いろは「っ…!」

いろは(やっぱりそうだよ…こんなの絶対おかしいもん!)

いろは(誰かが魔法で私達を…!)

いろは「ごめん、フェリシアちゃん」

フェリシア「ん?」

いろは「やっぱり私…帰れない」

フェリシア「なっ」

いろは「私達、誰かに利用されてる!」

フェリシア「はぁ!?」

いろは「誰かが魔法で私達をおかしくしてるの!」

フェリシア「急に何言い出すんだよ!んなわけねーだろ!」

いろは「だっておかしいよ!みんなが私のこと好きになるだなんて…!」

フェリシア「!」

いろは「きっと誰かが魔法で…!」

フェリシア「いろはっっ!!」

いろは「うっ?」

フェリシア「変なこと言うなよ…魔法とか関係ねーよ…」

いろは「だ、だって…」

フェリシア「じゃあいろはは…オレのこの気持ちがニセモノだって言うのかよ…!」

いろは「っ…それは…」

フェリシア「オレだってわかんねーよ…何でオレまでいろはが好きなのか自分でもわかんねーよ!」

いろは「ならやっぱり…」

フェリシア「けど魔法なんかじゃねー!絶対ホンモノなんだ!」

いろは「…!」

フェリシア「オレ…オレ…いろはがいなくなって…」

フェリシア「鶴乃もこなくなって…ういも出ていって…」

フェリシア「残ったやちよとさなもおかしくて…」

フェリシア「オレ…みかづき荘に戻れなかった…」

いろは「……」

フェリシア「だから暴れたかった…けどできなかったんだ…」

フェリシア「暴れる力もわいてこねー…」

フェリシア「オレ…寂しくて…寂しくて…」

いろは「フェリシアちゃん…」

フェリシア「オレは…前から思ってたんだ…」

フェリシア「やちよとさな…それにういも」

フェリシア「たぶん、いろはのこと“好き”なんだろーなって…」

いろは「…」

フェリシア「オレは“好き”とかわかんねーし、関係ねーと思ってた」

フェリシア「オレはそうじゃねーって…ずっと思ってた…」

フェリシア「けど…オレ…」

フェリシア「いろはが神浜から出ていったって聞いて…」

フェリシア「めちゃくちゃ辛かったんだよ…」

いろは「…私…」

フェリシア「もういろはに会えねーって思ったら…」

フェリシア「すげー泣きたくなってきて…」

フェリシア「なにやってもいろはのことしか出てこなくなっちまったんだ…」

フェリシア「かこにも…あやめにも…ずっと話聞いてもらって…」

フェリシア「オレはいろはが“好き”なんだって…二人に言われた…」

いろは「……」

フェリシア「けどオレ、いろはとデートとかしたいわけじゃねーんだよ」

フェリシア「いろはの味がしねーご飯食いてぇ…」

フェリシア「やちよに怒られた時かばってもらいてぇ…」

フェリシア「鶴乃がいない時は宿題手伝ってもらいてぇ…」

フェリシア「さなとういと一緒にいろはに甘えてぇ…」

いろは「フェリシアちゃん…」

フェリシア「だからオレ…いろはが…いろはがいたあの頃が好きなんだよ…」

フェリシア「みんなの“好き”とオレの“好き”は違うんだよ…」

フェリシア「でもそれも立派な“好き”なんだって…このは逹やななか逹にも言われた…!」

フェリシア「だからオレはいろはが“好き”なんだ!!」

いろは「…!!」

フェリシア「いろはじゃなきゃダメなんだよ!!」

フェリシア「この気持ちがニセモノなわけねーじゃねーか!!」

ガシッ

いろは「!!」

フェリシア「もうぜってー離さねー!!」

フェリシア「今度こそオレがやらなきゃいけねーんだよ!!」

フェリシア「オレだけじゃねー!」

フェリシア「やちよも!鶴乃も!さなも!ういも!」

フェリシア「みんないろはが好きなんだよ!!」

フェリシア「だから帰ってきてくれよ!!」

フェリシア「もうどこにも行くなよっ!!」

いろは「………」

フェリシア「いろはっっ!!!」