やちよ「あの時…いろはと心で通じ合うことができたって…」
やちよ「っ!」
まさら「気づきましたか」
やちよ「いろはを見つける心って…」
まさら「今のいろはさんには声も、テレパシーも、電波も届かない」
まさら「そうなると見つけ出す手段は手探りで探すしかない…」
まさら「でも唯一、いろはさんと連絡が取れるとするなら…」
やちよ「私の…心…」
まさら「私とこころは声やテレパシーを使わなくてもお互いの心の声を聞けるようになりました」
まさら「有効範囲に限りはありますが、こころが近くにいるだけで」
まさら「私もこころも、お互いの心の声がはっきり聞こえるんです」
まさら「隠し事なんてまずできないし、恥ずかしくて口に出せないこともすべて筒抜け…」
まさら「最初は勝手悪く感じました、私は口には出さなくても」
まさら「頭の中では結構話してたみたいで…」
まさら「それらもすべて、こころにバレました」
まさら「でも…それでこころとの仲はより良く」
まさら「いえ…私とこころは一心同体…そう言えるようになったのかもしれません」
まさら「私はこころを、こころは私を」
まさら「ありのままに感じることができるのですから」
やちよ「……あなた達の仲はよく知っているわ」
やちよ「神浜で…いえ、ひょっとしたら世界で初めて魔法少女同士で結ばれ」
やちよ「子も授かったのがあなた達なのも不思議ではないと思う…」
やちよ「でも……」
まさら「自信がないんですか?」
やちよ「っ…」
やちよ「…私はいろはを愛しているわ…」
やちよ「できるのであれば…私はいろはとあなた達のようになりたい…」
やちよ「でも…できない…無理なのよ…」
まさら「どうして?」
やちよ「…あなた達は結ばれる前から絶えず二人で一緒にいた」
やちよ「あなたは違うと言うかもしれないけど」
やちよ「私たちは、いえ…神浜の魔法少女のほぼ全員が」
やちよ「“加賀見まさらと粟根こころはいつも一緒にいる”」
やちよ「そう思っているわ、絶対にね」
まさら「…」
やちよ「だからあなた達が付き合い始めたころも誰も疑問に感じなかったし」
やちよ「むしろまだ付き合ってなかったの?とすら感じたはず」
やちよ「あなた達はそれから、魔法少女でなくとも神浜市民なら知っている人も少なくないくらい」
やちよ「有名なカップルになった」
まさら「…」
やちよ「家族公認、学校公認…そんなベストカップルにね」
やちよ「…ここから先は魔法少女でしか知らないとは言え」
やちよ「あなた達は結婚…厳密には事実婚をし、さらには子も授かった」
やちよ「ひょっとしたらあなた達は人類で初めて同性で…」
やちよ「そのくらい特別な二人なのよ」
まさら「はい、自分でもそう思います」
やちよ「…凄いわよね…本当に…誰もが認める相思相愛なんだから…」
やちよ「なのに…私なんか…」
まさら「…いろはさんに相応しくないと?」
やちよ「……たぶん…いろはも私の事を好きでいてくれているとは思うわ」
やちよ「でも…いろはは私だけじゃない…」
やちよ「みかづき荘の住民では…フェリシア以外の3人が…」
まさら「…二葉さんとういちゃん…」
やちよ「ええ…さなとういちゃん、そして私…」
やちよ「わかっているだけでもこの3人はいろはの事を愛している」
やちよ「ういちゃんに関しては姉妹愛でもあるけど…」
やちよ「いろはに化けたみふゆへの発言で確信したわ」
やちよ「ういちゃんはあの年齢で既に、実の姉を愛する意味を理解してる…」
やちよ「ういちゃんは覚悟ができていたわ…」
まさら「……」