そして夜になり…

いろはの部屋

いろは「……なんだか、本当に久しぶりだね」

いろは「もうずっとここにいなかったように感じる…」

いろは「実際は1ヶ月も経ってないのにね」

いろは「……」

コンコン

いろは「!いいよ」

うい「お姉ちゃん」

いろは「うい」

うい「えへへ…何かあるわけじゃないけど、来ちゃった」

いろは「うん、いいよ」

うい「…なんだか久しぶりだね」

いろは「ふふ、お姉ちゃんもそう思ってたところ」

うい「わたしもずっと灯花ちゃんにお世話になってたからね」

いろは「明日は灯花ちゃんにお礼しに行かなきゃね」

うい「うん!」

いろは「灯花ちゃんだけじゃないよ、ねむちゃん、桜子ちゃん、みふゆさん…」

いろは「みたまさん、十七夜さん、ももこさんにかえでちゃん、そしてレナちゃん」

いろは「他にもたくさん…私、いっぱい迷惑かけちゃった」

うい「…たくさんお友だちがいてくれて本当に良かったよね」

いろは「うん、本当にね…」

いろは「……」

うい「お姉ちゃん?」

いろは「うい…あのね?お姉ちゃん…実は…」

うい「……」

いろは「…まだうい達が入院してる頃…宝崎にいた頃ね?」

いろは「いつもお姉ちゃん、ういの病室に来てたよね」

うい「うん」

いろは「…もちろん、ういに会いに来るのが一番の理由だよ?」

いろは「灯花ちゃんもねむちゃんもいるんだし」

いろは「でもね…でも……」

うい「……」

いろは「お姉ちゃん…他に行くところがなくって…」

いろは「友だちがいなくて…」

うい「…」

いろは「…私にとっても、灯花ちゃんとねむちゃんが唯一の友だち…だったんだ」

うい「…」

いろは「ういにはたくさん嘘ついちゃったよね…」

いろは「学校でも私…一人だけ浮いてて…」

いろは「あの頃は学校に行くの…本当は楽しみじゃなかったの…」

いろは「なのに、うい達には毎日楽しいって言っちゃって…だから…」

うい「大丈夫だよ、お姉ちゃん」

いろは「えっ?」

うい「…ほんとはわかってたの」

いろは「!?」

うい「だってわたしはお姉ちゃんの妹だよ?」

うい「大好きなお姉ちゃんがつく嘘くらいわかっちゃうよ」

いろは「そ…そうなの!?」

うい「灯花ちゃんとねむちゃんは頭が良いから解ってたかもしれないけど

いろは「うっ」

うい「わたしはお姉ちゃんの妹だから、わかってたの」

いろは「…そ、そうだったんだ…」

いろは「うん…お姉ちゃんは友だちもいなくて…うい達しかいなくて…」」

うい「ううん、違うよ」

いろは「?」

うい「お姉ちゃんは友だちがいないって思い込んでただけだと思うなぁ」

いろは「え?で、でも…」

うい「お姉ちゃんってガンコだと思うの」

いろは「わ、私が?」

うい「うん、ガンコだよ。ガンコですごく優しくて…優しすぎるの」

いろは「そ、そうかなぁ」

うい「だから昨日までああなってたんだと思うの」

いろは「…!」

うい「そして嘘が下手なのもね」

いろは「へっ?」

うい「…お姉ちゃんがやちよさんのこと好きなのはみんながわかってたの」

うい「これはもうみんなから言われたよね」

いろは「う、うん…」

うい「なのにわたし達のこと考えて、考えて考えて…ガンコになって」

うい「宝崎に帰って…そして…」

いろは「ぅ…」

うい「…もっとお姉ちゃんはワガママになったほうがいいよ!」

いろは「ワガママ…」

うい「お姉ちゃんがワガママ言っても、みんなは応援してくれるもん!」