茉莉「二人は何してたの?もしかしてデート?!」

鈴音「マツリ…それは…」

こころ「うんっ!」

まさら「ええ、デートよ。初詣もしてきたわ」

鈴音「え!?!?」

茉莉「わーっ、やっぱり!こころちゃんついにやったんだね!」

こころ「ふふっ」

鈴音「え、うそ…あなた達が…?」

まさら「私達が…なに?」

鈴音「……あなた達、いつから付き合い始めたの?」

まさら「一昨日よ」

茉莉「すごい!」

鈴音「一昨日…元旦に、なるほど…」

こころ「どうかした?」

鈴音「どうかしたも何も…あなた達が恋人ではかったと分かった時、何故か私…ものすごくもどかしい気持ちになったのよ」

まさら「どういうこと?」

鈴音「ほら、最初に私がこころを殺そうとした時、まさらが邪魔したでしょう?」

まさら「ええ、そうね…全力で排除したわ」

こころ「怖かったよねー」

鈴音「怖いのは私のほうよ…間違いなく、他に誰の気配もないところで確実にこころを仕留めようとしたのに

鈴音「突然まさらが目の前に現れて本気で斬りかかってきたんだもの…」

鈴音「逃げる為と言ってはいても、あの目は間違いなく私を殺す気で斬りかかってきたわ」

まさら「こころに危害を加える…ましてや殺そうとしていたんだもの、そうなったら殺してでも止めるのは至極当然のことよ」

鈴音「それはわかるけど…怖かったわ…」

こころ「あの時の2人、すごかったもんね」

茉莉「むー、マツリ殺し合いなんて絶対駄目だと思うけど、本気で戦うスズネちゃんとまさらちゃん見たかったかも」

こころ「絶対カッコいいよね!」

茉莉「うん!」

鈴音「それならあの時見たでしょう?」

茉莉「あの時はマツリ、カガリを止めるので精一杯だったから二人を見てる余裕なんてなかったよ」

まさら「私とスズネの戦いを見ていたのはツバキさんだけだもの」

鈴音「あの時のまさら、殺気は1回目に比べて全くなかったのに腕はかなり上がっていて驚いたわ…」

まさら「私、それなりに腕を上げたつもりだったけど…それでもスズネには届かなくて悔しかったわ…」

鈴音「私だってギリギリよ、それにまさらはツバキを庇いながら戦っていたのだから

鈴音「…まぁ、敵ながら天晴…って言うのかしら」

まさら「そう?ありがとう…でもやっぱりあれはスズネの勝ちよ」

鈴音「どうして?私はツバキを止められなかった…あなた達の勝ちよ」

まさら「たしかにそれはそうよ、そういった意味では、ツバキさんを元の世界に返した私やこころ…それにマツリの勝ち…」

まさら「そう言えるのかもしれない…でも…

まさら「あんなに必死に…涙を堪えながら私やこころを跳ね除けてツバキさんを最後まで諦めなかった…」

まさら「その気持ち…やっぱりあなたの勝ち…よ」

鈴音「……そう、ありがとう」

こころ「私もまさらも全力で止めようとしたのにね」

鈴音「…ほんとにそうかしら」

こころ「え?」

鈴音「こころもまさらも…どこかでツバキがいなくなることに躊躇いが残っていたように感じたわ」

こころ「!」

まさら「!」

鈴音「特にまさらはわかりやすい、あの殺気の塊のような目を全くしていなかったのだし…」

まさら「それはあの時は状況が違うからよ、私だって最初の時と違ってあなたを殺そうだなんて全く思っていなかったのだから」

茉莉「本気のまさらちゃんってそんなに怖いの?」

鈴音「ええ、怖いわ…昔の私と同じ目をしていたのだもの」

鈴音「しかも私とは違って素で…ね」

茉莉「へー!

まさら「別に私、人を殺めたことなんてないのだけど…」

鈴音「そうなの!?」

まさら「そうよ、私を何だと思ってるの?」

鈴音「神浜のアサシン…って、暗殺者系魔法少女の間で有名よ」

まさら「そうなの??」

こころ「暗殺者系魔法少女って…」

茉莉「こわーい」

鈴音「でもあの時の目は…本当に怖かったのだけど…」

まさら「こころに手を出すスズネが100%悪いわ、傷一つでも許すつもりないけど」

まさら「命を奪うな必ず私が始末するつもりだもの」

鈴音「ほら、怖い…

茉莉「でもあれはカガリのせいだし、マツリにも責任はあるよね」

こころ「もー、みんなもうあの時みたいに戦うことなんてないんだからこんな暗い話はやめよう?」

まさら「それもそうね」

鈴音「ええ…でも…何ていうか…」

まさら「なに?」

鈴音「私…まさらとの決着はいつかつけたいわ」

まさら「…!」

茉莉「決着?」

こころ「どうして?もう敵じゃないのに…」

まさら「ええ、構わないわ」

鈴音「!」

こころ「まさら!?」

まさら「スズネは…たぶん、私にとってある意味宿命の相手…だもの」

鈴音「…!」

まさら「一度目は完全に私の負けよ、二度目は一応戦いそのものは引き分け…としておこうかしら」

鈴音「ええ、そうね」

まさら「私もあなたも、似た能力を持つ者同士…そうよね?」

鈴音「ええ、もっとも私はツバキの力を継承したからだけど…」

鈴音「でもそうね、私も感じたわ。あなたは私と似てる、って」

茉莉「二人のコンビネーション抜群だったもんね」

こころ「わかる!スズネちゃんが羨ましかったもん」

茉莉「うん!まさらちゃんが羨ましかった!」