉月「!」

このは「あやめの場合ももちろん辛いわ…でも何か葉月は違った」

このは「私にとって葉月は幼少期からいつも隣にいてくれたパートナー…」

このは「あなたが私を姉のように慕ってくれていたことは解っていたけど」

このは「私はあなたを対等の立場で見ていたかったのよ…」

葉月「…」

このは「同い年だけど…私の方が先につつじの家にいたから…」

このは「私が葉月を守らなきゃ、と思ったのを今でも覚えてる」

このは「けれど、私は何度も何度も葉月に助けられた」

このは「私は葉月がいてくれたから、ここまでこれたのよ」

このは「あなたがいなければ、あやめを守ることすらできずにいたわ…絶対に」

このは「もし我儘が許されるのなら、ずっと隣にいてほしい…そう思い続けていたの」

葉月「このは…」