このは「私のこの気持ちが恋なのかどうかはわからなかった、でもね葉月…」

葉月「このはっ…」

このは「これからも、あなたとずっと一緒にいたい」

このは「その想いだけは今も昔も変わらなかった、そしてこれからも…」

このは「…この想い、私の気持ち…これは特別なものよ」

このは「これが恋心かどうかはまだわからない…でもこれだけは言える」

このは「私にとって、葉月とあやめは特別な存在よ」

このは「葉月もあやめも好き…大好き、そして…葉月への好きと、あやめへの好きもまた違う」

このは「あやめは妹、娘のような好き…家族愛よ」

このは「だけど葉月は…たぶん、違う…」

葉月「……」

このは「これはきっと…これから正解を出せると思う」

このは「葉月の望んだ答えじゃないかもしれない…けど今は…」

葉月「ううん…大丈夫」

このは「ありがとう…卑怯よね、はっきりさせないだなんて」

葉月「アタシだってそうだったもん、わかるよ…」

このは「葉月…」

このは「……やっぱり、素直にならなきゃ駄目ね」

葉月「ん…?」

このは「葉月…これからも私と一緒にいてください」

このは「ずっとずっと一緒に…最後までずっと…!」

葉月「…!!」

このは「………あっ」

このは「ってこれじゃあプロポーズみたいじゃない!?ち、違う!間違えたわ!」

葉月「このは」

このは「流石に重すぎたわ!?ち、違うの!」

葉月「よろしくお願いします」

このは「ずっと一緒ってそういう……えっ?」

葉月「うん、ずっとこのはと一緒にいる」

このは「えっ?ちょっ…まって!意味わかってるの?」

葉月「わからないもんか!アタシが最初にこのはが好きって言ったんだし!」

葉月「今はもう恋人のつもりなんだからね?」

このは「そ、それはわかってるけど…でも私が言ったのは」

葉月「これからもずっと…だよね?」

このは「ええ…」

葉月「このはが何を言いたいのかはわかってる、それでもアタシはこのはの側にいたい」

このは「葉月……葉月、聞いて」

葉月「…」

このは「…今はまだ上手くいってる…でもこの先5年、10年もすれば…」

葉月「普通じゃない、って言いたいんだよね?」

このは「…そうよ、普通じゃない…世間の目だってあるわ」

葉月「…自分で言うのもアレだけどさ、アタシ達は…普通とは違う生き方をしてきた」

葉月「親を失って…施設で育った、そして何より魔法少女になった」

このは「…」

葉月「魔法少女は…死と隣り合わせだよ」

葉月「体だって、もう普通には戻れない…ソウルジェムがアタシ達の本体なんだ」

葉月「…更紗帆奈のこと…マギウスの翼のこと…他にも色々あった」

葉月「……必死に生きてきたけど…いつ死んでもおかしくなかった」

このは「っ…」

葉月「特に…更紗帆奈事件は……」

葉月「あれだけ頭を使ったつもりなのに…アタシ…このはも…あやめも…アタシ自身も…」

葉月「何もかも信じられなくなりそうだった…」

葉月「あの時…このはがいなかったらアタシ……」

葉月「きっともうここに…いなかったと思う…」

このは「葉月…」

葉月「今でも震えそうになる…あれだけたくさんいたのに…アタシは何もできなかった…」

葉月「目の前でみんなが…やちよさんですら何もできない状況で…」

葉月「アタシは何も…できなかった…ななかがいなかったら…もっと酷くなってたかもしれない…」

このは「…何もできなかったのは私もよ」

葉月「ううん、このははアタシやあやめを守ってくれた…」

葉月「ソウルジェムの秘密だって一人で抱え込んでくれて…」

このは「あれは…」

葉月「…アタシは無力だって想い知らされたよ…最初から最後までおもちゃにされてただけだった…」

葉月「……マギウスの翼の時だって…ワルプルギスの時だって…」

葉月「アタシは……」ガクッ

このは「葉月っ!」

葉月「……」プルプル

このは(トラウマ…なのね…無理もないわ…)

このは(私達は死と隣り合わせ…それを嫌と言うほど痛感させられたのだから…)

葉月「…どんなに頑張っても…アタシひとりじゃ何もできないことはたくさんあるんだって…」

葉月「更紗帆奈の暗示に無力だった…」

葉月「あのままじゃアタシはきっと自分を見失ってたと思う…」

葉月「それだけじゃない…みかづき荘のみんなや、見滝原のベテラン魔法少女はマギウスに洗脳されたりした…」

葉月「それどころか洗脳したマギウスすら…人格を変えられてた…」

葉月「どんなに強くても…頭が良くても…」

葉月「簡単に自分を乗っ取られる…それが魔法少女なんだって…」

このは「……更紗帆奈はもういないし、マギウスも解散したわ」

葉月「わかってる…でも、これから何かあるかなんてわからない…わからないんだよっ!」

葉月「また狙われて!何もできないまま操られて!このはやあやめを傷つけるかもしれないっ!」

このは「葉月っ」

葉月「あんなに必死にやってきたのに何もできなかった!されるがままだった!」

葉月「だからこれからもっっ!!」

葉月「アタシはっ…アタシは……」

葉月「う…ぅぅぅ…」

このは「葉月…」

葉月「うわあぁぁぁぁぁっ」

このは(葉月は誰よりも私達のことを考えて行動してくれる…)

このは(私に内緒で無理に頑張ったりも…)

このは(それも葉月の優しさから…)

このは(でもだからこそ…最悪のケースを何度も想定して…不安に襲われる…)

このは(葉月の心は…いつも不安に押し潰されそうになっているのね…)



あやめ「……」

あやめ(葉月があんなに泣いてるところをまた見るなんて…)