みかづき荘前

いろは「……」

フェリシア「いろは」

いろは「う、うん…」

フェリシア「心配すんなよ、オレがいるじゃん」

いろは「…うん、そうだね」

いろは(フェリシアちゃん…やっぱり気のせいじゃない)

いろは(雰囲気変わった…よね?)

いろは(でも、今は…)

いろは(わかってる…わかってるのに…)

いろは(どうしてもドアを開ける勇気が沸いて来ないよ…)

いろは(みんなが待ってるのに…)

フェリシア「…なぁ、いろは」

いろは「フェリシアちゃん…私っ…」

フェリシア「そんなに怖いなら、オレが消してやろうか?」

いろは「っ!?そ、それは…」

フェリシア「いろはだけじゃねーよ」

フェリシア「やちよも、鶴乃も、さなも、ういも」

フェリシア「みんなのあの日からの記憶を消してやる」

フェリシア「そうすりゃあの頃に戻れるだろ」

いろは「…ごめん、フェリシアちゃん…それはダメだよ」

フェリシア「!」

いろは「たしかにあの頃に戻れるのかもしれない…」

いろは「でも、それだとこれからも逃げちゃうことになるから…」

いろは「私は…向き合わなきゃいけないから…」

フェリシア「ああ、オレもそう思う」

いろは「えっ?」

フェリシア「オレだって色々考えた…オレ…何もしてねーから」

フェリシア「何もできなかったから」

いろは「…そんなこと…」

フェリシア「そんなことある!」

いろは「!」

フェリシア「鶴乃、さな、うい、やちよ…みんなはやったのに、オレは…」

いろは「フェリシアちゃん…?」

フェリシア「いろは」

いろは「な、なに?」

フェリシア「…オレ、いろはが好きだ」

いろは「…え?…えっ!?」

フェリシア「オレだってみんなとおなじなんだよ、いろはが好きだ」

いろは「ふ、ふぇ…フェリシアちゃんが…!?」

フェリシア「うん」

いろは「ぇ…そ、その…意味わかってる?」

フェリシア「オレだってそのくらいわかってる」

いろは「で、でも…今までそんな素振り…」

フェリシア「しかたねーだろ…わかった時にはもういろはが出ていってた後なんだから」

いろは「え…」

フェリシア「オレだってわけわかんねーよ、でもかこもあやめも言ってた」

フェリシア「オレはいろはが好きなんだって」

いろは「……」

フェリシア「…やちよはかあちゃん、鶴乃がねえちゃん」

フェリシア「ういが妹、さなも年上だけど妹」

フェリシア「でも、いろははどれでもねーんだ」

いろは「…私もお姉ちゃんじゃいけないの…?」

フェリシア「いろはは何かちげーんだよ、とおちゃんでもないし」

いろは「そうなの…?」

フェリシア「…オレ、みんながいろはのこと好きだって前からわかってたんだよ」

いろは「!」

フェリシア「やちよとさなの様子が変だし、ういもそれに気づいてた」

フェリシア「だから、みかづき荘は変になってった」

いろは「…」

フェリシア「鶴乃に話にいってたけど、鶴乃もいろはの事好きだったんだもんな…」

フェリシア「だからオレ達は全員いろはが好きなんだよ」

いろは「そ、そんな…」

いろは(みんなが私を…?)

いろは(どうして…私…宝崎の頃は友達もできなかったのに…)

いろは(なんでみかづき荘では…)

いろは(…私…無意識に魔法使ってるの…?)

いろは(だってフェリシアちゃんまでなんて…)

いろは(そんなのおかしいよ…)

いろは(今のフェリシアちゃんの雰囲気が違うのも)

いろは(なにか魔法が…?)

いろは(誰かが魔法でそうしてるの…?)

いろは(だからみんなが私なんかのことを…)