まさここ SS
あいみ「でもさ、そういうことだよ」
まさら「え?」
あいみ「こころが貰って1番嬉しいのは、私が選んだプレゼントじゃなくて」
あいみ「まさらの選んだプレゼントなんだからさ」
まさら「!」
あいみ「だから意地悪とかそういうのじゃなくて、まさらが自分で考えなきゃ駄目じゃないのかな」
まさら「…そう…ね」
あいみ「そんなに難しく考える必要もないんだよ」
あいみ「こころだったら、どんなものでも喜んでくれる」
あいみ「それは確かだと思うからさ」
まさら「……」
あいみ「難しい?」
まさら「…お金ならいくらでもある」
まさら「その気になればどんなに高価なものだって買うことはできるわ」
あいみ「あー、何気にまさら億万長者なんだっけ」
まさら「ええ、1円も使ってはないけれど」
あいみ「じゃあそれで何か買う?」
まさら「……いえ…きっと、それではこころは喜ばない」
まさら「例え何か物を買うにしても、あのお金じゃなくて、私のバイト代で買わなきゃいけないと思うわ」
あいみ「いけないかどうかはわかんないけど、まさらが働いて得たお金の方が良いとは私も思うね」
まさら「…でも…」
あいみ「ん?」
まさら「あのお金も、何かにはつかわなきゃいけないわ」
まさら「両親に渡すつもりだったけど、1銭も受け取ってくれないどころか、物凄く怒られてしまったし…」
あいみ「あー、珍しくまさらが凹んでたアレね」
まさら「あんなに怒られるとは思わなかったのよ…」
あいみ「そりゃ娘が特に深い理由もなくお金で契約して魔法少女になったとか言われたら」
あいみ「親なら普通怒るでしょ」
まさら「だって…」
あいみ「まぁ、契約の内容なんて私だって無駄遣いみたいなものだったかもしれないけどね」
まさら「両想いだとわかってるのに付き合うのに時間かかったものね」
あいみ「ほんとにね〜」
あいみ「でもまぁ、意味のある契約した魔法少女って案外多くないのかもね」
まさら「こころは意味があったわ」
まさら「だから今日だって両親に会いに行けるのだし」
あいみ「うん、でも最初はこころ相当追い詰められてたよね…」
あいみ「それこそ、まさらがいなかったらきっとこころは…」
まさら「…私だって、こころと出会わなかったらもうこの場にはいないわ」
まさら「どこかで一人誰にも気づかれずに死んでいたと思うもの」
あいみ「だから二人はお互いが命の恩人みたいなものなんだよね」
まさら「そうね、あいみ…あなたもよ」
あいみ「うん?」
まさら「あいみだって、かけがえのない大切な仲間だから」
あいみ「ふふっ」
まさら「冗談じゃないわ」
あいみ「わかってる!ありがと…なんだか感慨深くなっちゃって」
あいみ「やっぱり、まさらも変わったよね」
まさら「あなたとこころのおかげよ」
あいみ「それに、わざわざこころがいない日に私を呼ぶんだもん」
あいみ「そんなの、私に悩みを聞いてー!って言ってるようなもんじゃん」
まさら「それもそうね…」
あいみ「こころと何かあった?」
まさら「いえ、特にこれといったことはなにもないわ」
まさら「いつも通りの私達よ」
あいみ「そりゃそうだよね〜」
まさら「でも、それが…」
あいみ「!」
まさら「………」
あいみ「あー、そろそろ次のステップに行きたいとか?」
まさら「…次のステップ…かどうかはわからない…」
まさら「でも、私達はもう3年も付き合ってるし、こうして同棲もしているわ」
あいみ「もう3年かぁ、あっという間だよね」
まさら「ええ、本当に…」
あいみ「あの時、こころは誰にも相談しないでまさらに告白したんだもんね」
まさら「ええ」
あいみ「こころって心が強いよねー」
まさら「そうね…」
あいみ(まぁだれがどう見ても相思相愛だったからね、相談してもしなくても結果は変わんなかったとは思うけど)
まさら「こころは私のために本当によくしてくれたわ」
まさら「告白してくれたのもこころ、同棲を提案したのもこころ、大学だって私と同じ大学、学部に行けるよう物凄く頑張ってくれて…」
あいみ「こころはまさらほど成績優秀ってわけじゃなかったもんね」
まさら「何もすることがなくて時間つぶしに勉強をしていた私とはわけが違うわ」
まさら「あの子は家庭でも外でも時間がなかったのに、それでも必死に頑張った」
まさら「私なんかよりもよほどあの子の方が人として優秀よ」
あいみ「あはは、まぁこころはほんと頑張り屋さんだもんね」
まさら「なのに私は…」
あいみ「…!」
まさら「私は、あの子の為に何かをしてあげたの?」
まさら「いつも貰うばかりで、私からあの子には…何も…」
あいみ「なるほどね、そういうことね」
まさら「…私だって、彼女らしく何かをしてあげたい」
あいみ「今の録音して聞かせるだけでこころめちゃくちゃ喜びそうだけどね」
まさら「私は本気なの」
あいみ「ふふ、わかってるって」
あいみ(まさらは気にしてるみたいだけど、こころはまず間違いなく気にしてないだろうね)
あいみ(むしろこころからしたら気にする要素たぶん何もないんだろうし)
あいみ(まさらがこころを誰よりも何よりも大切にしてるのは、こころだってわかってるはずだもん)
あいみ(だから、こころはまさらに何かして貰いたいって思わないんだろうね)
あいみ(一緒にいるだけで十分ってやつ?)
