こころ母「親の私達が盛り上がるのも悪くないけど、ここは主役二人を立てないと」
こころ父「そりゃそうだな、こころとまさらちゃんをまずは盛大に祝福しよう」
まさら父「二人はどうしてるんだろう?」
まさら母「すごくよろこんでると思うわ」
まさら父「二人でもう盛り上がってるのかもな…!」
こころ父「今日はとことんはしゃいでもらいたいですな…!」
こころ母「ちょっとこっそり様子を見てみましょうか」
まさら母「そうですね」
こころ母「そーっと…」
まさら母「そーっと…」
こころ母「!!」
まさら母「!!」
まさら「ぐす…」
こころ「もう…なんでまさら泣いてるの…」グスッ
まさら「わからない…こころだって泣いてるじゃない…」
こころ「あれ…?ほんとだ?なんでだろ…」
こころ「嬉しいのに…涙が溢れてくるよ…?」
まさら「うん…嬉しいのに…どうして…」
こころ「まさら…」
まさら「こころ…」
こころ「うぅ…うわぁぁぁぁん」
まさら「ぐす…すんすん…」
まさら母「あの子達…」
こころ母「泣いてるのね…」
まさら父「え?なんで??」
こころ父「何か嫌なことがあったのか…!?」
まさら母「……きっと、緊張の糸が途切れたからよ」
こころ母「ええ、たぶんこの瞬間までずっと二人は張り詰めてたんだと思うわ」
まさら父「この瞬間…粟根さんに許可を貰うまで?」
こころ父「こころなら断られないってわかってそうだけどな…?」
まさら母「ほら、私達は割と簡単に許可をしたでしょ?」
まさら父「まぁそうだけど…念押しはしたぞ?」
まさら母「うん、でも私もパパもそれでもたぶんかなり簡単に許可を出したほうだと思うのよ」
まさら母「だから、まさらちゃんもこころちゃんも、もしかしたら『これで本当に良かったのかな?』って心のどこかで思ってたのかも」
まさら父「だから昨日のあともどこかで緊張していた…ってことか」
こころ父「もしかしたら、粟根家で反対されるかもしれない…って思ってたのか…?」
こころ母「それで私達もすぐに許可を出したから、それで今度こそ緊張が解けたのかもしれないわね…」
まさら母「それに私達親全員に許可を貰って、夢が現実になったから…もあると思うわ」
まさら父「なるどな…単純に嬉しいって気持ちだけじゃないのか」
こころ父「はは、確かに我々も結婚の挨拶に行った時はそんな感じでしたもんね」
まさら父「うちは学生の頃からの付き合いだから結構気楽でしたよ?」
まさら母「あら?その割にはガチガチに緊張してたじゃない」
まさら父「え?そ、そうか?」
こころ父「うちなんか…なぁ?」
こころ母「ええ…どちらかと言うと結婚の時より…私が家を出た後の…」
こころ父「お義父さんとお義母さんに改めて挨拶と謝罪に行った時は本当に緊張したなぁ……」
こころ母「私もよ、二人とも本当にぎこちなかったと思う」
こころ母「でも、こころちゃんがいてくれたから」
こころ父「そう!こころがいてくれたから俺達はまたこうして元に戻ることができたんだもんな…!」
まさら父「こころちゃんが繋ぎ直した二人の絆…いいですね!」
こころ父「ええ!だから今度は我々がこころとまさらちゃんに恩返しをする番だ!」
こころ母「でも今はそっとしておいてあげましょう?」
こころ父「ふふ…そうだな」
まさら父「ならもうしばらくここで愛娘の思い出話といきますか!」
こころ母「あっ、せっかくだからアルバム持ってきましょうか!」
こころ父「ああ!それがいい!」
まさら母「ふふっ、実はまさらちゃんのアルバムも持ってきてありますよ!」
まさら父「さすがママ!」
こころ「ぐす…なんか向こうが騒がしいね」
まさら「ふふ…そうね」
こころ「ふふ、泣いてる場合じゃないよね?」
まさら「うん…嬉し泣きなんて生まれて初めてだわ」
こころ「えー?昨日も散々二人で泣いたじゃん」
まさら「う、それは…ふふ、そうね…本当に泣いてばかりね、私達」
こころ「でもこれからはその分、うんと笑いたいね」
まさら「ええ…ずっと二人で笑いあえる未来を作りましょう」
こころ「…ね、まさら」
まさら「ん?」
こころ「今までも私達、ずっとパートナーだったけど…これからはもっと上のパートナーになるんだよね」
まさら「ええ、魔法少女のパートナーじゃなくて…人生のパートナーね」
こころ「人生のパートナーかぁ…えへへ、なんか実感わかないね」
まさら「うん…でも、きっとこういうことだと思う」
こころ「こういうこと?」
まさら「ずっと一緒に、こうして二人でい続けること」
こころ「あっ…ふふ、そうかもね」
まさら「…こころ」
こころ「なあに?」
まさら「これからもよろしくね」
こころ「うんっ!よろしくね!」
まさら「ありがとう…!」
こころ「えへへ」
まさら「ふふっ」