いろは「うー…寒いね」

レナ「ま、もう12月だしこんなもんでしょ」

ももこ「にしても、もう12月かぁ…時間が経つのってほんと早いよなぁ」

かえで「ふゆぅ…ももこちゃんおばさんみたいだよぉ」

ももこ「え?えぇっ?なにが?」

かえで「別に時間が経つのそんなに早くないと思うもん」

ももこ「え?まじ?そんなことないよな?」

レナ「普通じゃない?こんなもんでしょ」

ももこ「えー…いろはちゃんは?」

いろは「うーん…まだ私が神浜に来て1年も経ってないって思うと」

いろは「なんて言うのかな、すっごく濃くて長い一年…かなぁ」

かえで「そっかぁ、いろはちゃんが来てまで一年経ってないんだね」

レナ「いろはこっちに馴染みすぎてそんな感じしないもんね」

ももこ「たしかにそうだなぁ…」

かえで「だから、やっぱりももこちゃんだけ違うよ」

ももこ「うー…」

レナ「ももこだって色々あったじゃん」

ももこ「いやまぁそりゃそうだけどさ…でもいろはちゃんほどじゃないかな」

いろは「そうですか?」

レナ「それはレナも思う、いろはって何て言うか…」

かえで「ふゆぅ、いろはちゃん主人公感あるよねぇ」

いろは「し、主人公?」

ももこ「あー、わかるわかる!いろはちゃんって絶対主人公だよ!

いろは「主人公って…うーん?わ、私別にそんなんじゃないような…」

いろは「前なんて友達もいなくてずっと一人だったし…」

レナ「それは昔のいろはでしょ?今のいろはが一人のとこ見たことないけど」

ももこ「みかづき荘のみんなやアタシらがいるもんな」

いろは「…うん、そうだね」

かえで「考えてみると、いろはちゃんってみんなの中心にいるよねぇ」

ももこ「神浜で物事が動いたきっかけって、いろはちゃんだもんな」

いろは「あれは…偶然じゃないのかな?」

レナ「偶然かどうかはわかんないけど、レナ達が変わったきっかけはあんたよ、いろは」

ももこ「だな、いろはちゃんがやって来て、やちよさんから守って…」

かえで「あの頃のももこちゃんは反抗期だったもんねぇ」

ももこ「は、反抗期ぃ?いやまぁ…いや!あれは仕方ないじゃん」

ももこ「実際あの頃のやちよさん、くよくよしたり一人で突っ走ったりして」

ももこ「わけわかんなくて嫌だったんだからさ…」

レナ「理由がわかった今はともかく、レナもやちよさん怖かったし」

かえで「そうかなぁ…」

レナ「あんたはそんなにあの頃のやちよさんと絡んでないからよ」

いろは「やっぱり今と全然違ったのかな?」

ももこ「いろはちゃんならよーくわかるだろ?」

ももこ「最初は敵みたいなもんだったんだしさ」

いろは「て、敵ってわけじゃ…でも魔法少女に襲われたのは初めてだったかな…」

ももこ「最初にいろはちゃんを守ったのアタシなのにな」

ももこ「今じゃすっかりやちよさんのパートナーなんだもん」

いろは「あはは、パートナー…なのかな」

レナ「どう考えてもそうでしょ」

かえで「主人公とヒロインだよね」

いろは「私がヒロイン?」

レナ「だからあんたは主人公だってば」

いろは「え?でもやちよさんの方がよっぽど主人公らしいような…

ももこ「ヒロインはやちよさんだろ、まぁヒロインって年齢じゃないかもだけど」

レナ「あっ…」

ももこ「いろはちゃんを見つめてる時のやちよさんなんてヒロインのそれだもんなー」

ももこ「まー歳が離れてるのはアレかもだけど、そこが逆にいいんじゃない?」

ももこ「っても、もうすぐ二十歳なんだし難しいところかな…」

かえで「ももこちゃん…」

ももこ「でもやちよさん年相応だしなぁ、みふゆさんは逆にあんまり年上に見えないんだけど」

ももこ「19歳ってのがすごいしっくりくるよ、やちよさんは」

やちよ「それは光栄ね」

ももこ「うわぁぁぁぁっ!?」

やちよ「なによ…急に魔女が出てきてもそんなに驚かないでしょ」

いろは「やちよさん、どうしたんですか?」

やちよ「いろは、たまにはあなたと一緒に帰ろうと思ったの」

かえで「!」

かえで「レナちゃんレナちゃん」

レナ「わ、わ!ちょっと顔が近いわよ///」

かえで「そうじゃなくてね、ごにょごにょ」

レナ「?え…う、うん?」

ももこ「ご、ごめん…」

やちよ「そうね…ゼブラクロのドーナツで手をうつわ」

ももこ「?なんだそれ?」

かえで「20万円するドーナツだね、でも値段ほど美味しくはないよ?」

ももこ「に、20万!?」

レナ「え、食べたの…」

かえで「うん、でもレナちゃんの方が甘くて美味しかったよ」

レナ「すご…」

いろは「や、やちよさん…流石に高すぎます!」

やちよ「ふふ、冗談よ。今回は見逃してあげるわ」

ももこ「ほっ…」

やちよ「見逃して、ね?」

ももこ「ん?…ん、ああ!そう言うことか!」

レナ「?」

ももこ「んじゃ、アタシはあっちに用があるから!」タッ

レナ「えっ」

かえで「やっぱり!ほら、レナちゃんもこっちだよ」タッ

レナ「わっ、待ちなさいよ!」タッ

いろは「??…行っちゃいましたね?」

やちよ「三人とも、ありがとう」

いろは「えっ?」

やちよ「ふふ、なんでもないわ」

いろは「そうですか…?」

やちよ「ね、いろは。たまには二人で何か美味しいものでも食べにいかない?」

いろは「えっ?二人で…ですか?」

やちよ「ええ、嫌かしら?」

いろは「そんな!嫌なわけないです、でもみんなに悪いような…」

やちよ「たまには良いじゃない」

いろは「うーん…でも高いドーナツとかは…」

やちよ「あれは冗談よ、それに20万のドーナツよりあなたと一緒に食べる100円のドーナツの方がよっぽど嬉しいわ」

いろは「えぇっ?そ、そんな///」

やちよ「ふふ、ね?だから行きましょう?」

いろは「わ、わかりました」