鶴乃「りんちゃんの魔力はすごいよ!こんなに強い魔力なんて滅多にないからね」

りん「あ、ありがとうございます」

鶴乃「魔力だけなら、やちよやみふゆよりもずっと高いんじゃないかな?」

りん「そうですか…?」

鶴乃「ずば抜けて高いのがタルトさんだけど、りんちゃんもそのくらいあると思う!」

鶴乃「でも、その高すぎる魔力に振り回されてる…かな?」

りん「え?」

鶴乃「攻撃がどれも直線的すぎるし、高すぎる魔力は逆に先を読みやすいんだよね」

りん「先読み…?」

マサラ「…りんは技を放つ時、由比さんを真っ直ぐに狙わずある程度回避を予想してるわよね」

りん「ええ…そうだけど…」

マサラ「技を放つ瞬間、強すぎる魔力が狙いを定めた先を強く示してしまう」 

りん「!」

鶴乃「そう、どこを狙ってるのかわかっちゃうんだよね」

鶴乃「普通ならそんな一瞬の魔力を感知するなんて中々できないんだけど」

鶴乃「りんちゃんは魔力の出力が高すぎてちょっとした動作も反映しちゃうんだと思う」

りん「……!」

マサラ「相手が経験不足ならともかく、ある程度戦いの経験がある相手なら避けるのは容易いと思うわ」

りん「……そんな…?」

鶴乃「未来のやちよやういちゃんは指摘しなかったの?」

りん「……過去で学んでくるように…とだけ」

鶴乃「!…なるほど」

鶴乃(これだけの魔力を秘めたりんちゃんをあえて過去に向かわせた理由の一つは)

鶴乃(りんちゃんに経験を積ませる為…なのかもしれないね)

マサラ「……魔女には勝てても、魔法少女を相手にするには経験が足りないようね」

鶴乃「知能が高い魔女も厳しいだろうね」

鶴乃「人造魔女はやちよでも勝てないくらいの強さ…」

鶴乃「やちよがりんちゃんを戦わせない理由はそこにあったのかもしれないよ」

りん「くっ…」

りん「……でも、まだ終わってない…!」

鶴乃「!」

りん「それに私の本気は…これから!」バチバチバチッ

鶴乃(剣にめちゃくちゃ稲妻を…まともに受けたらヤバい!)

鶴乃「…いいよ!まだ終わってないもんね!」ボゥッ

マサラ「…」

マサラ(明らかに、りんの方が魔力が高い…由比さんも炎を纏ってはいるけど)

マサラ(りんの稲妻の方が間違いなく高火力…どう返す…?)

りん「いきます!」

鶴乃「こいっ!」

りん「……!」スゥゥゥ…

鶴乃「!」

鶴乃(消えた…でもさっきのようにはこないはず)

鶴乃「でも!」ボォォォォッゥッ

マサラ「また炎の壁…」

鶴乃(たぶん突っ込んでくる…!)

ダンッッッッ

鶴乃「!!」

鶴乃「…上!!!」バッ

マサラ「インビジブル・アサシン…!?」

マサラ(いや、正確には違うのだろうけど…似てる…)

りん「はぁぁぁっ!!!」

鶴乃「ちゃーーーっ!!!」

ガキンッッッ

バチバチバチッボォォォォッゥッ

りん「…!!!」

鶴乃「く…!つ、強い…!」

マサラ(由比さんは全ての炎を瞬時に扇にかき集めた)

マサラ(それでも、りんの稲妻の方が明らかに押してる)

マサラ(やはり、単純な出力だとりんはかなり高いのね)

マサラ(私も真っ向勝負だと勝ち目はない)

マサラ(真っ向勝負なら、だけど)

りん「鶴乃さん!このまま押しきれます!模擬戦だしこれ以上は魔力の無駄です!」

鶴乃「決着がついていないのに勝ちを確信しちゃ駄目だよ!!」

りん「どうして?鶴乃さんは耐えるので精一杯のはず…!」

りん「このまま、私の勝ち…!」

鶴乃「それはどうかな?」

鶴乃「ちゃーーーーー!!!」バチバチバチッ

りん「!?」

マサラ「なっ…!?」

マサラ(由比さんの色が変わった…!?)