あいみ(けど、まさらはそうじゃないだよね)
あいみ(何らかの形でこころにお礼がしたい…)
あいみ(それを私に相談したいんだよね)
あいみ(うーーん)
あいみ(…いろいろアドバイスはできるけど、でも…)
まさら「あいみ、私はこころに何をしてあげればいいの…?」
あいみ「……」
まさら「あなたなら、こころが喜んでくれるものがわかるはず」
あいみ「…ね、まさら」
まさら「なに?」
あいみ「私が選んだプレゼントとこころが選んだプレゼント」
あいみ「どっちか片方しか貰えないなら、どっちを貰いたい?」
まさら「え?」
あいみ「私とこころ、どっちか片方だけだよ?」
まさら「それは…」
あいみ「忖度とかしなくていいからね?」
まさら「……こころ」
あいみ「でしょ?そりゃそうだよ、こころは恋人なんだもん!」
まさら「あいみだって…親友、だから」
あいみ「きゃー!!」
まさら「だから言い難いのよ…」
あいみ「ごめんごめん!ありがと!」
まさら(私は加賀見まさら、19歳。大学生…そして魔法少女)
まさら(私達の住む神浜には大勢の魔法少女が今日も懸命に生き延びてる)
まさら(私もその一人)
まさら(魔法少女の人生は普通の人のそれと比べると、とても短く儚い)
まさら(それをみんな自覚して今日も生活をしている)
まさら(だから、みんなは1日1日をとても大切にしてる…)
まさら(なのに私は…)
こころ「まさら?どうしたの?」
まさら「こころ…」
こころ「最近…悩んでる?」
まさら「えっ?」
こころ「最近のまさら、いつもそうだから」
まさら「…そう、いえ、大丈夫よ」
こころ「…ほんとにそう?」
まさら「…ええ」
こころ「…そっか!うん、わかったよ」
まさら「ごめんなさい」
こころ「ううん!じゃあそろそろ時間だし、今晩は留守お願いね?」
まさら「ええ」
こころ「明日の昼過ぎには帰ってくるから」
まさら「うん、お昼用意して待ってる」
こころ「ふふ、ありがと!」
まさら「それじゃあ、お父さんとお母さんによろしく伝えておいて」
こころ「うんっ!いってきます!」
まさら「いってらっしゃい」
まさら「……」
まさら「こころ…」
まさら(…最近、私は自信がなくなってしまった)
まさら(本当に私で良かったのかしら…)
まさら(こころなら、私よりももっと…)
まさら(……)
まさら(そう考えると、罪悪感でいっぱいになる)
まさら(私は…こころに相応しい人間なの…?)
まさら(こころ…)
しばらくして
ピンポーン
まさら「!」
ガチャ
あいみ「まさら、来たよー」
まさら「ええ、ありがとう。上がって」
あいみ「おじゃまします!」
まさら「コーヒー?紅茶?」
あいみ「んー、紅茶かな?」
まさら「わかったわ」
あいみ「……」キョロキョロ
まさら「どうぞ」
あいみ「ありがとー」
まさら「突然呼んでごめんなさい」
あいみ「あはは、そんな気にしなくていいのに」
まさら「伊勢崎くんは?」
あいみ「今日はバイト遅くまでだから大丈夫だよ」
まさら「そう…」
あいみ「まさらから誘ってくるなんて珍しいからびっくりしちゃった」
まさら「そうよね…」
あいみ「私は今のままでいいと思うよ?」
まさら「え?」
あいみ「悩んでるんでしょ?」
まさら「!」
あいみ「こころのこと、自分のことをさ」
まさら「…流石ね」
あいみ「ふふっ、何年二人の親友やってると思ってるの?」
まさら「あいみ…」
あいみ「まぁ、最近のまさらずっと悩んでるのバレバレだからね」
まさら「やっぱりそう見える?」
あいみ「まさらって意外と何考えるのかわかりやすいからねー」
まさら「そうなのね…」
あけみふうふ!
Twitter プロフィール
加賀見まさら✨粟根こころ💛マギレコとまさここが大好き!2023/6/9まさここ結婚おめでとう💙💛💙💛!まさここイラストやマギレココラも少々。ブログにて、まどマギ&マギレコのSS等もやってます。無断転載禁止!Pixiv→https://t.co/W1mmKUdOAt
記事検索はここでガンガンやっちゃいますからねー!
最新記事はここで見れるぜ
コメント・フィナーレ!!
なぎさはアーカイブを見たいのです
人気記事だよ,うぇひひ!