その頃 

うい「うぅ…」 

タルト『目を覚ましてください!いろはさんっ!』 

いろは「フフフ、アハハ」 

うい「お姉ちゃん…」 

タルト『なんて…なんて黒く、そしてなんて深い悲しみなんでしょう…』 

タルト『もしかしたらフランスよりも…』 

いろは「ウイ…イッショニイコウ…」 

うい「ぁ…」 

タルト『!』 

いろは「サァ…オネエチャントイッショ…」 

うい「おねーちゃんと…いっしょ…」 

タルト『しっかりしてください!』 

うい「あっ…!ご、ごめんなさいっ」 

タルト『よかった…ういさんまで取り込まれたら』 

タルト『世界は闇で覆われてしまうかもしれません…』 

タルト(いろはさんの存在そのものが“光”…) 

タルト(少なくとも私達にとっての“光”でした) 

タルト(きっとこちらでは私達のフランス以上に、いろはさんは“光”のはずなんです) 

タルト(けどその“光”は深い闇の中に…) 

タルト(なんとか…なんとかしなきゃ!) 

タルト(けど私にできることは限られています…) 

タルト(今の私はジャンヌの…タルトの魔力の一部…) 

タルト(ういさんのスマホを媒体になんとか力添えをしているだけ…) 

タルト(もしここに私の本体が…) 

タルト(でも本来の私はとっくに…) 

タルト(っ…) 

タルト(あんなにいろはさんやういさんに助けてもらえたのに) 

タルト(何もできないなんて…) 

うい「……」 

うい(わたしが…わたしがしっかりしなきゃ!) 

うい(お姉ちゃんは絶対帰ってきてくれるもん!) 

うい(諦めちゃダメだよ!) 

いろは「ウイ…サァ…」 

うい「お姉ちゃん…!」 

うい(イブ…もう一度だけわたしに力を貸して!) 

カッ 

タルト『!?』 

うい「うぅぅっ!」 

タルト(す、すごい魔力…これがういさんの…?) 

うい「はぁ…はぁ…!」 

うい「タルトさん…もう少しだけ力を貸してください!」 

タルト『!もちろんです!ういさん…』 

タルト(リズ、メリッサ、エリザ…力を貸してください!) 

タルト(今度は力を添えるだけ…!) 

タルト『あなたに光を!』 

カァァァッ 

いろは「!」 

うい「お姉ちゃん!一緒にみかづき荘に、みんなの所に帰ろうね!」 

いろは「ミン…な…」 

いろは「っ…やちよさん…さなさん…フェリシアちゃん…鶴乃ちゃん…」 

タルト『!』 

うい「そうだよ!みんなの所に、わたし達の家に帰ろうね!」 

いろは「ぅ…ゥ…ウアァァァァァッ!!」 

うい「お姉ちゃん!負けないで!」 

うい「今助けてあげるからねっ!!」 

うい「ルーチェ・スペランツァー!!」 

いろは「ストラーダ・フトゥーロ!!」 

ゴォッッ 

ガガガガガガガッ 

ドカァァァァァァァァァァ 



やちよ「!!」 

やちよ(今の…間違いない、ういちゃんといろはの…) 

万年桜のまさら「あぁぁあぁっ…!」 

万年桜のまさら「いろは…?うい…?いるの!?」 

十七夜「やはり…そうか…」 

十七夜「みんな、無事か?」 

みふゆ「な、なんとか…」 

アリナ「こ…このくらい…マージンなんですケド…」 

やちよ「いろは…」 

十七夜「今の激しい魔力反応…このすぐ側からだ…」 

十七夜「ここのどこかに…必ず…」 

万年桜のまさら「いろは…うい…!」 

万年桜のまさら「っっ!!」 

やちよ「!」 

万年桜のまさら「いろは!!うい!!」ダッ 

シュンッ 

やちよ「えっ!?」 

みふゆ「なっ?」 

アリナ「あっ」 

十七夜「っ!」 

みふゆ「消えた…」 

十七夜「…結界はそこにあったのか…」 

アリナ「…サイアク」 

みふゆ「今のまさらさんだけが行ってしまったら…」 

やちよ「……この中に…いろはが…」スッ 

十七夜「!危険だぞ!七海っ!」 

バチッ 

やちよ「っう!?…は、弾かれ…」 

十七夜「理屈はわからんが…結界の場所がわかっても易々とは入れんようだな…」 

みふゆ「っ…で、でも!場所がわかりました!」 

アリナ「後は入るダケ…ケド…」