まさら(あれから、しばらく私達に起きた現象について)
まさら(いろいろ分析が行われた)
まさら(…と言うよりも、今も行われている)
まさら(当事者の私達を置いてどんどん盛り上がっているみたい)
まさら(…たしかに私も気になることは多い)
まさら(でも、それ以上にしなきゃいけないことがある)
まさら(それが…)
あいみ「まさら、ミルク作れた?」
まさら「ま、まって、まだ熱いわ」
あいみ「ほんと?もう結構冷めてそうだけど…貸して?」
まさら「ええ」
あいみ「うん?んー、いや、十分冷めてるよ」
まさら「そう?まだちょっと熱いはず…」
こころ「あはは、まさらは体温低いからね」
のぞみ「ぅー」
あいみ「よっし、じゃあミルクを…こころからいく?」
こころ「私は次でいいよ、まさらが最初にあげて?」
まさら「え、私?でも…」
あいみ「まさら緊張してるけど…うん、だからこそまさらの方がいいかもね」
まさら「…わかったわ」
こころ「のぞみちゃん、ミルクだよ~」
のぞみ「ぁー」
まさら「っ…」
まさら(ゆっくり…ゆっくり…)
のぞみ「ちゅぱちゅぱ」
まさら「!」
こころ「わぁ!飲んでる飲んでる!」
あいみ「お腹空いてたんだね~」
まさら「……!」
あいみ「ん?」
まさら(なに…)
まさら(何だろう…この気持ち…)
まさら(わからない…わからないけど…でも…)
まさら(でも……!)
こころ「…」クス
あいみ『まさら、母性本能に目覚めたっぽいね』
こころ『うん…!』
こころ「まさら、次は抱いてあげて?」
まさら「え、ええ…!」
のぞみ「きゃっきゃっ」
まさら「!」
まさら(かわいい…)
こころ(まさら、私の心の声に気付かないくらい、のぞみちゃんに集中してる)
こころ(まさらがお母さんの顔になってきてる…のかな?)
あいみ「こころもそうなってるよ?」
こころ「へ?あれっ?声に出てた?テレパシー?」
あいみ「そんなのなくたって、今の二人の顔見てればわかるよ」
こころ「!」
あいみ「こころも、まさらも、のぞみちゃんを見つめてる時の表情がいつもと違うもん」
あいみ「二人とも、母親の顔だよ」
こころ「!…えへへ、そっか」
あいみ「何て言うかさ…二人って顔が似てきたよね?」
こころ「えっ?私とまさらが?私あんなに美人じゃないし可愛くもないよ?」
あいみ「うん、そのノロケは置いとくとして」
あいみ「二人とも、柔らかい笑顔をするようになったなって」
こころ「えー?そうかな?」
あいみ「こころは昔みたいに無理矢理作った笑顔とかさ、陰のある表情しなくなって」
あいみ「純粋な笑顔が多くなったよ」
こころ「それはまさらのおかげだよ」
あいみ「うん、そしてそのまさらもかなり変わった」
あいみ「いつも無表情で何考えてるのかわからなかったロボットのようなまさらが」
あいみ「こころと出会って、どんどん人と変わらない表情を見せるようになって」
あいみ「そして“恋する女の子”って表情もするようになった」
あいみ「それが今、女の子が母親になった」
あいみ「二人同時にね」
あいみ「なんだか、二人が遠くに行っちゃったようだよ」