いろは「きもちいいですね」

やちよ「ええ、こうして空を飛ぶだなんて初めてだから知らなかったわ」

いろは「普通は知らないですもんね」

やちよ「魔法少女でも浮いたりする子はいたけど」

やちよ「流石にこうやって飛んだりはなかったわ」

いろは「これ、今だけ…ですよね、たぶん」

やちよ「そうね、なんとなくだけどそう思うわ」

いろは「じゃあもっと高く飛んじゃいましょう!」

やちよ「ふふ、わかったわ」

やちよ「でもあんまり高すぎると酸素が薄くなるし、寒さも…」

やちよ「…そう言えば寒さも感じないわね」

いろは「これならやちよさんいつもの服でも大丈夫ですねぇ」

やちよ「いつもの?」

いろは「いつもの」

やちよ「…ふふ、あの服は思い入れがあるのよ」

いろは「はい、知ってます」

やちよ「あら?話したことあったかしら?」

いろは「ううん、でも今ならやちよさんのこと、何でもわかるんです」

やちよ「そうだったわね、なら今私が何を考えてるかわかる?」

いろは「綺麗!」

やちよ「ふふっ、正解よ。でも不正解ね」

いろは「えっ?」

やちよ「いろは、見て」

いろは「…すごく綺麗ですよね、神浜の夜景」

いろは「私達二人にしか見られない…とても綺麗な夜景です」

やちよ「ええ、そうよ…でもね?いろは」

いろは「はい?」

やちよ「…月並みの言葉だけどね、私には」

やちよ「どんなに綺麗な夜景よりも、いろは」

やちよ「あなたの方がずっと綺麗に見えるわ」

いろは「っ!///」

いろは「や、やちよさん///急に恥ずかしいこと言わないでください///」

やちよ「あら?私のことは何でもわかるのでしょ?」

いろは「う~、ずっとヘタレてたのに…」

やちよ「うっ…いろはにそれを言われると流石にこたえるわね」

いろは「だってやちよさん、いっつも逃げてましたもん!」

やちよ「…ごめんなさい」

いろは「もう逃がしませんからね!ここには私とやちよさんしかいませんから!」

やちよ「大丈夫、もう私は逃げないし逃がさないわ」

いろは「じゃあ、ずっと一緒にいてくださいね?」

やちよ「いいの?言葉通りに受けとるわよ?」

いろは「はい!」

やちよ「ふふ、その返事は4年後にするわ」

いろは「えっ!?」

やちよ「私も国の決めたことには逆らえないもの」

いろは「あーっ!またそうやって逃げる!」

やちよ「逃げてませんー」

いろは「逃げてるじゃないですか!逃がしませんからね!」

やちよ「ちゃんと側で見ててね?」

いろは「もちろんです!」

いろは「…でもなんで4年なんですか?私も今年で16ですよ?」

やちよ「愛は育むものよ」

いろは「え、答えになってませんよ!」

やちよ「ふふっ」

いろは「やっぱり逃げてるじゃないですかー!」

やちよ「逃げてませんー」

いろは「もー!」